先日名古屋での所用の帰りにヤマザキマザック美術館で開催中の「富田菜摘 スクラップワールド」を鑑賞してきました。
富田菜摘は1986年生まれ若手の立体造形作家で廃材などを使ってユニークな立体作品を創り出す作家として注目されています。
今回の作品は、2000年初頭から現在に至る、恐竜、動物、身近な人物をモチーフにした作品で構成されています。
動物は主に金属廃材を組み合わせ各パーツにも手の込んだ作りで今にも動きそうな雰囲気を感じます。また、ご近所にいそうな人物は、新聞紙を貼り合わせ固めた素材で出来ており、それぞれにテーマを持った老若男女の人物がこちらを見つめています。
今回の展示の特徴としては、当館の板張りに床やアールヌーボ時代の花瓶や器、調度品と一緒に展示されているのですが、過去と現在がタイムスリップを繰り返すような摩訶不思議な空間を創り出し、富田作品がうまく融合しています。
過去にも女性作家を中心に立体造形作品の展示を行っている当館。今回の展示は過去の展示と比べても群を抜いているなと感じました。
ヤマザキマザック美術館は新栄駅から程近い場所にあり、お得な入館料で、今回の作品のようなユニークな展示にく加えて当館所蔵のバロック絵画や近代ヨーロッパの巨匠画家の作品なども無料の音声ガイド付きで鑑賞でき、さらに所蔵作品は撮影可能となっています。
コロナ禍の中で、ストレスを抱えながら生活が続いている方も多いかと思います。そんな時には、感染対策を施した密にならない静かな空間で美術を鑑賞するのも一案かと思います。
今回の富田菜摘展は、美術ファン必見の展覧会だと僕自身感じました。ぜひ美術館に足を運んでみてください。