打下城跡は大溝古城とも呼ばれ、378.7ｍの山頂一帯にあって、東西270ｍ×南北300m以上の城域を有する大規模な中世山城の遺構です。
ここからは湖北や湖東方面も展望でき、直下を通る北國街道（西近江路）を容易に見渡せる交通上の要衝にあります。
城の遺構は、大別して南北の2ブロックに分かれます。この地は南ブロックの中主郭、標高379mのピークに設けられた30ｍ×25ｍの二段築上の曲輪であり、主郭と考えられます。
北ブロックの遺構は、主郭より北方へ伸びる尾根上に数か所の小曲輪を連結し、それより先端の土橋を渡って虎口に達する大型の曲輪（54ｍ×32ｍ）と東側周辺の畝堀及び2か所の将郭群より成ります。
打下城の創建は永禄年間（1570～1572）湖北の浅井氏か、越前の朝倉氏による改修の跡が認められます。また、その後は織田信長の陣所となったこともあります。城跡にはバラエティーに富んだ築城展開が観られ県下有数の縄張りを持つ山城の一つです。高島市観光協会、、、（現地案内板より）
場所は賀県高島市勝野
2021年9月に訪れた「大溝城」のすぐ近く。 大溝城の記事は→こちら
JR湖西線「近江高島駅」ガードを超え、背後にそびえる「見張り山」山系にあります。
JR湖西線「近江高島駅」からは西の方向、山のふもとにある「日吉神社」を目指します。
先ずは安全祈願
神社に向かって左手に登山道があります。
「登山口」
神社と住宅の間の道を進むと谷側からの小川があり、そこに架かる小さな橋を渡るとすぐに右手に入る分岐があります。
この辺りが藪になっているので、分岐の目印や標識が隠れて見逃しやすいので要注意！
案内標識に従って谷側沿いに進みます。
害獣侵入防止フェンス沿いに進みます。
害獣侵入防止フェンス入り口（登山口から5分）
施錠されていませんので自由に出入り可能ですが、出入りした際には必ず扉を閉めて鎖を巻き付けておくことがルールです。
砂防ダム（分岐から（登山口から15分）
フェンスの中を谷側沿いに進んでいくと、谷側に建設された高島市の砂防ダムが見えてきます。
ここから登りになります。
砂防ダムを右手に見て、左の山への登りとなります。
山腹の遊歩道は所々、倒木や落石があるので要注意！
さらに谷側の路肩が崩れ、道幅が狭くなっているところもあるので慎重に！
遊歩道分岐（登山口から58分）
山頂へ向かう遊歩道と、城跡へ向かう道との分岐
標識に従って進みます
ここから城域になります。
当日の行程を縄張り図で示します。
小林先生作図、近江の山城を歩く「打下城」より引用（ブログ管理者加筆）
堀切
竪堀
堀切は東側の谷に向けて竪堀に繋がる
土橋
主郭下 東側の空堀
主郭下 東側の空堀と東尾根に繋がる土橋
「主郭」
主郭高台へはロープを頼りによじ登る
ここでも革手が威力を発揮。山城登りでは必須のアイテムです。
同、曲輪内より
主郭南土塁
主郭削平地
主郭内盛り土
案内板と後方の虎口
虎口土塁
L字型に道を曲げて出入りする
虎口石垣
北尾根
馬の背
北尾根からの眺望
北尾根 小曲輪群
「北曲輪」
畝状竪堀群
堀切
堀切に架かる土橋
切岸
虎口
北曲輪削平地
標高338ｍのピークに築かれた曲輪で、主郭より広い。曲輪内には盛り土の痕が残っている。
南面土塁
西面土塁
北側空堀
北側畝状竪堀群
曲輪周辺の空堀
北曲輪 北面の残存石垣
北端の段郭群
特筆すべきは。高島郡内では清水山城でしか確認されていない畝状空堀群を有すること。打下城の普請に伴う土木量は一土豪による構築とは考え難く、織田氏、あるいは浅井・朝倉氏による構築が想定されている。大名クラスの手が加わった臨時的な性格の強い山城と考えられているそうです。
【打下城】
《うちおろしじょう》
名称（別名）；大溝古城
所在地；滋賀県高島市勝野
城地種類；山城
標高/比高；374ｍ/280ｍ
築城年代；室町期
廃城年代；
築城者；林員清（興次左衛門）
主な改修者；
主な城主；
文化財区分；林氏
主な遺構；石垣,土塁,郭,堀
近年の主な復元等；
※出典、、、
地図；
