SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても

16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第98回全国高校野球選手権大会  予選展望Vol3 ≪四国≫

2016年06月22日 | 高校野球

≪第98回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望3 四国地区 -

 

【香川】(参加40校)  
選抜準Vの高松商が大本命。果たして勢いは続いているのか。

◎ 高松商 
〇 小豆島 英明
△ 大手前高松 尽誠学園 香川西 志度 丸亀 
▲ 観音寺中央 丸亀城西 寒川


今年の選抜といって全国のファンが真っ先に思い浮かべるのは、智弁学園の優勝よりも高松商の復活・快進撃のことだと思うほど、高松商の印象は強かった。秋の四国大会・明治神宮大会制覇の時は『波に乗っただけ』という声も多く、選抜では明確な優勝候補に挙げる声は少なかったのだが、そのすべての予想を覆す快進撃だった。果たしてその勢いは本物なのか?それがファンにとって、心配でもあり、知りたいところでもある。この高松商の活躍で、県内の各チームは活気づいている。長らく低迷を続けた香川県の高校球界が、あの95年の観音寺中央の選抜V以来の活況だ。そんな中での今年の県大会。大本命が高松商なのは、疑いようもない。全国屈指の強力打線は、まだまだ衰えを知らない。安西・米麦から植田兄弟・美濃へと続く上位は断トツの破壊力。やや心配されるエース浦に続く投手陣の底上げだけが、現在のところ課題といえるか。しかしその高松商、実は秋、春と連続で小豆島に敗退。その相性の悪さがやや心配の種だ。小豆島は21世紀枠で選抜の大舞台を経験。左腕のエース長谷川が相手をしぶとく抑え、ちょこちょこっと点を挙げて逃げ切る試合展開は”夏向き”とは言えず、それゆえに高松商のところまで上り詰められるかということに疑問があるが、そこまで上り詰めて”決戦”となれば、必ずその相手との相性の良さは発揮されるはず。この両校がこの1年間ずっと県内を引っ張る存在だったが、忘れてはいけないのが近年存在感を見せる大手前高松。エース門内がしっかり抑えて、少ない点を守り切って勝つ野球は小豆島と被るところがあるが、暑い夏をエース1枚で乗り切れるかがカギ。その点では、選手層の厚い私学の名門が浮上する可能性もある。長らく県高校球界を引っ張ってきた尽誠、香川西、寒川の”私学3強”は今年も虎視眈々と大舞台への進出を見据えている。夏に強い丸亀や久々の志度、丸亀城西の公立勢の躍進にも期待が持てる。95年にセンセーションを巻き起こし選抜初出場Vを飾った観音寺中央は、今年が現校名での最後の夏。優勝時の主将である土井監督に率いられ、最後の夏にスパークできるか。



【徳島】(参加31校)  
5連覇という偉業を狙う鳴門がやはり1番手。池田の名門復活は、なるか?

◎ 鳴門 
〇 城南 生光学園 
△ 富岡西 城南 池田
▲ 徳島商 鳴門渦潮 小松島 徳島北

ここ4年間、鳴門が夏の大会を4連覇。がっちりと『徳島の盟主』の座を築いている。鳴門渦潮の名将・高橋監督が早大の監督に転任し、ますます県内は森脇監督率いる鳴門の独壇場だ。今年も秋春の県大会を2大会連続で制し、他校よりも頭一歩抜け出している図式か。エース河野は強豪相手にもしっかりとしたピッチングができるようになり、安定感が春になって増してきた。打線はもとより県内屈指。長打力もあるし、小技もしっかりと決めてきて、他校に付け入るスキを許さない。なんとか対抗したい各校の中では、県内初の『私学での甲子園』を狙う生光学園か。県内で唯一硬式の中学チームを持つ優位さを生かして、初めての甲子園をつかみ取りたいところだ。打ち合いよりも、ロースコアのゲームが得意。秋準優勝の城南は、2011年春の21世紀枠以来の甲子園を狙う。昨夏は決勝で悔しい負け方をしたので、今年は鳴門にリベンジしたいところだろう。名門・池田は徳島商を2度甲子園に導いたOBの井上監督が就任して、確実にチームが変わりつつある。名門復活へ、のろしを上げる夏にしたい。春準優勝の富岡西は、これといった選手はいないが、チームの総合力で勝負。名門の徳島商、鳴門渦潮らも今年は波に乗ればチャンスがやってくる予感。小松島、徳島北などかつて甲子園に出場経験のある各校が、鳴門の5連覇阻止を狙っている。




