それがそこに有る、と言う事を考えると、実際には深い。
それはただそこに有ったのではなくそれがそこに有るまでに、時間の経過が有るのだ。
とかいう事を考えていたらあの、「ドカベン」で有名な水島新司氏の訃報が。また一人、昭和のサブカルチャー、その柱が居なくなった、と思うと何だか意識は重くなる。平成の文化は、昭和のそれを食いつぶしてここまで来てしまった。エヴァンゲリオン世代、或いはその市場まで含んで、何かのパクリ、或いは侵略、”それ”を肯定したまま、しかし、自分らは結論で、何かを残した感じ、それは恐らく無い。
我々は、この後の世界を支え続けねばならない、のだが。その実績がほぼない、というそれは、ちょっと暗雲たる感覚にはなる。独自性を試みた経緯はもちろんある、その殆どが成果を出せていない、というそれは、果たしてユダヤ教の王、その固執だけだったろうか。ドカベンクラスに、明確に利益を発生させ続けるコンテンツ、そういうのを持ってないのだ。
先人にしろ、実際にはどうだったろう。それを否定した何かの創る物が、それより上だった事はほぼないが、とは言え先人のそれにしたって、或いは「なんかうまくいった」に過ぎない、のだ。その方法論を学び、再現を目指して失敗し続けた後の世代が感じるのは、或いは「人類補完計画」そんな、「それ何?」な、欠落を実感するそれと、卑屈さの入り混じった”何か”だったかもしれない。
SCPというコンテンツの、それは問題、としてはある。”それ”が発生した、そこにあった、理由に統一性がほぼない、世界そのものが何かのバグを発露し、SCP財団はそれらを補正?隠匿し続けねばならない、そんな立場に置かれた…だけだ。「何故?」に対して、彼ら自身、その説明を今は放棄してしまったが。
”その”足場になったと主張する、例の「モンスタージェネレーター」を、少し試行してみる。実際には少しバグ?があったので補正に伴い、試運転。ともかく記述に従い、サイコロで項目を決定。
動かない
二足で歩く
熱エネルギーで攻撃
噛みついて吸血
崩壊エネルギーの遮断
魔力付加武器のダメージは半減
姿を変えられる×2
弱点は物理攻撃
筋力 1D6+4
器用さ 4
俊敏さ 3D6+1
知性 5D6+3
忍耐 4D6+5
体格 1D6+1
というイメージから、想定。
「生きている家具」デッドデスク
”正体”は身長1m以下の、丸いボールの様な、プラスチックの様な体に、巨大な?口と、脚が二本ついた姿の魔物だが、普段は「家具」特に机に擬態している。犠牲者が近づくと噛みつき、その生体エネルギーを吸う。高い知性があり、人間の視点でその場に相応しい物に、上手く擬態する。正体がバレると、何かの情報と引き換えに許しを請う場合が多い。攻撃手段は基本的には口から吐く火炎だが、それほど強力では無い。擬態は高度で見分けはほぼ付かないが、よく見ると?「奇妙に真新しい」ので、注意すると違和感はある。
「なんで?」
これが創案された理由は、個人的な「なんとなく」それでしかない訳だが。実際には自分も、この辺の怪異的なイメージは、クトゥルフ神話を足場にしてしまっている部分はある、が。このモンスターがクトゥルフに登場するか?というと疑問だ。こういう感じと、”それ”を調査、思索していく過程がSCPのそれになる、のだろうけど。SCPにしろ、「これ以上の理由は持ってない」のだ、後は、自力で埋めるしかない、しかし。
「なんで?」
この喪失は、不意に重い話だったりしたのかも。昭和のコンテンツは、この先の追及、彫像になっても玩具になっても、”それ”はそれがそれである理由を持ち続けるのだが、SCPはそれが出来ない。このモンスタージェネレーターから発生するモンスターの多くには理由がない、ともかくそれが実在したら?的なニュアンスからその収容を試みる、というそんな挑戦ではある、自分らで作った物という訳でもないからだが。だから、「なんで?」なんでこんなものが居るんだ?には、答えは無い訳だが。
それはそれで、時代の産物という物だろうか。
そこにある奇妙なリアルは、欠落した時代を背にしているのかも。
この世界には、未来があるのだろうか、有るとしたら、どんな。
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