透明人間たちのひとりごと

ウサギとカメの物語 <6>

 これまでに 「ウサギとカメの物語 <1>~<5>」 を読んで
みた結果、興味を覚え、ある種の好奇心に駆られて <6>
読み始めた人の場合とそのままの流れで偶然に、あるいは
期せずして、このブログのページにアクセスした人の場合と
では期待値という点で雲泥の差があるのでしょうね。
 
 期待を抱いて読まれている人の失望を買うことのないよう
にしたいとは思いますが果たしてどうなるのでしょうかquestion2

 イソップの主張として一貫するものを、私は勝手を承知の
うえで、「真実を見抜く目と耳を持て」 ということとしました。

 それは、『イソップ物語』 が世間一般で常識となっている
ような 《清く正しい良い子のための教訓話》 などでは決して
ないからです。

 <1>~<5>を通して、「ウサギとカメ」 にわざとらしいまでの
こじつけをしたのにもわけがあります。
 
 私にはどう読んでも
 
 「人生は甘くないよ」 「世の中のいたるところに落とし穴が
掘られているぞ」 「ダマされるなよ。 ダマされる側に油断が
あって用心が足りないのだから」 と 聞こえてくるからです。

 子供向けの教訓話どころか、オトナのための処世訓という
よりも、むしろ実践的な処世術の伝授といった方が相応しい
でしょう。

 誰しも … とは言えないでしょうが、哲学は堅苦しいかぎり
でとても手におえない気分になりますし、シェークスピア的な
悲劇や叙事詩などもなんだか敷居が高く二の足を踏みそう
ですが、イソップ物語なら子供のころからの馴染みがあって
そんなに抵抗感がありませんよね。 

 子供のころに聞き覚えた話をオトナになって思い出した
ときにフッと感じるはずなのです。

 「なるほど、そうだよなぁ」 と思っていたはずの 《たとえ話》
に 「何でやねん」 というツッコミがいつしか入るようになって
いる自分に気づくのです。

 そうかと思えば、妙に腑に落ちるがゆえに感じる不思議な
違和感もあります。 なんだか予定調和的なヤラセ感覚にも
似た不信感とでも言うのでしょうかquestion2

 おそらくは、それがイソップの目論見のはずなのですが …

 実社会で経験を積んでから、改めてイソップ物語を読んで
みると解釈の幅が広がって、ミステリアスというか、SF的と
いうか、それまで知り得なかったイソップの真実の声や姿が
見え隠れするようになるのです。

 なかでもキツネに代表される姿をした奴らはみんな役者で
狡猾で賢いやら、惨めで情けなく哀れであったりと八面六臂
の活躍ぶりです。

 おっとと、話がまた、いつもの癖であちこちに飛び火しそう
なので軌道修正しますが、イソップにとって 「ウサギとカメ
の話は、前にも書いたように物語全体のプレリュードであり、
イントロなわけで、「世の中の嘘にダマされるな」 という寓話
の裏にある本音を知らせるためのシグナルでもあるのです。

 そこが他の話と違って不自然でツッコミどころの多い理由
なのでしょう。

 ですから、表の話は大衆向けの言わばマスコミ用で裏が
個別の1対1の問いかけになっているのです。

 特に現代社会はマスメディアの発達で、昔よりも何万倍も
操作・誘導されやすくなっています。

 マスコミュニケーションにはある種の意思が存在しますが、
そこに心は見つかりません。

 心は表面からは決して見えない裏側にあるものなのです。
 
 このブログを機会に、動物を隠れ蓑にした比喩の本当の
意味を皆さんにも真剣に問うてみて欲しいと思うのです。

 なぜならば、
 
 『イソップ物語』 自体が、たとえ擬人化しているとはいえ、
動物が喋るという嘘を前提にしているわけです。

 しかも、『イソップ物語』 は、イソップ自身の創作だけでは
なく、古来から伝承されていた寓話や後に創作された寓話、
さらには彼の出身地(小アジアのどこか)辺りに伝わる民話
を基にしたものなどが多数含まれているとされているわけで
イソップ物語』 そのものがブラックボックスなのです。

 言葉をかえて言えば 世界中の人々のパブリック・ドメイン
(知的共有財産)となっている 《たとえ話》 をステレオタイプ
に解釈させることで、イソップの真意や予言をカムフラージュ
することが可能となっているわけなのです。

 まさに、完璧ですね。

 子供のころには、ストンと腑に落ちた話もオトナになると
誤魔化しずらくなるものなのですが、 パブリック・ドメイン化
した『イソップ物語』 は、世界のスタンダードとなって
いるのですから見事というほかはありません。

