ポジティブ思考が随分と賞賛されている世の中であるように思う。
ポジティブは即ち善であり、ネガティブは即ち悪であるかのようである。
私は父が亡くなるまでポジティブの塊の様な考え方だった。
でもそれは、間違っていた。
私は父が亡くなった後の母や母の幼き頃の苦労や、同じくポジティブと言われていた祖母の関東大震災、太平洋戦争を乗り越えてきた苦労を思う時、ポジティブとはネガティブに裏打ちされたものでなければならないと考えるに至った。
それなくして、真の自分とはいえないのではないかと思う。
私は周りから、豪傑でポジティブだと言われる。それはそれでいい。
ただ、例え自分が暗いとネガティブだと思われようと言われようと私は私のままでいるだろう。
それが私が私である事の、微かな誇りなのだから。