神なら、ヘルメスが好き。
英雄なら、ペルセウスとテセウス。
正反対な英雄ですけどね。
ペルセウスは、まあ、たぶんだけど、アンドロメダと一夫一妻を貫いたんじゃないかな。
反対にテセウスは、屈折というか、暗いというか、ひねくれ具合に惹かれる。
本によっては、クレタの王ミノスと男色関係にあったらしいし、その娘のアリアドネとは結ばれても捨てたし(あるいはアテナに捨てるように命じられた)、後にアリアドネの妹パイドラを妻に迎えたという、えげつない親子丼状態。
予言者なら、テイレシアス。
蛇の交尾を見て、棒で叩いたら女体になって、9年後、またも蛇の交尾を見て、同じように棒で叩いたら、男に体に戻った、という稀有な体験した人。
だから両方の性体験を経験して、ゼウスとヘラの問いかけ「どちらが快感を覚えるか」に、「1対9で女性の方だ」と答え、ヘラの怒りを買って盲目にされた。
それを不憫に思ったゼウスに、予言能力を与えられたという、神々に振り回された人でもある。
ひょっとしたら、女性の体のときに、テセウスとも関係を持ったんではないか、と想像したことがある。
女性については、また今度。
**読書記録**
オウィディウス 『ヘーローイデス』 (平凡社ライブラリー)
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