第3話「クーカー」のストーリー解析、および感想記事です。
✅総評
第3話はかのんと可可のフェス本番のお話。
フェスの前にやっぱり歌えなくなってしまい落ち込むかのん。
それを包み込む相方の可可。
熱い友情のシーンに加え、「Tiny Stars」の楽曲のエモさ。
フェス成功に至るまでの過程のストーリー強度の硬さ。
そういった複数の要素が絡み合って、見終わった後にあたたかな気持ちになれる回だった。
🔴かのんがイップスを克服できたのは
やはりかのんはプレッシャーに弱い。
小学校の時はみんなに迷惑をかけたくないから。
高校の受験失敗も周囲からの期待に応えたいから。
今回は可可の夢が終わってしまうかもしれないから。
共通しているのは、どれも自分で自分にプレッシャーをかけてしまっていることだ。
必要以上にプレッシャーをかけたことが原因で、彼女自身が潰れてしまっているのだ。
しかし今回、かのんは歌えないというイップスを克服してみせた。
自分にかけているプレッシャーが感じなくなるほどに、支えてくれる観客のあたたかな光をみたから。
停電というハプニングによって、事前に配っていた(であろう)ペンライトでエールを送られる2人。
もうダメだと絶望の淵に立たされたアイドルが、応援する観客たちに力をもらって、なんて、王道中の王道。
これまでも何回アイドルアニメで使われたかわからない(?)ザ・王道!
でもそれがいい! むしろそういうのがいい!
アイドルとファンの関係性を最もよく表すこの構図。
作品が変わっても、時代が変わっても「たまんねえ」!
私もリアルLiella!ちゃんたちにペンライトでエールを送りたいものです!
🔴クーカーの邂逅
もちろんかのんがイップスを克服できたのは、観客の力だけではない。
そもそもかのんは舞台に上がることすら躊躇っていた。
自分が失敗することで、他人の(可可の)夢が潰えてしまうかもしれない。
それが彼女のプレッシャーの要因。
スクールアイドルになるという夢が潰えてしまうかもしれないから舞台に立てない、と考えるかのん。
しかし可可の夢はスクールアイドルになることだけではなかった。
可可にとって自分の気持ちや感じたことを自由に歌えることこそが、夢のひとつであり、それをかのんと叶えたいと思っていた。
可可にとっての最初の夢やスターはサニーパッション、そしてクーカーで活動している今はかのんこそが夢でありスター。
だからサニパの大きな写真を背景に、かのんがギリギリまで足掻くと宣言する構図が、バシッと決まっていた。
🔴Tiny Stars
「小さな星々」という意味の第3話挿入歌「Tiny Stars」
このStarsというのはかのんと可可のことである。
2人はまだまだ小さい星で、自らの光で暗闇を照らすことはできない。
しかし2人はあきらめないキモチを胸に、お互いの星を照らしあいながら、1人のときよりも輝く星になった。
そしてスクールアイドルを続けられないかもしれないという不確実な未来(真っ暗闇)の中でも、多くの観客のペンライトを受けてさらに煌めくことができた。
サニーパッションという強烈な光を放つ恒星の情熱に負けずに、Tiny Starsは輝きはじめたのだ。
これをエモいと言わずしてなんという!?
これから先、Tiny Starsはどんな未来を照らしていくのか。
🔴3話の法則
ラブライブ!(無印)、ラブライブ!サンシャイン!!シリーズをみていた方なら、3話の法則を知っているだろう。
「はじめてのライブをするが、トラブルに巻き込まれてしまう。でも乗り越えてライブを成功させる」というお決まりの流れのことである。
そしてこのライブは、将来スクールアイドルとして一緒に活動していくメンバーは必ず見ているという法則がある。
今回もその法則に漏れず、千砂都、すみれ、恋がライブを一緒にみていた。
メンバーがそろって初のライブは9話までには行われるはず。
なので、実はこれからの展開は、おおよそ予想できてしまう。
が、それでいい。それが楽しみなんだから!笑
✅作品基本情報
原作:矢立肇
監督:京極尚彦
シリーズ構成:花田十輝
脚本:花田十輝
アニメーション制作:サンライズ
✅キャラクター
[Liella!]
