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、新興国で引く手あまたの「日本原発人気」事情建設急ピッチ

2013-07-16 19:07:45 | レポート
 
 首相のトップセールス 「日本は世界一安全な原発の技術を提供できる」

 成長戦略の柱の一つに原発輸出を掲げる安倍首相は、こう断言する。

 安倍政権は「成長戦略」で、2020(平成32)年の原発などのインフラ受注額を現在の3倍の約30兆円に拡大する目標を掲げ、「原子力規制委員会の判断を尊重して再稼働を進める」と明記した。

 5月上旬にはアラブ首長国連邦(UAE)とトルコを訪問し、両国と原子力協定を締結。トルコのエルドアン首相とは、三菱重工業と仏原子力大手アレバの企業連合に「排他的交渉権」を与えることで合意した。

 6月初旬には、訪日したオランド仏大統領と、ヨルダンやベトナム、シンガポールなど東南アジア諸国への原発輸出で協力することで合意。同月中旬には、主要国(G8)首脳会議(サミット)への出席に先立ち、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキアの東欧4カ国の首脳との会合で原発を売り込んだ
プラントメーカー関係者は「原発輸出は1基当たり数千億円の大型商談だ。企業の力には限界があり、首相の積極的な働きかけは大歓迎だ」と喜ぶ。

 これほどまでに首相が原発の売り込みに意欲を燃やす背景には、国内での原発新設が厳しくなった半面、海外で原発の需要が高まっているという現実がある。

 ■2030年には800基…世界で増殖する原発

 電力会社や原子力発電メーカーなどで組織する「日本原子力産業協会」によると、世界の原発は11年末時点で約430基に上る。最多は米国の104基で、フランス(58基)、日本(50基)、ロシア(29基)、韓国(23基)-の順に続く。

 福島第1原発事故の影響で世界各国はエネルギー政策の見直しを迫られ、ドイツやイタリアは原発の廃止・縮小を決めた。しかし、両国以外の国々では、「原子炉の着工や新規運転の開始スケジュールなどは、おおむね当初の計画通り」(同協会)で、原発への期待感は揺らいでいないようだ。

 とくに、著しい経済成長や人口増が続くアジアや中東の新興国では、大幅な原発の新設計画がある。電力需要を低コストでまかなえる原発への期待感は強く、既に20基の原発を保有するインドでは建設中・計画中が11基、原発ゼロのインドネシアやベトナムも4基ずつ導入する計画だ。

 中でも、高い技術力を誇る「メード・イン・ジャパン」原発への信頼度は高いようだ。

 専門家の間では「2030年までに最大800基に増える」との試算まであり、日本の原発メーカーにとっては紛れもない商機が訪れている。

 原発でもチャイナ・リスクが浮上 しかし、原発が普及するほど、安全性が厳しく問われることになる。

 原発のトラブルは国内だけでなく、近隣諸国にも波及するリスクがあるからだ。

 最近では、韓国の原発で偽造部品の使用などが相次ぎ、23基のうち9基が停止する事態に陥った。

 しかし最も警戒しなければならないのが、中国の原発だ。中国では現在、15基が稼働しているが、建設中・計画中が55基もある。

 稼働中の15基は、すべて1990年代以降に稼働開始している。

 「米国で79年に発生したスリーマイル島原発事故などを教訓とした安全対策や予防措置が取られている」(関係者)との声がある一方、原発の急増に人材面の対応が追いつかず、設計・製造などの技術者が不足しているとの指摘もある。

 今年に入って、中国から飛来する微小粒子状物質「PM2.5」が問題視されたが、中国で原発事故が起きた場合、放射性物質が日本に流れてくる可能性もある。規制委は、中国からの放射性物質の「拡散予測シミュレーションマップ」の作成などを検討するという。

 原発の安全対策は、事故を経験した日本だからこそ、他国にアドバイスできる部分があるのかもしれない。原発技術をブラッシュアップし、安全対策を強化するためにも再稼働は必要だ。そうでなければ、「原発技術を買ってくれ」と他国に売り込んでも、信頼されないだろう。早期の再稼働が求められている


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