グルジアで産まれてマリインスキー劇場に入って、
ロシア革命起こって、
大人が子供にひどいことして、
食うや食わずで凍えて、
最初の妻(バランシンは生涯4度?結婚した、皆バレリーナだった、気に入った女性は皆自分のものと思っていた)だった人が「あの時代を経験をした人は皆心に傷をおっていますわ」と言っている。
ヨーロッパの封建的な貴族社会に馴染めず、
気さくで明るいアメリカを気に入った。
でも心は常にロシアを恋しがった。
そんな彼を慰めようと、女性たちは皆必死になって彼の求めに応じた。
新しい若いバレリーナ(バランシンはバレエは若い芸術と言っていた)に夢中になっても、仕方ないと思った。
そうやって素晴らしいバランシン・バレエはできた。
私は、いまだに、
バランシンより美しく崇高な世界を知らない。
あれ以上素晴らしいものを、人間はたぶん二度と作れない。
希に才能あり繊細で孤独な人間が、希な残酷な歴史に遭遇しないかぎり、
あんな虚構の世界は作れない。
あんな残酷な思いは、させたくはないが、
世の中は残酷なこともある。
芸能はそういう世界である。
だから、私も、その端くれになれるなら、嬉しい。