明日23日で終了となる、豊田市美術館の企画展「カルペ・ディエム-花として今日を生きる」を観賞ししました。
ローマの格言「カルペ・ディエム(今日を生きよ)」をテーマに現代美術の主要作家の作品が展示された展覧会は花として今日を生きるのタイトルにあるように、花をテーマに様々な時代や分野の花をモチーフにした作品が並び、現代アートの展覧会としてはその趣旨が明確でわかりやすい展示でした。
なかでも、僕が興味を惹いたのは、福田美蘭のキャンバス作品。荒木経惟のセンチメンタルな旅を含む写真作品や今回のメイン作品であろう、宮島達男のインスターレーションです。
福田は、亡き義父の夢の中での涅槃図を表現した作品や震災後の海を表現した震災後のあさりなど、従来の作品と異なる主題の作品を発表。荒木の作品は、亡き妻の一生を切り取った作品が今日を生きるのテーマに符合。そして、デジタル化された数字による作品で有名な宮島は、鑑賞者が、自分の寿命を自らパソコンに設定し、顔写真に数字を刻むインスタレーションで表現していた。
今回の展示は、そのテーマが明確だっただけに、鑑賞者にいかに伝えるかと言う手段が欠けているように感じました。関連イベントは多種多彩ですが、展示内容だけを見る限り、作品リストだけが手がかりの断片的な解説に過ぎず、現代アートの世界を理解するのには、その材料が乏しく感じます。
もっとアートが身近に感じられるアクションを今後に期待したいです。