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「学校カメラマン」はもう限界5千枚撮影で日給2万円首都圏の運動会に関西から助っ人も

2024-04-23 10:39:17 | ニュース
「学校カメラマン」はもう限界 5千枚撮影で日給2万円 首都圏の運動会に関西から助っ人も
2024/04/23 07:00

運動会の撮影には、写真館の撮影の代理を勤める「代写カメラマン」がくることがよくある

 運動会や修学旅行、文化祭など、学校行事を撮影する「学校カメラマン」の不足が深刻化している。背景にはコロナ禍と、「激務に報酬が見合わない」という課題があるようだ。
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 これから多くの学校で運動会シーズンを迎える。徒競走やリレーで力走し、団体競技に挑んだ記憶は、子どもにも家族にもよい思い出になることだろう。そんな運動会を写真として残すのが、学校カメラマンだ。

 今年2月、ひとつの「炎上」で学校カメラマン不足の実態が表面化した。ある撮影会社が、小中学校の入学式を撮るカメラマン約100人をXで募集したのだ。

 すると、「SNSで集めたよくわからない人たちが子どもを撮るなんて、マジで怖い」「何かあったらどうやって責任をとるつもりなんだろう」などと、批判が相次いだ。

■「代写カメラマン」が足りない
「Xの投稿は、『代写カメラマン』を募集したものです。本当に人手が足りず、ギリギリだったのでしょう」

 関西在住のカメラマン、松本さん(30代・仮名)はそう話す。
 多くの場合、学校カメラマンとして撮影実務を請け負うのは、地元の写真館や写真スタジオのカメラマンだ。だが、行事日程は複数の学校で重なることが多く、スタッフだけではまわりきれない。そのため、助っ人のカメラマンに業務委託して撮影を分担する。彼らは写真館の撮影の代理を務めることから、「代写カメラマン」と呼ばれる。

 松本さんは大学で写真を学んでいたとき、先輩の紹介で初めて代写カメラマンを務めた。その後、中堅の卒業アルバム制作会社を経てフリーになり、学校撮影をメインにしていた時期もある。現在は出版社を中心に活動しているが、「学校写真の師匠」が経営する首都圏の写真館から声がかかれば、代写カメラマンの仕事も請け負っている。

運動会の日程は複数の学校で重なることが普通なので、助っ人のカメラマンに業務委託して撮影を分担することが多い

 今春も首都圏の入学式の撮影を頼まれた。関西から代写カメラマンを呼ばなければならないほど、人手不足は「深刻」だという。

 Xに投稿した会社は必要な人数を確保できなかった。だから、異例ともいえるXでの募集にふみきったのではないか――。そう松本さんは推察する。

■Xデーは10月12日?
 写真館の経営者らで構成される日本写真文化協会は、カメラマン不足についてこう語る。

「以前から、学校行事が重なることが原因でカメラマンが不足します。最近はコロナ禍明けで学校行事が再開され、人手不足がクローズアップされているということだと思います」(事務局の澤田京一さん)

 だが、昨今の「代写カメラマン」獲得競争はあまりに苛烈だ。なんと2024年4月現在、すでに来年の学校行事のスケジュールが押さえられていたりする。

「今秋の首都圏の運動会の撮影も受けました。10月12日に幼稚園や保育園、小中学校の運動会が集中していて、いまだカメラマンを確保できていない写真館もあるようです。代写カメラマンの募集はいつでもあります」(松本さん)

 記者が求人サイトを覗いてみると、すぐに募集が見つかった。
“副業も大歓迎。写真撮影が好きな方、興味がある方にピッタリなお仕事です”
“これからカメラマンとしてやっていきたい、という学生さんもご相談ください!”

 記者は長年、写真雑誌「アサヒカメラ」の編集に携わってきたが、代写カメラマン経験者の知り合いは多い。代写をメインにしているカメラマンもいる。だが、学校行事が軒並み中止になったコロナ禍をきっかけに、この業界から去った人は少なくない。

 東京商工リサーチによると、昨年1〜8月の写真館などの倒産は過去最多の20件だった。以前からの苦境に加え、コロナ禍で入学式、修学旅行、結婚式などが減少し、関連支援も打ち切られたことが倒産の原因だという。代写メインのカメラマンの窮状は推して知るべしだ。

「激務なのに報酬は安く、将来が見えないので若手がよりつかない」と学校写真を撮影するカメラマンについて語る松本さん(仮名)

■30年前から報酬変わらず
 そもそも、高価な機材が欠かせず、機材を運搬する車も必要なのに、報酬は決して高くない。大手卒業アルバム業者が価格破壊を引き起こし、潰れた写真館はかなりある。残った写真館も値下げに追従せざるを得ない状況になった。代写カメラマンの報酬は、首都圏の場合、1校につき2万円ほどで、30年ほど前からほとんど変わらないという。

 首都圏に拠点を持つ60代の広告カメラマンも「代写の仕事を長年引き受けてきたが、本音を言うと、もうやりたくない」と漏らす。友人が卒業アルバムの制作をしていて、卒業式や入学式などが重なる繁忙期に代写を頼まれると、断れない。

「ギャラがあまりにも安すぎる。これでは、他のカメラマンを紹介することもできない」
以下略ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)



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