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富山県には300以上の山城があったと言われ、富山県西部の小矢部から氷見にかけての連続する低い山並み「西山」にも多くの山城が存在したそうです。
今回はそのうちの福岡地区周辺にまとまっている「赤丸城」「鴨城」「二ッ城」の三城を訪ねてみたいと思います。
三城の配置図
次は「鴨城」
鴨城は「カモ山」（標高154.6ｍ）から「モトトリ山」（195.8ｍ）の山頂に築かれています。
城の中心となる場所は「大松平」と呼ばれており、主郭を含む広い平坦面は、切岸を設けて防御を固めています。また、東方には「にらみ山」と呼ばれる出丸に相当する施設があり、西方には物見台と考えられる元取山山頂まで尾根続きとなっており、途中堀切を何ヶ所か設けています。
南北朝の「二宮円阿軍忠状」によると、桃井直常討伐に従軍した二宮氏が貞治2年（1363）3月「鴨城衆」を命じられ任務を果たした事や、同年5月に頭髙城を攻めた際に鴨城衆と共に働いたことが記されており、当時鴨城には室町幕府方の軍勢が一時駐屯していたことが伺われます。
なお、現地に残された遺構の形態からは、戦国時代にも改修を受け使用されたものと考えられます。（高岡市教育委員会）、、、現地案内板より
場所は県道小矢部伏木港線「三日市」交差点から山側の加茂集落方向に進み、
用水路のある道路沿いに行くと史跡案内看板と周辺案内図看板が立った脇道がありますので山側に曲がります。（願栄寺の北東側150ｍ位のところです）
林道との分岐に大型サイロのような形をした、砂防堰堤がありますのでそれが目印です。
そこには車を停めるスペースもあり、
登山口の目の前となっています。
登ってすぐのところで分岐し、右へ行くと「市史跡・加茂横穴墓群」を通りながらの登山路となります。
このような横穴が26基もあって、6世紀から7世紀に築かれたものだそうです。
これから先、ロープを頼りの急な登りとなるので足元に要注意です！
にらみ山分岐
「にらみ山」砦
北から東方向にかけ、城下一円と射水平野が一望できます。
にらみ＝睨みでしょうか（笑）
この平坦地に曲輪を置き、麓からの侵入に対する最前線基地的役割があったんでしょうね。
ここから本丸に向かう途中に「赤丸城」への分岐があり、両者の位置関係がよくわかります。
この城跡の面白いところは
にらみ山砦から続く尾根から直進して、主郭の高台へ登るルートと、主郭台地の下に施された「切岸・空堀」を通るルートに分かれている点です。
山城の魅力を味わいたいなら当然右側の反時計回り「切岸・空堀」ルートを選びますよね。
「切岸」
主郭台地を形造る斜面は角度を小さくして、登ってこれないように防御を高めています。
北側斜面の切岸に続く空堀
「大空堀」
西側斜面に施された長さ40ｍにも及ぶ空堀
北側斜面の空堀は西側斜面の空堀とT字型に交差し
西側空堀の北端は崖下へと向かっています。
一方の南端は本丸虎口へと続きます。
「本丸」
主郭を構成する平坦面の南端にあって、一段と高い一画が本丸です。
ここには案内図や説明板があり、
本丸からの眺望
広いベンチも設置してあり市民の憩いの場となってます。
「二の丸」
主郭平坦面の「本丸」北側に一段低く、大きく広がる曲輪
二の丸から見上げる本丸、けっこうな高低差
二ノ丸はアンジュレーション（起伏）があるが丸みを感じる台地となっている。
二ノ丸からの展望
この先、尾根続きの元取山の山頂（標高195.8ｍ）には物見台があったとされています。きっと360度のパノラマで、周囲の監視にあたっていたんでしょうね。
城の規模とは不釣り合いなくらいの防御施設「大切堀」
加賀の前田と対峙していた越中の佐々成政
古くに機能を終え朽ち果てていた山城を、緊張が高まる加越国境の守りの最前線として、隣接する「赤丸城」の出城として改修の上再利用したんではないでしょうか？
どうも運用面で赤丸城と一体だったような感想を持ちました。
【鴨城】
名称（別名）；かもじょう
所在地；富山県高岡市福岡町加茂
城地種類；山城（195.8ｍ/180ｍ）
築城年代；南北朝期
廃城；16世紀後半
築城者；二宮氏？
主な城主；桃井氏、二宮氏、中山氏？
主な改修者；
文化財区分；高岡市指定史跡
近年の主な復元等；
主な改修者；佐々成政？
天守の現状、形態；主郭、切岸、空堀、ねらみ山砦
※出典、、、高岡市教育委員会
地図；
