≪WBO 世界ミニマム級タイトルマッチ≫ ~小牧~
【王座決定戦】
2位 1位
田中恒成(畑中) 〇 12R判定 ● フリアン・イエドラス(メキシコ)
115-113
117-111
117-111
19歳の田中恒成。
WBO世界ミニマム級の王座決定戦に挑み、
見事に判定勝ちを収めて、
≪日本最速≫での世界タイトル奪取に成功しました。
高校4冠を引っ提げて鳴り物入りでプロ入りした田中の実力については、
いまさら言うまでもありません。
昨日の王座決定戦でも、
初体験の12Rフルという厳しい戦いだったにもかかわらず、
しっかりと戦いきって誰の文句も言わせない判定勝利。
素晴らしい戴冠だったと思います。
これからの活躍が楽しみです。
しかしだからこそ、
言っておきたいなあと思うこともあります。
正直言って、
田中選手は放っておいても、
いつかは世界を取る”器”を持った選手。
そのキラキラの選手を、
またぞろテレビ局という化け物が、
食い物にしようとしているのではないか・・・・・・・・
そんな気がしてならないのです。
新世紀に入ってしばらくたってから、
90年代のK-1やPRIDEなどの”成功体験”に酔っていたプロジューサーなどが、
『ボクシングは視聴率を稼げるコンテンツだ』
と思ったのかどうか、
ボクシングにターゲットを定めて、
『選手の先物買い』
そして
『物語作り』
に、ものすごい力を注ぐようになりました。
90年代の日本ボクシング界。
辰吉というスターを生んでいたとはいえ、
『日本人の世界王者』
はほとんど生まれないという低迷状態に陥り、
世界戦の戦績は極めて悪いものでした。
しかしながら、
そこには素晴らしい素質を持った選手も多く、
数多く世間に存在する『忸怩たる思いを抱いていたボクシングファン』を巻き込めば、
ブームが去ったK-1,PRIDEにとって代わる存在になると一部のテレビプロジューサーは思ったのでしょう。
そう思ってくれたこと自体は、
ボクシングに光を当ててくれたことですから、
本当にありがたいことでした。
そして、
ファイトマネーを中心とした、
お金も使ってくれるありがたい存在だったと思います。
ボクシング界も、
その流れに乗って、
巻き返しを図ろうと思ったのだと思います。
しかしながら、
その一部のテレビが、
『つぎ込んだお金に見合う評価を』
ということを求めるようになり、
徐々に『テレビ局によって作られたチャンピオン』が出だしました。
そこで最も重視されるのは、
その世界チャンプの『強さ』ではなく、
『物語性』と『話題性』になってくるという結果を生んだのです。
そこには、
『どんな強い相手と、どんな凄い戦いを繰り広げたか』
ということは完全に置き去りにされ、
≪日本最速の……≫とか、
≪日本人初の〇〇階級制覇≫だとか、
はては≪兄弟同時世界チャンプでギネスに登録された≫だとか・・・・・。
ボクシングファンにとっては、
どうでもいいことが最も重視されるようになっていったのです。
そしてその世界タイトルを守るために、
ありとあらゆる『首をかしげざるを得ないこと』が行われるようになった・・・・・。
世界ランキングの不自然な操作や、
挑戦者選びの不自然さなどは言うに及ばず。
判定の不自然さなども、
まことしやかにささやかれるようになって、
急激にファン離れを起こしているというのが、
今のボクシングの一方での『実像』です。
メディアミックスの負の側面が、
露見して来てしまっているということです。
しかしながら、
もちろん長い歴史を持つボクシング界。
もう一方では、
そんな選手やジムばかりではなく、
『まさに正真正銘の本物』
の世界チャンプも、
2000年代に入ってからはたくさん現れました。
世界戦10回の防衛を誇った長谷川穂積、
ラスベガスで防衛戦を行い、”世界の超強豪”ドネアに果敢に挑んでいった西岡。
現在のチャンプにも、
超絶な実力を誇る井上尚弥や、
山中、内山、三浦、
そして”炎の男”八重樫など、
ファンを熱くするボクサーはいくらでもいます。
彼らはまさにたたき上げ。
自分の拳ひとつで、
世界に打って出ている”ホンモノ”です。
ある意味、
日本ボクシング界は今、
そういったホンモノの彼らによって、
黄金時代が築かれようとしています。
ワタシは田中選手にも、
同じように『本物路線』を歩んでいってほしいと強く思っています。
それだけに、
安易にテレビ局がしつらえた『世界最速』だとか何とかいう”路線”を、
出来れば歩んでいってほしくない・・・・・
そんな気がしているんです。
世間にはあまり知られていないことだと思いますが、
このWBOミニマム級王座決定戦に至るプロセス、
なんだかとても不自然で、
まさに『テレビ局が田中選手に【日本最速記録】を作らせるために作ったシナリオ』のようなにおいが、
プンプンするんです。
もともとこのタイトルは、
現IBFチャンプの高山勝成選手が”2団体統一戦”なるもので獲得したタイトルで、
それがなんだか不自然な流れでWBOタイトルだけが返上され、
そこに『ホープ』でありTBSの『推しボクサー』である田中があてがわれた・・・・というもの。
そしてこの田中の勝利によって、
今年の年末(大晦日の格闘イベント?)には、
なんだか高山vs田中の『頂上マッチ』なるものが企画されているとも・・・・・。
こうなっちゃうともう、
『テレビの作ったシナリオに、ボクサーが乗せられている』
としか言いようのない展開で、
なんだか興ざめしてしまっているんです。
高山は『日本で初めての、4団体すべてのタイトルを取った男』で、
対する田中は『日本最速で世界タイトルを奪取した男』ということ。
その大注目(??)の対決が
『日本で類を見ない頂上決戦』
と喧伝されるのが必至のようなんですが、
ファンはみんな『なんだかなあ……』
と思っているようですよ。
ワタシだって、
そんなにこの二人の対決、
『どうしても見たいなあ・・・・・』
なんて思わんもんね、実際。
それよりも、
ワタシは田中選手ほどの実力があれば、
そんな【乗せられた】様なタイトルマッチなんか必要なく、
まさに本物路線を歩んでいってほしいと、
心から思っているんです。
昨日のタイトルマッチで見せた輝きや根性、
褪せさせないでほしいと、
関係者には強く要望したいですね。
『そんなシナリオなんかいらねえ!』
というように、
ものすごく強くなってくれたら、
痛快だなあ。
田中選手、頑張ってくださいね。
本物の輝き、
確かに見ることが出来ましたから。
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