異論、反論、objection(オブジェクション)って
… そんなに大袈裟なことじゃないんです
桃太郎の家来が、イヌ、サルときて、その次がトリではなく
何故、キジなのか については、ボク なりの意見がある
というだけで、異論、反論というほどのことじゃありません。
桃太郎の家来が、イヌ、サル、キジ の理由 については
2号 さん(実質的には1号 さんの見解)が推す意味での
イヌ=実戦部隊の指揮官および側近のNo.2的な存在
サル=戦略を立て作戦を上奏する軍師・参謀的な存在
キジ=敵情偵察や諜報活動を担当するスパイ的な存在
… という意見には、透明人間たちの一人 として
概(おおむ)ね賛同する立場にありますが ボク 個人として
は、もっとアバウトで単純に考えてもいいんじゃないのかな
… とも思うわけです。
トリではなく、固有名詞としてキジだけが特定されている点
に奇異な感じを覚えるのかも知れませんが、そこに さほどの
深い意味があるとは思えません。
要は、この物語が、日本の昔話であると考えれば、つまり、
島国 <日本> というキーワードで捉えれば、至って単純に
して明快なのです。
物語が作られた当時に敢えて限定しなくても、イヌやサルと
言ったら、作者の想定した姿かたちに似たイヌやサルの姿を
多くの日本人が思い浮かべることでしょう。
常識的に考えればイヌと言った場合に、チワワやコーギー
やセントバーナード犬を連想することはなく、サルにしても、
ゴリラやチンパンジーやオランウータンなどを想像するはず
はないのです。
おそらくイヌならば、日本犬(柴犬、甲斐犬、秋田犬など)で
毛色は白か茶、サルはニホンザルでお尻は真っ赤でしょう。
すでに、日本人にはコンセンサス(共通認識・共通理解)と
して、イヌならイヌの …、サルならサルとしての画一化された
イメージが確立されていたのです。
ところが、
トリだけは、これだとする共通のイメージがどうにもこうにも
浮かんでこないのです。
ひとくちにトリと言った場合に、身近にいるスズメやニワトリ
を思い浮かべる人もいるでしょうし、優雅に舞うツルやトキや
シラサギやハクチョウを選択する人、あるいは猛禽類を代表
するタカやワシの他にも、マニアックなケースではクジャクや
ダチョウやコンドルといった在来種ではないタイプのトリたち
を連想する人もいるのかもしれません。
要するにイヌやサルと違って、トリには共通するイメージが
形成されにくかったがために、キジだと特定したのでしょう。
まあ、当然と言えば当然の、無難と言えば無難な指名なの
かもしれません。
なにせ、キジは日本の国鳥なのですから …
日本犬、ニホンザルときて、日本の国鳥、順当ですね
尤(もっと)も現代に限れば、鬼退治に連れて行くべき家来
としてのイヌを選ぶとした場合に、ドーベルマンやシェパード
やシベリアンハスキーなどを選択する人も少なくないでしょう
し、サルならば、マウンテンゴリラか、チンパンジーを、そして
トリならば、タカやワシが、最も頼り甲斐のある有望なる候補
となりうるのかもしれません。
ところで、
その他にも、桃太郎の家来たち(イヌ・サル・キジ)には、
いろんな説があるので、ここで、紹介しておきましょう。
まず、敵となる鬼ですが、風水では鬼は丑寅(ウシトラ)の
方角(北東)にある 「鬼門」 からやって来るものと考えられて
いたことから、敵役である鬼たちにはウシのような角があり、
トラの皮の腰巻きを覆(おお)っているわけで、このことからも
、風水の思想的な影響下にあったとの解釈が成り立ちます。
そこから導かれる説として、
桃太郎は 「鬼門」 の鬼たちに対抗して、「裏鬼門」 に
配置される申(サル)、酉(トリ=キジ)、戌(イヌ)を従えた。
しかしながら十二支による方位では、丑と寅(艮・ウシトラ)
と逆の方位に当たるのは未(ヒツジ)と申(坤・ヒツジサル)で
あって、方角的には南西ということになります。
