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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

清宮の夏、終焉。 2017年東京の夏は、長年の悔しさを晴らす夏。  

2017年07月31日 | 高校野球

≪第99回全国高校野球選手権大会≫  ~神宮~

【東東京大会】 決勝

二松学舎大付 9-1 東海大高輪台

二松学舎大付は、3年ぶり2度目の出場。



【西東京大会】 決勝

東海大菅生 6-2 早稲田実

東海大菅生は、17年ぶり3度目の出場。


この週末、
全国49地区のほぼしんがりとして、
東西の東京大会の決勝が行われました。


まずは土曜日、東東京大会の決勝。
3年ぶりの出場を目指す二松学舎大付に、
初出場を目指す東海大高輪台が挑みました。

試合は初回から二松学舎大付の打線が西原、鵜飼の東海大高輪台投手陣を打ち砕き、
エースの宮地が登板したときはすでに時遅し。

大量の援護に、
二松学舎のエース市川は決勝のマウンドを楽しむかのように、
スイスイと投げ続けて東海大高輪台の打線をわずか3安打に抑え込み、
楽々と優勝を決めました。

長く東京大会を見ていて、
これまで何度も何度も、
決勝の舞台に跳ね返され続けた二松学舎の姿を見ているので、
今日の展開はまさに『信じられない』感じでした。

 

ワタシの周りにいた数多くの二松学舎の関係者、OBの人たちも、
これまでの事を思い出してか、
『こんなに簡単に(甲子園出場が)決まって、いいのだろうか』
とちょっと戸惑いがちだったのがほほえましかったです。

今年の二松学舎大付。
投打のかみ合いがよかったですね。
エース市川が夏を迎えて安定感がぐっと増し、
打線は安心して攻撃していました。

今年の打線は長打力というよりも、
早い打球を連発してのつなぎというところに、
『夏勝つための・・・・』
ということが感じられました。

それと、
組み合わせに恵まれたということも、
見逃せません。

これまで何十年も煮え湯を飲まされ続けてきた二松学舎にとって、
これほどまでに『甲子園への道』が目の前に、
”きっちりと整備されて”広がっていたことはなかったんじゃないかな?!

3年前に、
大江投手、今村捕手、三口2塁手という『超絶1年生3人衆』を擁して、
先輩の誰もが成し得なかった甲子園への重い扉をこじ開けた二松学舎。

誰もが『この3人を擁していれば、3年連続の甲子園も固い』
と思っていたでしょうが、
彼らが2年の時も、そして3年の時も、
甲子園の重い扉は『やっぱり重かった』ということで開かず。

しかし今年。

プラチナ年代の選手たちが卒業した年に、
後輩たちがしっかりとした野球で2度目の扉をこじ開けてくれました。

スポーツの世界ではよく、
『1度目は何とかなっても、2度目こそが本当に難しい』
なんてことを言いますが、
その2度目を手中に収めた二松学舎、
現在王国を築いている関東一とともに、
ますます東東京での強豪の地位を固めていきそうですね。


明けて日曜日。

全国的に注目される、
清宮の早稲田実が決勝を迎えました。

朝起きると早速、
SNSで『神宮がものすごいことになっている』ということを確認。

朝6時の時点でもう、
球場を取り囲むように人があふれていたということでした。

ワタシは3時間前に球場入りする予定でしたが、
時間を30分早めて9時半に球場に着きました。

前売りでチケットは手に入れていたので、
中に入ってみて二度目のびっくり。

 

すでにネット裏から1塁側はぎっしりと観客で埋まっていて、
3塁側に少しの空席と、
あとは外野に回るしかないという人の多さ。

まあ、
ワタシも40年来東京の高校野球を見に訪れていますが、
こんなのは全く記憶にありません。

かつて早実の荒木大輔の時代、
同じ早実の斎藤佑樹の時代など、
全国的に人気が沸騰(斉藤の時は、予選はそれほどでもありませんでした)した年もチラホラとありましたが、
こんなのは見たことも聞いたこともない。。。。。って感じでしたね。

だいたい東京はお隣の神奈川に比べて高校野球熱が高くなくて、
数年前ぐらいまでは、
決勝だというのに外野席は解放されていませんでしたからねえ。

決勝がぎっしり満員なんて言うのは、
清宮フィーバーの一昨年以外では、
う~ん、創価が初めて決勝に出た昭和58年ぐらいかなあ。。。。。
(あの時の、いわゆる動員はすごかったなあ。。。)


そして昨日、
決勝が始まる前には、
すごくいい雰囲気が球場を覆っていました。

試合は早実がペースをつかめないうちに、
東海大菅生が相手のミスに乗じて中盤で主導権を握り、
日大三を抑え切った背番号11のエース・松本が見事なピッチング。

速球、変化球ともキレが抜群、
そして低めへのコントロールも抜群で、
早実の強力打線に付け入るスキを与えませんでした。

注目の清宮との対戦は、
チームの作戦がバチッと決まりましたね。

その作戦とは、
『清宮の前にランナーを置かない』
『追い詰められた場面で彼を迎えない』
ということ。

初回からそのことは徹底されていて、
橘内、雪山のうるさい1・2番を完璧に抑え切ったことが、
勝利に結びつきました。



第2打席は同点の場面で、
カウントを悪くしてからは無理に勝負をせず四球。

3点リードの第3打席は大胆に勝負してファールフライに打ち取りました。

勝負の第4打席。

8回は2番雪山からの打順。
一昨年は5点をリードされた早実が、
8回に大爆発して逆転しましたが、
この日は東海大菅生のエース・松本が実に冷静な投球をしました。

『何かが起きる』と期待する1塁側の早実大応援団。

1塁側の内野席全体から地鳴りのような歓声がこだまする中、
やや制球を乱し雪山に3-1としてしまった松本。

ここで雪山を四球で出したりすると、
球場に『早実逆転の空気』が熟成されることが十分に予想されましたが、
冷静にそのあと雪山を切って取り、
清宮の打席を迎えるときには、
そのボルテージはやや下がり気味になっていました。