・澁谷かのん - 伊達さゆり
・唐可可 - Liyuu
・嵐千砂都 - 岬なこ
・平安名すみれ - ペイトン尚未
・葉月恋 - 青山なぎさ
[サニーパッション]
・柊摩央 - 結木ゆな
・聖澤悠奈 - 吉武千颯
[澁谷家]
・澁谷 ありあ - 松永あかね
・かのんの母 - 能登麻美子
・マンマル - 麦穂あんな
[学園関係者]
・理事長 - 朴璐美
・ナナミ - 和氣あず未
・ヤエ - 富田美憂
・ココノ - 白石晴香
✅ドライバー
メインドライバー
・かのんと可可は、初ステージを見事成功させる。(L-L)
サブドライバー
・かのんが再び歌えないイップスに陥るが、克服する。(F-L)
・可可が日本に来た理由と、可可の夢が明かされ、クーカーの絆が深まる。(G)
・サニーパッションが登場する。(P)
など
✅補足/オマケ
🔴たまんねえー!
✅残された伏線
✴恋がスクールアイドル活動を認めない理由は?
特に動きなし。相変わらずかのんたちへの風当たりは強いまま。
✴可可の部屋でチラっとうつったスクールアイドルは何者なのか?
神津島が生んだスーパースクールアイドル「サニーパッション」だった。
すごいサンバ感……じゃなかった、プリキュア感がする!
✴平安名すみれは何をしているのか
→ なぜ平安名すみれはスカウトされたがっているのか
「どおりでスカウトが街にいないわけね」というセリフから、彼女が原宿をうろついていたのはスカウトされるためであったことが判明する。
しかしなぜ彼女はそこまでしてスカウトされたがっているのか。
このへんは後日明らかになってくると思われる。
✴可可はなぜスクールアイドルに興味を持ったのか
「サニーパッション」のライブに触発されたということが示されました。
しかし姉からかかってきた電話にうざったそうな感じで出ているところや、家族が教育熱心という可可の話から考えると、快く家族が送り出してくれたようにはみえない。
ほぼ間違いなく可可を連れ戻しに上海から刺客が送られてくることだろう!笑
予想の斜め上の展開を期待しているw
✴千砂都が急にラップを口ずさみ出したシーンは何のためにあるのか
特に動きなし。今回の千砂都はイケメンだった。
✴千砂都がスクールアイドルになる理由
千砂都は可可にスクールアイドルに誘った。
しかしダンスで結果を出すことが目標だと断られてしまう。
これは本心で語った言葉であり、嘘ではないと感じる。
しかし、千砂都は何のためにダンスで結果を出そうとしているのかがよくわからない。
自分のためなのか、誰かのためなのか。
千砂都をめぐるこの伏線、Liella!加入時には回収されているかも。
✴フォトスタンドに映っていた人物たちは何者?
