能楽ブロガーたちの記録ーようこそ会津能楽会へー

おもに年3回の会津能楽会公演を報告します。その外は能楽や会津の自然、郷土食、生活文化について、4名が綴る共同ブログです。

第29回会津鶴ヶ城薪能

2015-09-27 20:54:10 | 
 秋のお彼岸の中日(23日)は会津祭りの大イベント歴代藩侯武者行列が行われる。

夕方からの薪能は宣伝不足もあるが、それでも例年400名足らずの客席は満席。今年も立見席の人が多かった。

演目は「土蛛」。クモの化け物を退治する活劇で、見どころはクモと頼光、クモとワキの戦い場面である。

当日の写真を順に午前中より塚作り、装束の確認、そして開場、椅子席はすでに満席、市長さんの挨拶と前座の仕舞4番>
                  

いよいよ能のはじまり。
お調べが楽屋から流れ、客席も静まったところに切り戸口より地謡方、同時に左側の橋掛かりから囃子方、
続いて一畳台が運び込まれる。そして頼光がツレを伴ってワキ座におかれた一畳台の上にすわる。そして小蝶が舞台に入る



頼光の家来のワキ独武者が物音を聞きつけて頼光の寝所に駆けつけ、事の次第を頼光に聞き、化け物退治を命じられ、中入りとなる。間狂言の代わりに会長が出て説明。ワキの装束取り換えに時間が必要。後見人は一畳台移動、塚の運搬など忙しい。

クモは塚の中から糸を吹きかけ、場外に出ても戦うが、力尽きて塚に戻るが、攻撃に耐えかね塚の前で動けなくなってしまう。そこで首を落とされる。ワキの最後の所作はやったーの勝利宣言。

                       

地謡を残して立ち方、囃子方が舞台を去ると、終了のあいさつは謡曲「五雲」
五雲のゆかり尽きせじと。結ぶ契りの友垣や。謳うも舞うも宝生の。流れ久しき栄かな> 



謡曲稽古に異人さん

2015-09-18 16:19:51 | 

いまや、各種の日本文化に興味を示す外国人は珍しくもない。陶芸、柔道、茶道、醸造など多方面にわたっているが、

それは全国どこかの話と思っていた。会津能楽会を見物に来る方は珍しくないが、まさか一緒に謡曲を謡うとは思わなかった。

先日芳馨会の新弟子として「鶴亀」のワキを見事に謡って拍手喝采された。まだ稽古は4回目というから、上達ぶりには驚きである。

彼は会津大学の言語学准教授、年令は不明。二ュージーランド国籍で日本滞在は7年。会話には困らない。

謡曲の文章・文字が判読しているとは思えないが、音で覚えてしまうようだ。若い頃はアジアやスペインの民族音楽、

クラシックギターに凝って、世界各地を回っていたとか。クインズランドのオーケストラとの競演も数回あるという。

ここ会津若松でもコンサートを開いたそうだ。

 芳馨会の終了後にギター演奏を披露したが、数曲のうち判ったのは仏映画のジェルソミーナの主題歌だけだった。

大鼓にも興味を示しているから、数年後は舞台で見られるかもしれない。