美術館と物語。古今東西きっても切れない関係であり、古代の壁画芸術やギリシャ神話や聖書などの西洋美術、歴史画などの東洋美術などアートのルーツは物語にあると言えます。
今回の「え!からはじまる、ストーリー」展はそんな絵画の物語性に着目した展覧会で、メナード美術館の所蔵作品を通じて美術史の中の物語を学べる展覧会です。
今回は、観賞ガイドを紐解きながら、作品と物語の関係性について少し述べたいと思います。先ずは、みなさんよく知ってるロダンの接吻。この作品は、ダンテの神曲の中の男女を題材にした悲恋の物語です。またクールベの「デスデモーナの殺害」はシィクスピアのオセロから、当館を代表する作品のアンソールの「オルガンに向かうアンソール」はキリストのブリュッセル入城が描かれています。また、初公開のマックス・エルンストの作品は、ギリシャ神話のスフィンクスを描いています。
日本美術では、白樺派の高村光太郎のジャンルを超えた芸術性や瀧下和之の「桃太郎図ノ番外」や彫刻家・舟越桂が描いた「ピノッキオ」の絵巻物は古くから伝わる童話の世界を作者の独自の解釈を加えて再現するなど、物語を知ることで絵の中にある心模様を感じられます。
展覧会は9月24日まで。ぜひ芸術の中にある物語を楽しんでみてください。