【愛媛】(参加60校)  
2年ぶりの夏を戦う済美が本命。川之江・今治西・松山商の公立の名門が優勝争いに絡む。

◎ 済美 
〇 川之江 今治西 松山商
△ 松山聖陵 新田 小松 
▲ 西条 宇和島東 聖カタリナ学園 

毎年熱い愛媛の夏。一昨年は安楽を擁した済美が『絶対』といわれていたが優勝は成らず、その直後に名将・上甲監督が亡くなるという悲しい出来事があった。済美はその後、不祥事で1年間の対外試合禁止を命じられ、昨夏は県大会出場すらもかなわなかった。その苦境の中、謹慎明けで臨んだ昨秋の大会で四国大会4強進出。選抜はならなかったものの、復活を強烈にアピールした。その済美を今大会の本命に推す。
上甲監督の後を継いだ松山商OBの乗松監督がしぶとくチームづくりを推進しており、今年は強打線とエース菊池で甲子園の大舞台を狙っている。その済美に勝るとも劣らない戦力を持つのが、春の大会で優勝した川之江と昨夏・秋優勝の今治西だ。川之江は甲子園で4強に進出した02年以来の甲子園を狙う。糸川・橋本の左右の2本柱が確立した春の戦いで自信をつけて、14年ぶりの夏が近づいてきた。一方連覇を狙う今治西は、県大会に無類の強さを見せる大野監督の采配が見もの。『気がついてみたら勝っていた』という今治西イズムを、今年も見せられるか。”夏将軍”の異名を持つ松山商は、同じ四国四商の一角である高松商の活躍に刺激を受けているはずだ。近年の低迷を打破するための気合は満点の夏となるだろう。そのはじけるパワーに期待が集まる。松山聖陵には、なんといっても注目のアドウワ投手が控える。彼が万全の体調で夏を迎えると、有力校といえども攻略は難しい。過去2年連続で夏の決勝に進出している小松は、名門校としての地保を固めるために、上位進出は譲れないところだ。そして聖カタリナ学園は、石川・小松高校の名将・越智監督が就任。今年はまだ優勝争いに絡んでは来ないだろうが、その戦い方は注目の的だ。





【高知】(参加29校)  
力が落ちたとされる明徳義塾にスキはあるのか。それともやはり強く、7連覇の偉業を成し遂げるか。

◎ 明徳義塾 
〇 高知
△ 高知商 土佐
▲ 高知中央 中村 高知工

高知県の高校野球史。”明徳(出現)前”と”明徳(出現)後”の2つの時期に明確に分かれる。その分岐点は、かの星稜相手に松井を5打席連続敬遠した年だ。その後明徳は馬淵監督の下、全国から有力選手を集めて鍛え上げ、目線を全国制覇にグッとあげてチーム作りに邁進。それから高知県のほかの各チームは、まったく明徳に歯が立たなくなった。98年からは夏の県大会8連覇(辞退の年も含める)。そしてまた、10年から6連覇中。過去20年で15回の優勝、4回の準優勝を重ね、『明徳以外のカードでの決勝』は何と08年のたった1回だけ。それだけ高知県の高校野球は『明徳義塾の独壇場』と化している。その一つの要因は、出場校数の少なさにある。例年30校以下の出場校による大会で、1・2シードを確保すれば甲子園までの道のりはわずかに4勝。それだけに百戦錬磨の馬淵監督などは、優勝までの道のりをしっかりと計算できるということなのだろう。100校以上参加する大会では、そこでまさかのチームが勢いを持って当たってくることもあるため、やはり先を見ることができない『一戦必勝』の戦いになりやすいし、消耗度も激しい。そこに波乱の要素も出てくるのだ。かつて『野球王国』といわれた高知県も、今ではそう呼ぶファンもほとんどいない。これはやはり『1強独占』が長く続いたことによるある種の弊害かと考えている。そう考えると、ここ2年程言われる『明徳がちょっと力を落としてきたのではないか』というささやきは、高知の高校野球ファンにとっては福音にすら聞こえるのではないだろうか?明徳は昨夏の甲子園、今年の選抜で初戦連敗を喫していて、『初戦では絶対負けない』という『明徳神話』にはやや陰りが見えはじめている。高知、高知商などの名門校にとっては、今年はチャンスととらえられるのではないだろうか?今年が『一つの時代の分岐点』になるか否か?ワタシは大変に注目して、この高知県大会を見ている。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 交流戦総決算 やっぱりパ・... | トップ | 第98回全国高校野球選手権... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

高校野球」カテゴリの最新記事