「札幌芸術の森美術館」の約1,700点に及ぶコレクションの中からとっておきの作品を紹介する特別展「きみのみかた みんなのみかた」。美術作品を鑑賞することによって引き起こされる心の動きに注目し“見る人によって様々な作品の見方を受け止め、一人一人の心の動きに寄り添う味方となるような展覧会”だそうです。
「野外美術館 芸森かんじきウォーク2022」と「Cafe Fermata(カフェ フェルマータ)」でのランチを経て札幌芸術の森美術館特別展「きみのみかた みんなのみかた」観賞です。「野外美術館 芸森かんじきウォーク2022」の開催状況を把握すべく「札幌芸術の森」のウェブサイトにアクセスして特別展「きみのみかた みんなのみかた」の開催を知りました。ランチの予定を誤って一時❝また次の機会に”と諦めかけたのですが無事「Cafe Fermata(カフェ フェルマータ)」でのランチを済ませ美術館に戻ってきました。
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積雪の「札幌芸術の森美術館」の入口付近。
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特別展「きみのみかた みんなのみかた」のちらし。
“美術作品に出会ったとき、人はどんなことを感じたり、考えたりするでしょうか。「なんだかいいな」、あるいは「よくわからないな」などと感じるかもしれません。作品をきっかけに、個人的な経験や体験を思い出すかもしれません。
美術は、人の心を様々に動かします。
たくさんの作品を集め、大切に守り、展示している美術館は、作品をみる人それぞれの思いや気づき、考えが詰まった場所でもあるのです。
この展覧会では、約1,700点に及ぶ札幌芸術の森美術館のコレクションの中からとっておきの作品をご紹介し、鑑賞によって引き起こされる心の動きに注目します。展示室内には、小さなお子様も一緒に作品鑑賞を楽しめるようなキットも用意しています。
みる人によって様々な作品の見方を受け止め、一人一人の心の動きに寄り添う味方となるような展覧会です。”
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この展覧会では作品のキャプションや解説の表示がありません。自分なりの「みかた」で作品を鑑賞しましょうという趣旨だとか。また展示は1章から5章まで5つのテーマに分かれていて「それぞれどんなテーマか考えてみましょう」ということで個人個人の「みかた」を考えながら鑑賞する仕掛けになっています。面白そうなのでテーマを考えていきます。
【1章】
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國松明日香《水の環》2008年(こちらのキャプションは便宜上、作品リストから追記したものです。以下同じ)。
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堀内掬夫《作品 MANDAS-25》2000年
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中谷有逸《碑(つながれた海から)》1994年
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後藤和子《Didaros》1980年
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さあ1章のテーマは何だったのでしょうか?中谷有逸《碑(つながれた海から)》が少し難解だったのですが展示の途中に「〇△▢で作ってみよう」(上掲)というコーナーがあったので《〇△▢の形を取り入れた作品》ということでしょう。
【2章】
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阿部典英《ネエ ダンナサン》1965年
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西田陽二《手鏡》2016年
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森山誠《膝を組む男》1984年
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坂坦道《話》1982年
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坂坦道《背もたれによる女》1986年
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伽井丹彌《Tama-魂-》2012年
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本田明二《ふたり》1963年
2章のテーマは《人物像》でしょう。人物像は多くの作家のテーマなのでしょう。見ごたえのある作品が多かったです。
【3章】
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浅井憲一《Big City》2002年
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荻原守衛《文覚》1908年
3章のテーマは《金属素材の作品》ということでしょう。こちらもとっておきの作品群でした。
【4章】
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丸山隆《不可視コード》1996年
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杉山留美子《HERE・NOWあるいは妙光》2004年
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岡沼淳一《AT THE OLD ROAD》2015年
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4章には「組み立ててみよう」というコーナーがあり「作品に使われている木や紐などの似た素材があります」とあるので《組み立て作品》がテーマでしょう。
【5章】
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久野志乃《We Found a Boat》2011年
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平向巧一《王様のトリ》2005年
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髙田稔《Don't think twice, It's All right》2008年
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上掲作品の部分。
5章のテーマは《幻想世界》でしょう。このコーナーで1品のみ「SNS OK」サインがない作品がありました。いかにも《幻想世界》だったので紹介できないのが残念です。いずれにせよ大変楽しい企画でした。
今回の展覧会は収蔵コレクションの“とっておき”というだけのあるー品一品見応えのある作品群でした。“テーマ探し”という見せ方も考えられ美術作品に親しみ楽しんでもらおうとの試みでしょう。美術館の皆様も展覧会の魅力を高めようと色々と工夫をされているようです。大変良いことと思われました。次回企画も期待します。ありがとうございました。
札幌芸術の森美術館特別展「きみのみかた みんなのみかた」
会期 2022年1月22日(土)~3月13日(日)
時間 9時45分~17時00分(入場は16時30分まで)
会場 札幌芸術の森美術館(〒005-0864 札幌市南区芸術の森2丁目75番地)
観覧料 一般800(640)円 高校・大学生400(320)円 小・中学生200(160)円 ※( )内は前売、または20名以上の団体料金
休館日 月曜日
主催 札幌芸術の森美術館(札幌市芸術文化財団)
後援 北海道、札幌市、札幌市教育委員会
協力 大丸藤井セントラル、北紙道 hokKAMIdo(石田製本、札幌大同印刷、北海紙工社、モリタ)
(2022.1.28訪問)