先日の5月21日、京都に、日帰りひとりアート旅に出かけました。京都国立博物館、清水三年坂美術館、相国寺承天閣美術館
、細見美術館と巡ってきましたので各展覧会を随時紹介したいと思います。
一回目は、桃山期の巨匠、京都国立博物館開館120周年を記念して開催された海北友松展です。
桃山期の巨匠画家として浮かぶのは、先ず狩野永徳でしょう。次に浮かぶのは、松林図でもおなじみの長谷川等伯、そして今回の海北友松、一般的にはあまり馴染みのない画家ですが、建仁寺、妙心寺など京都ゆかりの神社、仏閣に重文作品があり、現在は当館に保存保管されています。
友松は、武家に戦乱の世の中で家族を失うなか、刀を絵筆に持ち替えてその才能を開花させた異端の絵師で、その画風は、狩野派の流れを組む作品に加え、数々の龍に代表される水墨画を描き、自由自在に絵筆をふるっています。
絢爛豪華な金屏風作品、龍の名手として名をはせた、その作品は海を渡り海外でも高い評価を受けています。今回の作品の中核的な存在として様々な姿で描かれた龍は圧巻でした。また、中国の故事に題材を得た南画や禅画など、友松の幅広い画才には目を見張るものがありました。
現在、若冲を中心に江戸絵画がブームとなっていますが、今回の展覧会により、狩野派を起点とし日本絵画の源流を知る上で今回の展覧会の意義は大きいと感じました。アートに携わる人間として、温故知新としての桃山期の画家に、もっと注目してほしいと切に願います。