 秘密を隠し持つのに、これ以上のベストな場所が他にある
のでしょうかexclamation2eq

 ところで、そうした認識を前提にしたうえで、

 冒頭の期待値に絡めて言えば、『イソップ物語』 のひとつ
ひとつの 《たとえ話》 は、それぞれが正月恒例の初売り時の
《福袋》 のようなもので、この 《たとえ話(福袋)》 の中身には
いったいどんな価値のあるものが隠されているのだろうかquestion2

 … といった期待が物語をより一層ミステリアスなものにして
くれるはずなのです。

 人間は元来、欲深いもので中身の隠されたものがあれば、
その中には自分にとって有利で価値のあるものが隠されて
いると思う傾向にあります。

 1万円の福袋の中身が自分にとって1万円以上の価値を
持った品物である保証はありませんが、それでも開けてみる
まではわかりません。

 袋を開けるまでの楽しみも金銭に換算できない付加価値
ですから 《福袋》 を買うことはそんなに悪いことではないの
かもしれません。

 正直、私は買ったことはないのだけど … …
 
 さて

 世の中に蔓延(はびこ)る嘘や私たちの知らないところで
私たちが操られているかもしれない事柄はいくつもあります
が、それをいちいち挙げていたらキリがありません。

 世の中とは偽善や欺瞞や偽装や策謀といった
彩(いろど)られている世界であって見えないところで歴史は
つくられ、時代は管理され、社会は統制されているのです。

 そして、そのコントロール上にガバナンスがあるわけです。

 正確にはガバナビリティーのある何者かによるガバナーの
存在なのですが …。

 なんだか、陰謀めいた話に発展しそうなのでやめましょう。

 symbol2a 差し障りのない範囲内で可能性だけで言えば …、

 たった今、この瞬間にあなたと私はこのブログのページを
通してつながっています。

 でも、私たちはお互いを知りません。

 しかし、それを知り得る可能性を持つものが存在します。

 私たちをつないでいるシステムを管理し運営している組織
や特定の人物などは、私たちの趣味や趣向やプロフィール
などの個人情報や企業等の(秘密)情報あるいは行動計画
などを手に取るように知ることが可能なのかもしれません。

 いや、ひょっとしたら、すでに分かっているのかも …

 なぜなら、私たちが毎日のようにHPサイトやブログまたは
検索などを利用するたびに何らかの 情報提供 して
いるわけで、そうした情報が蓄積され、分類され、分析された
《情報財産》 が確実に存在するはずなのです。

 それが、

 悪意 のある目的のために 利用 されないという保証を
いったい誰が 担保 してくれるとでもいうのでしょうかeq

 ことは、それだけに留まりませんが、イソップの指摘は時代
を凌駕し予言は歴史が証明してくれているようです。
 
 こうした現代の 《便利さに潜む危険》 を 「ウサギとカメ」 が
デジタルとアナログの物語」 として代弁してくれているのも
そのひとつでしょう。

 『イソップ物語』 には表に出てこない裏の意図や予言的な
要素がいくつもあって客観的に整理分類できない内容の話
も数多く存在します。

 たとえば、「ウサギとカメ」 は、先の 「デジタルとアナログ」
の他にも 「女と男の物語」 にも、「先進国と後進国の物語」
にも、「強大国と弱小国の物語」 や「老人と若者の物語」 …
といった具合に時代を超えて変幻自在なのです。

 それらの物語は、またチャンスがあったら紹介するとして、

 あなたにとって、このページをクリックしたリスクとリターン
は果たしてどうだったのでしょうか

 少なくとも 《福袋》 程度のリターンは期待できたのでしょう。

 どうやら、ここまでは辿り着いているわけですからね。  

 さてと、それでは …

 次回は、具体的なイカサマの八百長レースのいくつかを
ヒモ解いてみることにしますかexclamation2 

 実にハイリスクでローリターンというなんとも不合理な選択
ですが、「ウサギとカメの物語 <7>」 としてラッキーセブンの
完結篇 としましょう。

 そちらにクリックがあったら、ハイリターンのそれこそ
ハイリターンエース ありで、アリとキリギリスならぬ
「アリとセミの物語」 にサイドチェンジすることにします。


 そういえば、シンボリルドルフに負け続けたビゼンニシキの
仔にリターンエース という名馬がいたっけな symbol5

 どうせ八百長だろうって、とんでもない。

 障害競走の名馬 だったんだけどね … 

 障害レースだけに、しょうがれぇ~っす って

 ほんと、しょうがねぇ~ス !!

コメント一覧

Bull-Dog
いまだから、スッと腑に落ちるが、昔に寄っていたら途中でスルーし兼ねない内容だ。

これまで、コメントも拍手もなかったが、珠玉のページだと言える。

最初のコメントと最初の拍手の栄誉をいただこうとするか!
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