進展なし。
なお、新たな伏線は無さそう。
✅ストーリー詳細
✔アバンパート
🎞街中
F 歌おうと息を吸い込むかのんだったが、やっぱり歌えなかった。
✔Aアバンパート
🎞かのんの喫茶店
E ここぞというところで歌えなかったかのんだが、人が少ない朝でさえも歌えなくなっていたことにショックを受ける。
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🎞中庭
P 恋に、もうやめたほうがいいのではと辛辣な言葉を投げられる。
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🎞たこ焼き屋
G フェスで1位をとらなければという新たなプレッシャーが原因と考えた千砂都は、かのんをたこ焼き屋でバイトさせることを思いつく。
E 不慣れな状況、人前でみられながらたこ焼きを焼く修行では、効果はなかった。
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🎞服屋
G かわいい衣装を着れば、テンションが上がって歌えるようになると考えた可可は、服屋でかのんにいろんなポーズをとらせて写真を撮る。
E 結局2人に弄ばれただけだった。
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🎞かのんの部屋
F 一度は歌えたのに、再び歌えなくなっていたことに、かのんは落ち込んでしまう。
L 可可は、フェスのステージでは自分一人で歌えばよいから、これから少しずつ歌えるようにしていけばよいと提案する。
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🎞野外ステージ
P 可可は、初ライブを行うにあたり、グループ名の入った看板とブレイドを用意していた。
G ブレイドは応援してくれる人たちに渡す予定だという。
P 「クーカー」は可可が考えたグループ名である。
P かのんは自分たちがライブをするステージをみて、参加する10グループの中で1位をとることを再意識する。
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🎞原宿の路上
F かのんは2人と別れる。自分と組まなかったら可可はもっと楽だっただろうと思う。
E 2人が急に戻ってくる。神津島のスクールアイドル「サニーパッション」がフェスに参加することが判明する。
✔Bパート
🎞可可の部屋
P 可可は2人自分の部屋に招き「サニーパッション」の特大写真の前で尊い気持ちとなる。
P 可可が日本に来たのも「サニパ」のパフォーマンスに触発されてのことである。
P 去年の東京代表である「サニパ」は、レベルもけた違いである。
E そんな彼女たちがフェスに出れば、「クーカー」が1位をとることはできず、スクールアイドルを続けられなくなることに可可は気づく。
G かのんの分まで歌うことになる可可は、かのんを心配させまいと、少しずつできるようになった腹筋をみせる。
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P 千砂都が帰る。
L 可可は外に出て、千砂都にスクールアイドルに興味はないか尋ねる。
F 千砂都はスクールアイドルに興味があるが、今はダンスで結果を出すことが目標で、掛け持ちはできないという。
P 千砂都が去った後、可可に姉から電話がある。
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L 可可はかのんに、かのんとステージに立ちたいという気持ちを伝える。
F かのんにとってその気持ちはうれしいが、可可の夢が自分が歌えないせいで終わってしまうかもしれないと思うと申し訳ないと涙する。
F かのんは自分が足手まといになることがわかっているのに、ステージに立つことなんてできないという。
P 可可の家族は教育熱心で勉強漬けの毎日を送っていたが、上海でスクールアイドルに出会い、自分の気持ちや感じたことを自由に歌ってみたいと思うようになった。
L かのんの歌を聴いたとき、それと同じくらいワクワクした可可は、自分にとってかのんはスターであり夢であると励ます。
L かのんは可可の想いを聴き、ギリギリまで自分にできることを精一杯がんばることを誓う。
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🎞シーン
P フェスに向けて2人は練習を重ねる。
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🎞本番前舞台袖
P 大勢の観客を前に緊張するかのんに、歌えそうだったら合図を送ってほしいと可可は伝える。
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🎞本番舞台上
F かのんは可可に合図を送れない。
F 可可は「ダイジョウブ」と自分に何度も言い聞かせる。
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🎞野外ステージ近く
E(G) すみれがコードに躓いたことで、舞台の照明が消えてしまう。
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🎞舞台上
E かのんも可可も身動きが取れなくなる。
G 千砂都はペンライトを取り出す。
G かのんと可可は、観客が振っているペンライトの海に驚く。観客からの声援が聴こえる。
L かのんは「歌える、ひとりじゃないから」と呟き、可可に合図を送る。
G すみれがコードを繋げ、照明がつくと同時に、「クーカー」は「Tiny Stars」を歌い始める。
P 千砂都、すみれ、恋がステージを見守る。
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🎞公園
P 2人はパフォーマンスを終える。
G 「クーカー」は新人特別賞をもらえた。
L 1位には届かず、スクールアイドルを続けられないかもしれないが、かのんは可可と最高のライブができたから後悔はしていないという。
(つづく)