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新型コロナ 今の感染状況は? 5類移行1か月 AI予測 SNSでは
2023年6月8日 19時47分 新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの感染者数、「全数把握」が行われて最後に発表されたのは5月8日でした。
【5月8日 厚生労働省の発表 全国で9310人、東京都は1331人】
感染症法上の位置づけが「5類」に移行して1か月。
いま、感染者数は、いったいどのくらいになっているのでしょうか。
AIによる予測やSNSへの書き込みなどの分析から、“コロナの現状”が見えてきました。
【5月8日 厚生労働省の発表 全国で9310人、東京都は1331人】
感染症法上の位置づけが「5類」に移行して1か月。
いま、感染者数は、いったいどのくらいになっているのでしょうか。
AIによる予測やSNSへの書き込みなどの分析から、“コロナの現状”が見えてきました。
AIで予測 東京都の感染者 6月2000人 8月は6700人とも
東京都で最後に感染者の実数が発表されたのは5月8日の1331人です。
今、東京都ではいったいどのぐらいの感染者がいるのでしょうか。
名古屋工業大学の平田晃正 教授のグループは新型コロナの感染者数やワクチン接種や感染による免疫の効果、社会活動の活発さを示す「飲み会」や「バーベキュー」といったSNSの投稿の数などを元に、AIを使って感染者数の予測を行っています。
平田教授らはことし4月、東京都の1週間平均での一日当たりの感染者数について、さらに感染力が強い変異ウイルスが現れず、夏ごろには人出がコロナ前の水準に戻る想定で予測したところ、しばらく増加が続くものの急増はせず、6月上旬には2000人程度で横ばいになるという見通しを示していました。感染者数の定点把握のデータを分析すると、5類に移行してからの1か月間、感染者数はおおむね事前の予測と同じ傾向で推移しているということで、この要因について平田教授は「第7波や第8波で多くの人が感染したため免疫が維持されていて、急激な感染拡大は起こりにくい状況だったと考えている」という見方を示しました。さらに、今後の感染者数について7月に人出がコロナ前の水準に戻る想定でAIを使って予測すると、東京都の感染者数は6月中旬から下旬にかけて増え始め、
8月中旬には、
▽マスクの着用率が50%の場合はおよそ4400人
▽20%の場合はおよそ5300人
▽マスクの着用率が20%で変異ウイルスの「XBB」系統のうち感染力が強いものが増えるという想定では、およそ6700人となったということです。平田教授は、気温が上がってエアコンの使用が増えて換気が不十分になることや、免疫は徐々に下がってくること、それに人々の活動が活発になることから、今後、感染リスクは上がるとしています。
一方、平田教授は5類への移行に伴って毎日の感染者数が把握されなくなり予測の精度は下がっているとしていて「複合的なデータを利用できる環境を構築することが重要だ」と話しています。
全国の感染者数 民間の推計で約3万5000人に
全国では、感染者数は今どのぐらいなのか。
最後に実数が発表された5月8日の全国の感染者は9301人でした。
新型コロナの感染者数を民間の医療データベースのデータをもとに推計している製薬会社のウェブサイトによりますと、7日時点での全国の感染者数は一日当たりおよそ3万5000人と推計され、最後の実数発表の3倍以上に増加しています。
ウェブサイトはアメリカの製薬会社モデルナの日本法人が運営していて、民間の医療情報データベースに登録された全国およそ4200の医療機関のデータをもとに、専門家の監修を受けて推計した全国や地域ごとの感染者数を毎日掲載しています。
また、医療機関を訪れて検査を受けた人のうち陽性だった人の割合、陽性率は28%と、およそ1か月で10ポイント上がったとしています。
“のどが痛い” “熱がある” ツイート投稿 毎日約500件も
SNS上でも感染が拡大しているとみられる兆候があります。
東京大学生産技術研究所の豊田正史 教授らのグループは、NTTデータがまとめたツイッターのデータをもとに、新型コロナに関連するとみられる投稿の数を分析しています。症状に関するツイート数(青い折れ線)と陽性者数の推移それによりますと、のどの痛みと発熱を訴える投稿の数は4月から増加し、4月上旬には1週間平均での一日当たりでおよそ250件、5類に移行した5月から6月にかけてはおよそ500件となっています。
去年初めからの「第6波」や去年夏の「第7波」、それに去年秋からことし初めの「第8波」では、のどの痛みと発熱を訴える投稿の数と感染者数の増減の傾向はほぼ一致していて、豊田教授は現在の状況について「すべてが新型コロナの感染者というわけではないと思うが、新型コロナ自体は増加傾向にあると考えられる」と指摘しています。
“飲み会開催”推測されるツイート投稿 毎日1000件前後
リスク行動関連ツイート数(折れ線)と陽性者数の推移また、これまでは飲み会が開かれたと推測される投稿が増えると感染が拡大し、その後、投稿が減少して感染状況も落ち着くという動きを示していましたが、ことしに入って以降、増加傾向が続き、春先からは一日当たり1000件前後と去年からの1年間で最も高い水準となっているということです。豊田教授は「人々の行動は平常に戻っていると考えられ、しばらくは増加傾向が続くのではないか。5類に移行したあと、人々が感染者数に注意を向ける機会が減っている。日々の変化が見えるデータをできるだけ多く提供し、状況に応じた感染対策を自分で決められるようにすることが重要だ」と話しています。
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