あみの3ブログ

小矢部 麺類食堂@富山県小矢部市 70年の歴史がある駅の立ち食いそば(うどん)がもうすぐ閉店??

【今では数少ない駅構内の立ち食いそばのお店】
富山県の西端、石川県との県境に接する小矢部市。あいの風とやま鉄道石動駅(いするぎえき)の構内立ち食いそばうどんのお店。 最近では駅構内の立ち食いのお店が少なくなり、希少な存在としても知られている。
東の濃い目の味と西の薄味の分水嶺がここ石動駅の立ち食いそばにあると言われ、全国的に注目されている所以なのだ。

駅前ロータリー側からの外観


店内は厨房を囲むL字型のカウンターのみ


おてもと いつ頃からあるのかわからないけど似合ってるw


狭い厨房には羽釜が3個。 麺茹で用、営業用つゆ用、仕込み最中のもの


カウンター席後ろの窓際にあるのは立ち食いテーブル、現在はほとんど着席して食べるので荷物置きスペースと化しているw


店内からホームを望む、この窓《受け渡し口》こそが構内立ち食いそば店の証


駅構内からしか見えない姿、ロータリー側の入り口しか知らない者にとっては新鮮に見える画像。でもこれが本来の姿!



【創業70年の節目の年に移転】
創業は70年前、旧国鉄時代の1948年(昭和23年)先代が北陸本線石動駅構内で立ち食いそばのお店を開業。 当時駅舎もお店も木造だった。
その20年後、今から50年前の1968年(昭和43年)木造駅舎を鉄筋コンクリート製の駅舎に建て替えに伴い、店舗も現在の構造に新築。
そして創業から70年、現店舗になってから50年の節目の年に当たる本年2018年(平成30年)、駅舎の改築に伴い移転することとなったのである。


【石動駅とは 】
国鉄からJRに民営化、遂には第3セクターへ
旧国鉄北陸本線の特急も停車する格式のある駅で、かつては貨物の取り扱い駅であり、なにより加越能鉄道の加越線(福野を経て庄川まで)の始発駅でもあった。
1968年(昭和43年)駅舎改築
1972年(昭和47年)加越線廃線
1987年(昭和62年)国鉄民営化に伴いJR西日本に移管
2015年(平成27年)北陸新幹線開業に伴いJR西日本から『あいの風とやま鉄道』に移管
2018年(平成30年)小矢部市立図書館併設の駅舎に建て替え、1次工事で一部完成した駅舎部分に移転。 
今後は現在の駅舎を解体し図書館部分の2次工事を続行する予定。
現在の駅

新駅1次工事

袴線橋より新駅舎と連絡橋を望む


【そばよりうどんが人気】
メニューは「うどん」と「そば」  載せ物は「月見」「いなり」「天ぷら」の3種類あり、組み合わせは自由なので自分のお気に入りの一杯が楽しめる。 また「ゆで卵」「ネギ増し」「いなり増し」「天かす」などの裏メニューというか常連さんの好みで対応するメニューも存在する。
『立ち食いそば』といっても「うどん」が圧倒的に人気がある。 店主によれば概ね75:25くらいで「うどん」が売れているそうだ。



【今では駅利用客より外来者の方が多い】
創業当時は北陸本線の特急停車駅(一部特急)であり、加越能鉄道・加越線の乗り換え駅ということもあって待ち合わせ時間が結構あった。そこで小腹を満たし時間を潰すために駅構内から食べることができるお店は重宝されたと思われる。 しかし時代の流れとともに駅の役割も変化し、今では通勤通学の利用客を含め駅構内で立ち食いする客は減ったようだ。構内に向けた窓口や看板が、寂しく客を出迎える(;^ω^)


反面、車に乗って食べに来る客は多い。駅利用客の一部もロータリー側の入り口から入店し、戸建ての単独店舗と勘違いしている客もいるくらい(笑)
客のほとんどが常連で、時間帯別に訪れる客の顔はほぼ決まっているようだ。


