なんで紀貫之は、大伴黒主を挙げたんだろうか。
**読書記録**

編者も記してる通り、今まで無かったのが不思議だよなあ。
今まで読んできた、『古今集』『詞花集』『後拾遺集』『新古今集』&『小倉百人一首』の歌人の説明で、「三十六歌仙の一人」と添えられてたりするが、全員知ってるか、と問われると、ねえ?
そういう意味では、入門書としてはとても画期的。
専門書は巻末で紹介されてるみたいだが。
今日読めたのは、下記の20人。
取り上げたのは、好きな和歌、気になった和歌。
なるべく取り上げたことのない和歌を挙げたい。
だから『百人一首』の和歌は入れないことにする。
1 柿本人麿
2 紀貫之
3 凡河内躬恒
4 伊勢 思ひ川 絶えず流るる 水の泡の うたかた人に 逢はで消えめや
5 大伴家持 あらたしき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いやしけよごと
『万葉集』最後の和歌ですな。
好きなんです、これ。
6 山辺赤人
7 在原業平 代の中に たえてさくらの なかりせば はるのこころは のどけからまし
月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ 我が身一つは もとの身にして
過去に取り上げてるだろうけど、業平はやっぱり有名なこの二首ははずせないな、と。
8 僧正遍昭
9 素性法師 みわたせば 柳桜を こきまぜて みやこぞ春の にしき成ける
『古今集』の春の和歌の中でも名高い一首だろう。
これもはずせん。
10 紀友則
11 猿丸大夫
12 小野小町 思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを
13 藤原兼輔
14 藤原朝忠 あふことの たえてしなくは なかなかに 人をも身をも うらみざらまし
『百人一首』の後鳥羽院の和歌を思い出す。
15 藤原敦忠
16 藤原高光 春過ぎて 散りはてにける 梅の花 たた香ばかりぞ 枝に残れる
17 源公忠
18 壬生忠岑
19 斎宮女御
20 大中臣頼基
各歌人の和歌、編者の意向で最低三首は掲載してくれてるのがありがたい。
初めて知る和歌が多いと思うから。
ただ、この編者、某展覧会の図録を担当した人に対して、ちょっと喧嘩売ってる気がしないでもない。
その気持ち、分からんでもないけれど。