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○モノクロ写真の奥に美が垣間見える。
先日ふと本屋で目に留まったのがこの一書。
あの司馬遼太郎が新聞社時代に企画した連載を復刻したものだ。
44年前の1961年に刊行された。この本、大阪芸大で教授をつとめられた井上博道氏が、産経新聞写真部時代に撮影を担当している。
写真はすべてモノクロだが、日本の文化遺産の部分を映し出している。
主に京都、奈良の文化財を中心にその中にある部分的な美を紹介している。
表題の美の脇役にふさわしい、地味な演出ではあるが深い美意識にたった美の解説書とも言うべきものだ。
紹介者も大学教授、美術史家、俳人、管主など多彩な分野の著名人が名を連ねている。紹介者の独特な美意識は現在でも十分通用する。
だから50年近い時を経て、再びこの世に出ることもごく当然のことだろう。
改めて日本の美に触れてみることをお勧めする。