【駅舎建て替え】
あいの風とやま鉄道石動駅と小矢部市立図書館が併設されたビルの建設に伴い、2018年12月第1次工事が完成。仮駅として移転したのち第2次工事に着手、現駅舎は解体され『麺類食堂』の場所も含め1次工事で完成した建物と繋げて、小矢部市立図書館が入居し完成となる。


【新店舗は】
50年の歴史に幕!もう駅の立ち食いではなくなる!
今から50年前の1968年(昭和43年)に完成した現店舗は2018年11月30日18時をもって営業を終了。その後1週間程度引っ越し作業や新店立ち上げのため休業する。


麺類食堂の移転先は駅前ロータリーの北側にある駐輪場方向で、第1次工事で出来上がった駅舎の正面。 完全な独立店舗として新築、2018年12月7日6時オープン予定。
これにより駅構内の立ち食いそば店としての役割も終了する。


【思い出のメニュー】
旧店舗となる店内で一通りメニューを頂くことにする。

一番人気は天玉
「天ぷら月見うどん」460円
でも自分のなかでは「天ぷらうどん+ゆで(ゆで卵)」460円がイチオシなのでねんごろに解説します、長文です(笑)


昆布とカツオ節宗田節の効いた出汁がめっちゃ美味しい。 そして隠し味に「ざらめ」もしくは「中双糖」を使っているのでほんのり甘くコクがある。
地元蔵の醬油は薄味で、初めて食べたときは凄く薄いと感じたが通うほどに出汁の旨味に惹き付けられ、今ではその日の状態(昆布の強さ、節の強さ、甘みの強さ等)も感じられるようになった。

※中双糖はカラメルが添加されているため、煮物料理と相性が非常に良く、臭みなどを消しながらもコクを感じさせてくれる味に仕上げてくれます。また、おでんや奈良漬け、福神漬けなどの料理にも使用されています。、、、『たべるご』ざらめと砂糖の違いwebページより引用


天ぴらは以前天玉の集合体のような衣で、つゆの吸い込みが良く均一に溶け込んでくれた。しかし最近フライのような衣に変り、一部の溶け難い部位が硬くて少し残念。本来は海老天ぷらなのでしょうが衣から出た尻尾が僅かに海老とわかる程度で、衣が溶けて出てきた海老は痩せこけカリカリのミイラ状態(笑) 食感が硬いので必ずお残しする。これは一種の儀式みたいなものである(笑)


まずは天ぷらを天地ガエシで麺の下に沈み込ませ十分につゆを吸わせドロドロになるのを待つ。 その間に天ぷらの油が染み出す前の《生のつゆ》の出汁を確かめ、うどんをすする。 続いて天ぷらが溶け始め僅かな《油を含んだつゆ》を味わい、うどんをすする。 順次濃度を高めていく《油のコクとつゆのグラデーション》を楽しみつつうどんをすすり終える。 つゆは薬味のネギ(深谷ネギ)と共に飲むこと、ネギに含まれるグルタミン酸がうまみの相乗効果となる!

ここからが重要です!残ったのはドロドロになった飽和状態になるまでつゆを吸い込んだ天ぷらの衣と、カリカリの海老と、ゆで卵、赤巻の超薄切り蒲鉾。


まず海老には手を付けず最後まで取り置きます。 ドロドロになった衣の中から麺を完全になくし、《重要》ゆで卵を割り崩します。 黄身がわずかに残ったつゆの水分を吸収し、油のコクと旨みと黄身由来の甘みが加わりドロドロ衣が卵料理に昇華する瞬間です。具材は白身と最後まで色気を失わなかった赤巻蒲鉾。!ドロドロをズルズル啜って完食!この場合つゆは既に飲み切っているので完飲(全汁)とは言わないのが私流!完璧です(^^♪



本来は口の中に残った油やつゆの旨味の余韻を楽しんで完成となるわけですが、常連にのみ提供されるコップの《お冷》これも飲み干さないことには店主(女将)に申し訳ないと完飲するが、件の口の中の余韻が洗い流されてしまうのは悲しい(;^ω^)

