オーストラリアのバンダーバーグという街に到着して二日目、ミッションの性格上規則正しい生活を送らなければならないということもあり、早速私ひで氏は朝からジョギングをすることにした。
海外ミッションの際は私はほぼ間違いなくジョギングをする。
ジョギングはただ単に気持ちいいだけではなく、その街を観察する最高の手段だ。
地図を見ると滞在先のホテルからすぐそこに川があったので、早速川沿いに出てみることにした。
予想通り、非常に気持ちのいい景色が広がっている。
こんな理想的なジョギングコースがあるのだから、もっとたくさんの人が走っているだろうと思いきや、ほとんど誰もいない。
橋の上を渡る貨物列車の音が乾いていて、空気が乾燥しているのがわかる。なんとも言えない爽快感があるのだ。
ちょっとしたことだが、ちょこちょことジョガーの闘争心をくすぐる工夫があちこちになされているここバンダーバーグ。
この街は、この数年で2度もかなりの規模の洪水に見舞われている。そのためであろう、例えばこんな看板。
「洪水の際は丘の上にたどり着くまで水の中にいることに。頂上まで息を止めて持ちますか?」
何の仕掛けもない、単なる看板に書いた文字だけで洪水の恐ろしさを伝えながらも、走り手の自尊心をくすぐりつつ、運動の負荷を上げ、そして気が付けば実際に洪水における緊急時の練習を実施させるという非常に機能的なメッセージだと私ひで氏は思う。
他にも、走っていると時折こんなものが現れる。
フィットネス用のものだが、機械と呼べるような(重りをつけて動かすとかそういう)機構は無い。
ただ、なんかやってみたくなるのだ。こういった、街の人の運動を促すような仕掛けがいくつもある。
スマートなやり方だなぁと感心しながら、横の芝生でストレッチをしていた時、
目の前に大きなオーストラリア人の男性が現れた。
全然人が居なかったので、私ひで氏も自然にハローと挨拶をした。
普通なら向こうもハーイと答えてすれ違うところだが、男性は足を停めた。
そしてアーユージャパニーズ?と話しかけてきたので、私ひで氏もそうだよ、と話しはじめた。
とても体格のいい初老の男性という感じで、二人ともジョギングで額に汗をかきながらまぁ他愛のない話しをしたわけである。
すると男性が、胸ポケットから名刺を差し出し「もしよかったらウチにディナーでも食べに来ないか?」と言ってくれた。
そこには彼の連絡先が載っており、もしよければここに電話してくれ、ということだった。
カードをくれた後はジョギングの続きの為に走り去った男性。
とてもありがたい。
しかし、これはリスクだ。
海外というこの状況で、見知らぬ人からのディナーの誘い。
私ひで氏は昔、インドネシアで私の来ていたUniversity of Rochesterと書かれたトレーナーを指さし「あなたロチェスター出身なの?私の息子もロチェスター大に行っていたの!今ちょうど息子が国に帰ってきていて、パーティをしているから、来ない?」と言われ、考えた結果断った経験がある。
話しが妙にトントン拍子に運びすぎたからだ。
バンダバーグという土地柄を考えると、もちろん十中八九問題ないだろう。
しかし万に一つ、この男性がシリアルキラーでないという保証もないわけである。
逆にあの男性も相当無防備というかフレンドリーにもほどがある、と思える。
トレーニングウェアなのに名刺がスッと出てくるというのはどうなのか。
この土地ではさして珍しくない現象なのかも知れぬ。
私ひで氏は考えた。
もちろんこうして無事帰国してこんなことを書いている時点で、身に危険はなかったわけだが、
果たして私ひで氏はディナーに行ったか、行かなかったか。
さあどっち!
海外ミッションの際は私はほぼ間違いなくジョギングをする。
ジョギングはただ単に気持ちいいだけではなく、その街を観察する最高の手段だ。
地図を見ると滞在先のホテルからすぐそこに川があったので、早速川沿いに出てみることにした。
予想通り、非常に気持ちのいい景色が広がっている。
こんな理想的なジョギングコースがあるのだから、もっとたくさんの人が走っているだろうと思いきや、ほとんど誰もいない。
橋の上を渡る貨物列車の音が乾いていて、空気が乾燥しているのがわかる。なんとも言えない爽快感があるのだ。
ちょっとしたことだが、ちょこちょことジョガーの闘争心をくすぐる工夫があちこちになされているここバンダーバーグ。
この街は、この数年で2度もかなりの規模の洪水に見舞われている。そのためであろう、例えばこんな看板。
「洪水の際は丘の上にたどり着くまで水の中にいることに。頂上まで息を止めて持ちますか?」
何の仕掛けもない、単なる看板に書いた文字だけで洪水の恐ろしさを伝えながらも、走り手の自尊心をくすぐりつつ、運動の負荷を上げ、そして気が付けば実際に洪水における緊急時の練習を実施させるという非常に機能的なメッセージだと私ひで氏は思う。
他にも、走っていると時折こんなものが現れる。
フィットネス用のものだが、機械と呼べるような(重りをつけて動かすとかそういう)機構は無い。
ただ、なんかやってみたくなるのだ。こういった、街の人の運動を促すような仕掛けがいくつもある。
スマートなやり方だなぁと感心しながら、横の芝生でストレッチをしていた時、
目の前に大きなオーストラリア人の男性が現れた。
全然人が居なかったので、私ひで氏も自然にハローと挨拶をした。
普通なら向こうもハーイと答えてすれ違うところだが、男性は足を停めた。
そしてアーユージャパニーズ?と話しかけてきたので、私ひで氏もそうだよ、と話しはじめた。
とても体格のいい初老の男性という感じで、二人ともジョギングで額に汗をかきながらまぁ他愛のない話しをしたわけである。
すると男性が、胸ポケットから名刺を差し出し「もしよかったらウチにディナーでも食べに来ないか?」と言ってくれた。
そこには彼の連絡先が載っており、もしよければここに電話してくれ、ということだった。
カードをくれた後はジョギングの続きの為に走り去った男性。
とてもありがたい。
しかし、これはリスクだ。
海外というこの状況で、見知らぬ人からのディナーの誘い。
私ひで氏は昔、インドネシアで私の来ていたUniversity of Rochesterと書かれたトレーナーを指さし「あなたロチェスター出身なの?私の息子もロチェスター大に行っていたの!今ちょうど息子が国に帰ってきていて、パーティをしているから、来ない?」と言われ、考えた結果断った経験がある。
話しが妙にトントン拍子に運びすぎたからだ。
バンダバーグという土地柄を考えると、もちろん十中八九問題ないだろう。
しかし万に一つ、この男性がシリアルキラーでないという保証もないわけである。
逆にあの男性も相当無防備というかフレンドリーにもほどがある、と思える。
トレーニングウェアなのに名刺がスッと出てくるというのはどうなのか。
この土地ではさして珍しくない現象なのかも知れぬ。
私ひで氏は考えた。
もちろんこうして無事帰国してこんなことを書いている時点で、身に危険はなかったわけだが、
果たして私ひで氏はディナーに行ったか、行かなかったか。
さあどっち!
ドラマチック!なるほどー!そうかも、ですよ〜
なるほどねぇーフフ。
他人事として聞いていたら確実に「そこはいっとかな!」ですよねー!
続編をお楽しみに!
ただ一つ気になることは、男性のサングラスの輝きが何かを暗示させていないかと言うことです。