ノルウェーの森を最初に読んだのは、確か20代半ばだったように思う。
その時は、若さ故にありがちな、性的部分に興味をそそられた記憶がある。実際に村上春樹も処女作ではセックスについては一切書かず、ノルウェーの森ではセックスのことをたくさん書こうと思ったと言っている。
しかし、この作品は、40になった私には生と死の話に感じられた。
生は死を含んでいる、という文章が頭を離れない。確かにそうなのではないかと思う。生きているということは死んでいるということの対極に位置するものではなく、常に一緒にいるものなのだと。そして、生きている者は死を背負って生き抜かなかればならないということを。
この本に対する感想が上記のように短いが、この本は私にとって大切な本になった。保留にしている点もたくさんある。多分これから先も何度か読む本だろう。