◆「そば」と「うどん」どっちも食べたい~~そんな欲張りな客の要望で生まれたメニュー??
全国的にも珍しい
「ミックス+天かす」650円


ズバリ「そば」と「うどん」が1玉ずつミックスされたメニュー。「かけ」がそれぞれ300円なので2玉で600円、つゆは2玉分あるのでしょうか?(;^ω^)
丼が大盛り専用の一回り大きいものに変更されています。

量が多いと味が単調になるので「天かす」をトッピングしてみました。これは常連さん専用のいわば裏メニュー。新店では廃止されるかも知れないとのことで、もしかしたらこれが食べ収めかもしれませんね。


二色の麺がきれいですね、そべそべっとしたのど越し。 「やわやわのうどん」と「やわいそば」そう聞けば通の方々からはくそマズいと太鼓判を押されそうですが、これが絶妙。出汁の効いたつゆに馴染んで旨いったら、《得も言われぬ》ってやつです(笑)



◆75:25で分が悪い「そば」でも好きな人はこれしか食べないという!
「月見いなりそば」400円


黒っぽい麺は二八蕎麦とかいうレベルではなく、立ち食いそば屋の蒸し麺。早い・安い・美味しいが売り! ちょっとやわめで出汁ののりがいい!
噛まなくてもいいようになっているのかな? 汽車時間を気にして噛んでいる暇が無いというシュチエーションが目に浮かんできます。


「いなり」は女将のお手製で、自宅で仕込んで持ち込んでいる。 かなり分厚い油揚げで短冊切りのものが4~5切れ。味付けは薄目でつゆの旨味を邪魔しないよう配慮されている。ジュワ~っとつゆが染み出す食感は溜まらない!そしてつゆには油揚げから溶け出した油のコクが広がり旨い!

基本的に玉子は固ゆでが好みだが、この際エズラを優先しよう!
つゆに浮かんだ満月とほんのり凝固しつつある白身のグラデーションが《月に叢雲花に風(つきにむらくもはなにかぜ)》 ♪風流ですな~♪('ω')



◆日程の都合で端折ります!極めつけは全部のせ
「天ぷら+月見+いなり+うどん」510円 月見を「ゆで(ゆで卵)」に変更


私イチオシの「天ぷらうどん+ゆで(ゆで卵)」より「いなり」の油が入るので複雑な味わい。 もしかしたら「いなり」の煮汁が染み出しつゆの塩味が薄まったのかも。
まずは「いなり」にテーブルの一味を軽くかけ(普段は使わない)煮汁を味わい、つゆが染み込んだ味わいや、油揚げ本来の表面の皮と中身大豆由来の味や食感を楽しみます。
そしてつゆとうどんをネギを忘れず交互に食します。 あとは天玉うどん同様の食べ方で(端折りますw)完食となります。


いや~どのメニューもめっちゃ美味しかったけど、リピするのはやっぱり「天ぷらうどん+ゆで(ゆで卵)」やね~



【常連とは、、、】
時間帯別に来る客はほとんど決まっている。出勤時間であったり、退社時間(夜勤者)、または職場から仕事先の向かう途中で立ち寄る者。《ほぼルーティーン》
黙って座りおつりが無いよう現金を置く。ついでお冷が出てくる。そして注文も言わないのにおもむろに着丼する。さいごに女将の《ありがとう♪ございました⤴♪》というかろやかな音色のような謝辞で締め括ることとなる。
これがいわゆる常連というもので、この域に達するには毎日・同じ時間に来店し・同じメニューを半年間以上継続しなければならない(推測あり)

おかげさまでかくいう私も黙って座ればお冷と件の「天ぷらうどん+ゆで(ゆで卵)」が出てくる身分になった(笑)

いかがでしたか?
閉店まで今しばらく時間があるので一度訪ねてみては?

閉店の様子や新店オープンの様子など続編も予定していますのでお楽しみに(^^♪


♪ ♪
【お店情報】

お店のWebページは→こちら
お店(店主)のTwitterは→こちら

店名;麺類食堂(めんるいしょくどう)
住所;富山県小矢部市石動町11-10 石動駅構内
電話:非公開
営業時間;5:30~20:00
定休日;無休
駐車場;店頭に2~3台 駅前ロータリーに30分無料のPあり
地図;
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