申、酉、戌では、それぞれが、西南西、西、西北西となって
とても 「裏鬼門」 と呼べるような方位や方角ではありません
ので、この解釈にはいささかの無理があるようです。
吉備津宮の縁起物語によると、吉備津彦命(きびつひこ
のみこと)が、犬飼部の犬飼健命(いぬかいたけるのみこと)
と、猿飼部の楽々森彦命(ささもりひこのみこと)と、鳥飼部
の留玉臣命(とめたまおみのみこと)という三人の家来たち
と共に鬼の城に住む 「鬼」 = 温羅(うら)を倒した
とされています。
この話の犬飼部=イヌ、猿飼部=サル、鳥飼部=キジが、
桃太郎の三人の家来たちと合致するという説です。
ちなみに、
温羅(うら・おんら)とは、百済の王子を称する人物です。
犬飼部とは、猟犬や番犬あるいは軍用犬を飼育する職能
を担った部族のことのようです。
猿飼部とは、山部(やまべ)の部族であり現代風に言えば、
山林事業者や鉱山事業者などを指すようです。
鳥飼部とは、鳥を朝廷に献上したり飼育をする役目の品部
(しなべ)で、今で言ったら、小鳥(ペット)屋さんや養鶏専業
の民のようですが、鳥取部(ととりべ)という平時には弓矢で
鳥を捕って暮らしていた 「弓矢部隊」 のことかもしれません。
『桃太郎』 の主人公が、前述した吉備津彦命であって
鬼のモデルが温羅であるとする の説に強い説得力を
感じますが、他にも別の違った説や見方があるのです。
陰陽五行説では、桃 も、申(サル)、酉(トリ)、戌(イヌ)
のいずれも、金を意味するそうで、鬼ヶ島にある宝物と関連
するという説です。
儒教的解釈によれば、サルは智、キジは勇、イヌは仁
を表すとされているそうで、戦いを征するには智、勇、仁が
必要だということでしょうか。
まだまだ、ありそうですが、『桃太郎の家来 <2>』
で展開された 1号 さん と、2号 さんの見解については、
それぞれの説をうまく融合させ、そのエキスを抽出した感が
ないわけではありませんが、独自のエッセンスも加味されて
いて、総合力での説得性は十分にあるようです。
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/253.html(参照)
さて、何故、トリではなくてキジなのか については、先述
したように、深く掘り下げて追及する意味は希薄で、それより
も、イヌ、サル、キジが、桃太郎の家来たる所以(ゆえん)に
こそ不思議な(様々な説の存在に)興味を覚えるのです。
1号 さんの言うように、イヌが腹心のNo.2であったか
どうかは別にしても実戦部隊であったことは確かなようです。
サルに軍師や参謀としての素養があることを否定するもの
ではありませんが、イメージから類推すれば、事前に敵地に
深く潜入して活動する忍者的な諜報部隊や特殊任務を遂行
する別働部隊だった可能性もあります。
キジが偵察や哨戒任務に適していることには、疑う余地を
挿みませんが、吉備津神社の縁起物語にある『温羅伝説』
から推察されるキジとしての鳥取部(ととりべ)が飛び道具を
駆使する弓矢部隊を意味するという見解も無視できません。
そこで、次回の 『桃太郎の家来 <4>』 では …
1号さん と、2号 さんの見解に対する補足的な注釈と
補完すべき解釈を付け加えて 透明人間たち が主張
する仮説として完成させたいと思います。
本来ならば、次は 1号 さんの番なのですが …
ごめんなさい
冗長とした文面の所為か、消化不良でスッキリしません。
おいそれとばかりに、そうは問屋が卸してくれないのかも
しれませんが …
次回で是非、溜飲を下げさせてください。
艮(ウシトラ)は、鬼門 です。
坤(ヒツジサル)は、裏鬼門 です。
決して、裏切者 ではありません
… … … むむむ。
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