アカデミー賞作品賞ノミネート作品レビュー、今回は、ウイル・スミス主演、史上最高の女子プロテニスプレーヤー、ビーナス&セリーナ・ウイリアムス姉妹を育て上げた父親を描いた実話映画「ドリームプラン」です。
女子プロテニス史上最高のテニスプレーヤーであるビーナスとセリーナ姉妹。二人の成功の陰には、独学でテニスを学び姉妹を鍛え上げた父親と母親の存在があったことを、詳細に描いているのが今回の作品です。78ページにも及ぶ計画書をもとに実行する父親、型破りに見える行動と子供に向けられる愛情は平等で二人以外の子供たちにも、それぞれの適正を見極めながら育んでいることが、よくわかります。
また、厳しいトレーニングをしながらも、決して体罰はなく、また主人公の幼少期をからの差別やスラム街でのギャングなどの少年犯罪から子供たちを守る姿には感動しました。また、独善的でも夫を陰に日向に支えながら時に自分の意見をしっかりと持ち対立をおそれない妻の姿にも、ウイリアムス家族の絆の強さを見ました。
キャスティングは、やはりウイル・スミスの個性が際立ちますが、ビーナスとセリーナを演じたサナイヤ・シドニーとデミ・シングルトンのプレーぶりと実在の姉妹そっくりな雰囲気も魅力的な部分です。
よくある実話に基づくスポ根ドラマ的な作品だと思っていたこともあり足が遠のいていましたが、ノミネート作品になったので遅ればせながら鑑賞してきました。僕の周りでもとても評判が良かった本作でしたが、評判通りの出来栄えでした。しかし、残念ながらウイル・スミスだからこそできた感が否めずおそらくは受賞は難しいかなと思います。ただ社会的な側面も多く持つ作品でもあるので、個人的には好印象の作品であることは確かです。