情報の真実を暴く

過去の出来事を振り返り現在の状況を踏まえ未来への向かうための警鐘を考え記事を発信

ネットセキュリティ大手「マカフィー」創業者は単なる奇人か、それとも殺人者か

2013-06-09 22:42:22 | 海外事件 事故
マカフィー」という名称を知っている人は多いだろう。米インターネットセキュリティソフト大手の企業名だが、実は、その創業者のジョン・マカフィー氏(67)は中米ベリーズで昨年11月で起きた殺人事件の「容疑者」だ。現在、米国にいるマカフィー氏は最近、米紙のインタビューに応じ「自分はやっていない。気はふれていない」と答えた。ただ、事件当時、自宅で多数の犬を飼い、銃を持った警備員を配して住民とトラブルを起こしたり、事件後には恋人と逃亡し、その様子をブログで中継したり…。奇人変人ぶりは随所に見受けられる。疑惑から見えるものとは?


「三流のバナナ共和国」での疑惑


 事件の経緯を簡単に振り返る。

 米CNNなどによると、昨年11月11日朝、北東部アンパーグリスキー島サンペドロで、米国人のグレゴリー・フォール氏(52)が銃で撃たれて死亡しているのが見つかった。マカフィー氏はフォール氏の隣人だったが、事件後、自宅から姿を消した。その後、ベリーズ国内を数週間、恋人と逃げ回った挙げ句、中米グアテマラに不法入国。その様子をブログに随時アップしていた。

 ただ、同行していた記者が写真をネット上にアップ。地図情報で居場所が特定され、グアテマラ当局が逮捕された。国外退去処分となり、米国へ。ベリーズの捜査当局は事情聴取を求めているが、実現していない。

 その疑惑の人が、5月13日付の「USA Today」の取材に答えた。

 「私は気のふれた人間ではありません」

 「ベリーズは世界中で最も美しい国です。ただ三流のバナナ共和国です。殺人事件発生率も高い」

インタビューでは、事件前にベリーズ当局者に要求された賄賂200万ドル(約2億円)の支払いを拒否したため、殺人の嫌疑をかけられたと主張。約500万ドルの資産はいまもベリーズに残っているとも述べている。


「名声」を汚す達人


 マカフィー氏は米航空宇宙局(NASA)の研究所でプログラマーとして勤めた後、ロッキード社へ。その際、自身がコンピューターウイルスの感染被害に遭ったのを契機に、1989年に同社を辞め、ウイルス対策ソフト開発を専門とする会社を設立した。自身の名前を冠した会社「マカフィー」は、ウイルス対策ソフト業界を代表する会社となった。

 ただ、その仕事ぶりに反し、マカフィー氏が「変わった人間」であることは間違いない。

 例えば、グアテマラでの逮捕後、米国に戻った後で行われた米誌ワイアードとのインタビューでは、賄賂要求を断ったことから、当局側に命を狙われていたと主張。さらに、死亡したフォール氏は自身と間違えて殺害されたと自説を展開している。

 また自宅には犬6匹を飼い、ショットガンを装備した警備員を配していたが、これをめぐっては、フォール氏ら近隣住民とトラブルになっていた。

 飼い犬について、マカフィー氏は「事件2日前の9日夜に、(当局側に)すべて毒殺された」と主張しているが、当然、当局側は否定。当局側は「彼の主張にはいつも驚かされる。我々はただ話を聞きたいだけだ」としている。

 グアテマラ当局者に身柄を拘束された際には仮病を装っている。心臓発作を起こし病院へ搬送されたが、これは真っ赤なウソ。国外退去処分となり米フロリダに舞い戻った際、記者団に「時間かせぎのための仮病だった」と告白している。

インタビューの中で、マカフィー氏は「私は自身の名声を汚す達人です」と述べ、さらに、皮肉を込めつつ、こう語っている。

 「殺人者、麻薬常習者、小児性愛者、妄想型統合失調症の狂人に、みなさんは何を期待していますか?」


粋でない生き方


 かつて戦国時代末期から江戸時代にかけ、乱暴狼藉を働いたり、常軌を逸した行動に走る人たちを「かぶきもの(傾奇者)」と呼んだ。のちの歌舞伎にもつながる人たちで、反権力の象徴ともされ、江戸だけでなく、京都でも流行し、庶民の耳目を集めた。マカフィー氏の行動や経歴はまさに「かぶきもの」にふさわしい気もする。

 ただ、本当の奇人・変人の類いと、それを“装う”人とは全く異なる。ましてや殺人事件の容疑者ともなれば、奇人・変人で片付けられる話でもない。マカフィー氏の場合、IT長者とは所詮この程度という“実態”をあらわしているようにもみえる


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。