映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。数々の名曲を生み出した音楽スタジオを舞台にしたドキュメンタリ作品「黄金のメロディ~マッスル・ショールズ~」です。
マッスル・ショールズ。アラバマの片田舎にある町で生まれたフェイムスタジオとマッスル・ショールズスタジオ。その二つのスタジオから生まれた数々の名曲と一流ミュージシャンの証言をもとに構成された音楽ドキュメンタリー。フェイムスタジオを経営するリック・ホールとスタジオミュージシャンによりあのウイルソン・ピケットやアレサ・フランクリンを世に出し、数々の名曲を生み出していきます。
60年代のソウルミュージックの名曲が白人スタジオミュージシャンとの融合により生み出されたことに驚き、ミック・ジャガーやキース・リチャーズ、ボノ、ジミークリフなどがマッスル・ショーンズに出会い新たな音楽を生み出していった証言を聞くと、このスタジオが世界の音楽シーンに欠かせない存在であったことを感じます。
また、この作品のすごさは彼らが育った地アラバマで生まれたこと。南部のもっとも黒人差別が強い町で人種を超えた交流があり、お互いをリスペクトしながら名曲が紬ぎ出された事実を知ると音楽の力を強く感じます。
フェイムスタジオでラストを飾る現在のスワンパワーズの演奏をバックにディランの曲を歌うアリシア・キースのシーンを観ながら、今なお続く差別による様々な問題の解決がこの作品に隠されているように感じました。