私は昨年、大きな人生上のミスを犯した。それによって大切なオットを真に傷つけ孤独へと追いやってしまった。
今、寒さの中、オットの帰りを待っている。そうして、こんな日は、私が入院した5日間、オットがどれだけ孤独だっただろうと想像せずにはいられない。暗い玄関のドアを開け、出来合いのものを食べ、猫に食事をさせたりしたのだろう。それでもオットは何一つ責めたりはしなかった。自分が辛かったことも言ったことはない。とにかく「助かってよかった」とだけだ。
以前、オットとお相撲をとろうということになったことがあった(笑)
私が倒れ込んだところにテレビがありそのテレビに頭を少しぶつけてしまった。私はからかおうと思って眼をつぶったままじっとしていた。オットが最初は「はいはい、起きよう」と悠長に構えていたが、だんだん声色が変わってきた。私の脈をとったり「愛乃 愛乃」と泣きそうな声で連呼し始め「悪い冗談はやめてくれよ~」とほとんど泣いているのでつい笑ってしまって眼を開けた。こっぴどく怒られるものと思っていたのに、「あ~よかった よかった」と一言も怒りもせずただただ私を抱きしめて泣いているのである。オットが涙を見せたのはリュウの時とこの時だけである。
そういう人だ。自分では いい人なんて言われたくない なんて嘯いているけれど、毒舌と言ってくれ などとそぐわないことをいっているけれど、これがオットはこういう人なのである。