これはもう居ても立っても居られない思いで月曜11:30に伺うもまさかの臨時休業(;^ω^) コインパーキング代金が惜しいので近所のばたやんで富山ブラック(笑)
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水曜日はどうしても抜けられない事情があったが、なんとか営業時間に間に合いそうなので氷見から車をとばして13時に到着するも閉店。
恨めしそうな顔をしている僕をみつけて近所のスナックのママと思しきご婦人が『今帰ったところだよ! 客の入りが少ない日は早く閉めるみたいだよ!夜の仕込みがあるから帰ったんだよ!』と親切に教えてくれた。がっくり力が抜けてその場にへたり込みそうになるのを必死でこらえ、コインパーキングに200円放り込んだ。
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そして金曜日、おぉ~!周囲には富山ブラックののぼり旗がたなびいているではありませんか。店頭の黒板には富山ブラックラーメンのメニューまで掲示されて、ようやくこの日が来たんだな~心臓の鼓動が高まります! はやる気持ちを抑えつつお店のドアを開くと柔和な佇まいの店主さん、にっこり笑って「まだ早いよ!」えぇ~!! 時計を見ると11:26分まさかのフライング、まさかのそれを許さぬフェアプレー!!
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いったん深呼吸、軽くストレッチで心技体を調え11:30を腕時計とスマホでWチェックしてドアを開ける。「いらっしゃいませ・お好きな席へどうぞ」店主にうながされ着席すると「そこは私が通る通路なので、クーラーのよく効くこちらへ」と移動。一瞬複雑な思いがよぎるが感動の瞬間を優先したいと話題を切り替え、今週3回目の訪問だとか、ラーメン好きだとか話してフレンドリーさを強調(;^ω^)
でもマスターはとても柔和で淡々と、そして時には熱い思いで大喜ストーリーを語ってくれました。
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昭和22年に創業の高橋是清を代表とする(有)大喜は、平成12年に現在の西町大喜を運営する会社に暖簾と西町大喜本店の店舗を譲渡。
その際両社の中立をした業者に「大喜21」を名乗ることを許すも味は全くの別物。
大喜根塚店はそれ以前に独立。暖簾分け・独立をけっして認めてこなかった高橋是安氏を認めさせた理由は闇の中。独立するも大喜本来の味は高橋氏の秘密のレシピがあったため再現できず、現在の茶褐色のチャーシューラーメンとなった。
一方新会社となった西町大喜はラーメンブームを追い風に多店舗展開し、駅前・シック・二口・中島に支店を出す。
西町大喜グループの大喜大島店は唯一のフランチャイズ。食材等を本部から仕入れロイヤリティを支払う関係で、味は独自と言うか再現できていない。
新会社の社長と移籍した中嶋のマスター、旧大喜時代から修業していた番頭さん(現喜八の大将)Kさんらは高校の先輩・後輩の関係。
立ち上げ当初は意欲的で理想に燃えていた。しかし新社長の経営方針を巡って対立したK氏が去り、その後もコストダウンを図る現経営者にあいそをつかしマスターも退職。(具体的内容は割愛します)
マスターは富山市奥田寿町に喜八を開業、暫くして先に退職したK氏を呼び寄せ共同で商売を続け2007年1月にフジTVで放映された「おいしんぼ塾ラーメン道日本全県グランプリ」に出場、富山ブラックラーメンを一躍世に知らせるきっかけとなった。
マスターは喜八を現店主のK氏に譲渡、2010年12月富山市丸の内(歓楽街w)の一角に居酒屋中嶋を開業現在に至る。
〆のラーメンが好評でランチにもという声に押され週に3回昼営業。もちろんラーメン専門店では無いのでキャパが限られ、提供できるのは昼夜各10杯程度が限界。
さて、ここからがラーメンの報告です(;^ω^)
並盛り650円、大盛り750円、ライスと一品付のブラックラーメンセット750円の3種類があります。
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元祖 富山ブラックラーメン(大盛り)750円
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麺を茹でている間に国産豚バラを使ったチャーシューをフライパンでソティーしています。余分な脂を落としてサッパリさせるのだとか。
カウンターにキチンと並べられたお盆とお箸。この一手間や気配りにマスターのおもてなしの心が感じられます。
見た目は大喜のブラックラーメン。しかし味は全くと言っていいほど別物の和風醤油ラーメン。昆布と魚介と野菜で摂った非動物系の和出汁で表層の香味油もありません。しかし醤油がコクと深みがあって旨い。
高橋是安氏の大喜時代は鶏ガラではなくネック付の鶏頭だったそうである。チャーシューの煮汁に4種類の醤油をブレンドしたタレは、それを繰り返したのち3か月寝かせ熟成したものを使っていたそうである。中嶋のスープが元祖と言われる所以はその醤油タレの製造工程を忠実に再現しているからに他ならない。
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麺は当時と同じ新村製麺の低加水中太縮れ麺。塩分が当時より低いことを考慮しやや細めの麺に変更したとの事ですが、スープの吸い込みの良いもっちり感のあるものでした。現在の大喜は多加水のツルシコ麺、先日食べてチグハグ感が否めなかったw
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時代の変化と共に変わりなさいとの先代の教えがあったそうだが、変えていいものと変わってはいけないものがある。
中嶋は元蕎麦屋だったそうだが、その引き出しの多さで滋味溢れる富山ブラックを生み出し密かに愛されている。
最後に、この醤油タレを考案した高橋是安氏は偉大だったと語る。
次のお客さんが入店するのを機に腰をあげお店を後にしたが、本業の小料理・お酒も相当のこだわりと品揃えで人気を博している。
ガラス棚の戦艦のプラモデルも気になるところw
お話がとっても上手でお客を飽きさせないマスター。今度はぜひ本業を味わってみたいものである。
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お店情報
食べログ情報は→こちら
店名;中嶋(なかしま)
住所;富山県富山市内幸町2-10 松よしビル 1F
定休日;祝祭日
営業時間;17:00~24:00(オーダーストップ23:20)
[月・水・金] 11:30~13:15(L.O)のランチ営業但しスープ切れ等早仕舞いの場合あります 17:00~23:00(L.O)
[火・木・土・日] 17:00~23:00(L.O)日曜営業
駐車場;無し、周辺にコインパーキング多数あり
地図;