うれしのきんちゃん
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スタンドバー的なこじんまりしたお店でおしゃべり好きなママさんが一人で切り盛りしています。
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聞けば、以前他店で提供していた幻の「レモンラーメン」なるものを是非再現して欲しいと常連さんに頼まれたのがキッカケとのこと。〆のラーメンとして提供していた塩ラーメンにレモンを入れたらたいそう喜ばれ、以来お店の定番メニューとして提供している。先日も金沢のフードライター”ゆうこりん”さんが取材に来て各メディアで展開して以来、我々にも知るところとなったようだ。
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鶏ガラベースの清湯スープの野菜ラーメンが基本だが、野菜は軽く炒めたのちこの出汁で煮込んでしんなりさせ、味も調えてしまうのがポイント。ポリポリ硬い野菜は嫌だというお客の声に答えての手法のようだ。そして茹で上がった麺にスープ共々かけ、レモンや具材を盛り付けバターをのせて完成となる。
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飲んだ後のラーメンは優しくなくてはならない。野菜を食べやすく柔らかくするということは、常連さんの年齢層も伺い知れる。野菜の甘味、優しい塩味、バターの風味とコク、そしてレモンの酸味。まさに五味に訴えかける素朴にして究極のラーメンなのだ。
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そしてこのレモンが絶品。今しか味わえない師玉のレモンだったのです。何とも言えない優しい酸味。酸っぱすぎない、なんとフルーティーな果肉。そして皮は薄くて苦みが少なく丸かじりしても柔らかく美味しい。こんなレモン食べたことありません。
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それもそのはず、今が旬の三重県紀宝町の「マイヤーレモン」というブランドレモンだったのです。今だ改良途中で流通も少なく産直での入手。また1年のうち食用には12月から2月位までしか対応できないと言うからとっても貴重で、その後は市販品を使わざるを得ないのです。今回偶然にもこの貴重な、今が旬の「マイヤーレモン」を使ったレモンラーメンを食べることができたのは奇跡にも近い幸運でした。ラーメンの女神に感謝です。