清宮はそんな中、
さすがという早い打球のライト前ヒットで意地を見せましたが、
この日3安打と当たっていた野村が打ち気にはやり遊ゴロ併殺。
この瞬間、
東海大菅生の『優勝への道』の両側に、
大輪の花が咲き乱れました。

最後は2点を加えて突き放し、
この『2017年の東京フィナーレ』を、
見事な戦いで飾り、
3度目の甲子園を決めました。

何しろこのチーム、
過去3年連続で、
決勝で涙をのみ続けてきました。


3年前の夏。

今年と同じく、
早実・日大三の”西東京の両雄”と八王子の剛腕・横森を攻略して迎えた決勝。
『東海大菅生絶対優位』
という下馬評ながら日大鶴が丘の粘りに屈して涙にくれました。

この年のチームは、
左腕の好投手2枚を擁して打線も活発、
『本当に強い。甲子園に出したい!』
と思っていたチームだったので、
まさか負けるとは思いませんでした。


2年前の夏。

今でも語り草になっている早実の8回の大逆転勝ちの決勝戦。

東海大菅生は、
その年の選抜に出場した大型チーム。
プロにも注目されていた”二刀流”勝俣を擁して勝ち上がりましたが、
炎天下の中、勝俣が最後の最後に失速。
本当に悔しい負け方で、
2年連続の決勝敗退に涙を流しました。


そして昨年の夏。

初戦から苦しい試合の連続を勝ち上がり迎えた3年連続の決勝。
この年は戦力的には過去2年と比べてまさっていたという印象はなかったものの、
過去2年にはないしぶとさを兼ね備えていた印象のチームでした。

決勝の相手は初の甲子園を目指す八王子。

戦力的には上回っていたと思われたものの、
この日は風が八王子に吹いていて、
延長でまたも甲子園をつかめず、
この年の3年生は『3年連続決勝敗退』という、
『野球の神様って、いないのか。。。。。。。』
という嘆きにも似た慟哭の中、
悔し涙にくれました。


そこから1年。

昨日のスタンドでのはじける喜びは、
この3年間の悔しさをすべて振り払った歓喜に満ちていました。

そして改めて、
『これだけの大勢の人たちに応援されているんだなあ』
ということを実感しました。


たくさんの人たちが、
声を限りに自分の応援をしてくれる。。。。。。
自分の名前を連呼してくれる。。。。。。
自分のプレーを頭に、心に刻んでくれる。。。。。。。。

高校球児たちって、
本当に幸せな人たちだと思いますね。


優勝の瞬間のはじけ飛ぶスタンド。
涙を流している人たちも、
たくさんいました。


そして2017年の東京の高校野球も、
盛り上がりのうちに終焉を迎えました。


入学してからこの日まで、
それこそその一挙手一投足をつぶさに”観察”されてきた清宮選手。

重圧に加えて嫌なこと、
たくさんあったんじゃないかと思います。

しかし、
本当に最後の最後まで、
彼は立派だったですね。

彼の『最後の夏に負けた時のふるまい方』を見て、
松井秀喜が『あの5打席5敬遠』で負けた後の、
悔しさを飲み込んだ立派な態度がオーバーラップしました。

清宮選手。



もう彼は間違いなく、
次の世界でも『超大物』になること、
間違いないと思いました。

立派な3年間だったと思います。

東京中が、
彼の物凄いホームランに酔いしれた3年間でしたね。



さて、
いよいよ東京の250校を超える学校の代表として、
東東京の二松学舎大付属と、西東京の東海大菅生が甲子園に乗り込んでいきます。

両校ともに春から夏にかけて、
グッと力を伸ばしてきたチームだと思います。

特に投手力は、
全国の舞台でも十分に通用するだけの力を持っています。

『真紅の大旗を持ち帰ってくれ!』

という大それたお願いをするつもりはありませんが、
全国の強豪にどう挑んでいくのか、
とても楽しみなチームです。

都大会での試合が再現できれば、
「やれる!」
と思っています。

両校の健闘を祈ります。



神宮の森に日が落ちて、
今年の大フィーバーに沸いた東西の東京大会が、
閉幕を迎えました。


やっぱり神宮球場は、
東京の学生野球ファンの『心のよりどころ』だなあ。。。。。。

そう改めて感じた、
この週末でした。


みんな。。。。

『じぶん史上最高の夏』
になったかい?


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菅生 (まろくん)
2017-08-04 06:40:28
三高との試合を三塁側で観戦しました。櫻井くんの「追い込んでフォーク」というパターンにはまらない、早いカウントから打って出る菅生打線。
逆に松本投手の低めにコントロールされた真っ直ぐとフォークに、三高打線は最終回まで沈黙。
監督のゲームプランどおりなのでしょうが、それができるのは、選手に力があるからですね。
普段どおりできれば、甲子園でもいいところまで行けるのではないでしょうか。ぜひ大暴れして欲しいものです。
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