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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

大相撲夏場所千秋楽 連日満員御礼の中、とにかく面白い場所だった。

2023年05月29日 | 相撲

大相撲夏場所千秋楽。

すでに14日目に横綱・照ノ富士の優勝は決まっていましたが、
見どころ満載の楽しい千秋楽となりました。

まずは十両の優勝争い。
東筆頭で1敗の豪の山は、
すでに来場所の新入幕を決めていますが、
優勝で花を添えたいところ。

もう一人の1敗は話題の落合。
まだ角界に入門してわずか3場所の19歳。

しかしその相撲っぷりは、
すでに幕内中堅どころで取っているかのような安定感と勢いがあります。

まずは落合がしっかりと勝って14勝1敗とし、
豪の山の相撲を待ちます。

その豪の山は本割で、
北の若に立ち合い変化されて大苦戦。
しかしここで負けないのが豪の山。

師匠・豪栄道譲りのその向こうっ気の強さで、
なんとか相手を振り切って14勝1敗。
決定戦にもつれ込みました。

しっかし、
こんなにレベルの高い十両の優勝争いって、
ちょっと記憶にないぐらいですね。

十両の優勝といえば、
ワタシの中では12勝以下が相場。
時には11勝、10勝ぐらいでも優勝に届くなんて場所があったりするのが十両と、
そんな印象があります。

先場所は14勝と13勝の優勝争いでしたが、
それは争っているのが「本来ここにいてはいけない力士」であった朝乃山と逸ノ城だから。

こういう「董が立った力士」の争いではなく、
新入幕を狙い若手同士の争いで14勝1敗。
これはもう、なんだかコーフンしますね。

そして優勝決定戦。
本割から休息の時間があった落合が有利かと思いましたが、
2番連続で取った豪の山の出足がま~凄いこと。

あっという間に落合を土俵際に詰めて、
エビぞって残す落合を豪快に土俵の外に押し出し、
初優勝で昇進に花を添えました。

豪の山も敗れた落合も、
来場所が本当に楽しみです。
多分幕内でも、
かなりやれるんじゃないでしょうかね。

豪の山の出足、
そして落合の四つ身の良さと腰の安定。
実力は十分だと思いますから。

さて・・・

十両を十分に堪能してから始まった幕内。
朝乃山の相撲をまず注目しました。
優勝争いに顔を出したのは元大関として見事だったと思いますが、
まだまだ相撲勘が完全に戻ったとはいえず、
上位には通用しなかったというのもまた事実。

来場所上位に上がって、
今場所の関脇4人衆とか、
上位の癖のある実力派たちと当たって、
果たしてどのくらい星が上がるのか、
注目度は高いですね。

出来れば「大関昇進争い」の中に、
朝乃山も入ってきてほしいところではありますね。
四つ相撲だけに、
安定感がありますからね。

次は今場所中盤から突如として覚醒した錦木の相撲。
千秋楽も阿武咲を破って8連勝で9勝6敗。
なんというか、
後半8日間の相撲は、
完全に殻を破った感じの相撲っぷりでした。

地味な印象のある力士ですが、
来場所は本当に楽しみです。
今場所は4枚目でしたから、
筆頭ぐらいまでは行きそうな気配。

彼当たりが本格化すると、
またまた上位陣の”層”がぐっと厚くなりますね。

さらに翔猿と玉鷲の7勝7敗同士の対戦。
ワタシは玉鷲の大ファンなんですが、
翔猿の相撲にはうなってしまいました。

彼は大相撲にとって、
本当になくてはならない力士だと思います。
業師であって元気もくれる、
稀有な力士です。

大相撲って、
単純に番付だけじゃなく、
こういう力士がいるからこそ盛り上がるんですよね。

玉鷲も敗れたとはいえ、
後半盛り返して、
38歳、まだまだ健在なところを見せてくれてい嬉しいです。

彼については、
何しろ元気に相撲を取っている姿を見せてくれたら大満足。
まだまだあと4,5年、
行けまっせ~!!

そしてこれより三役。

東は大栄翔、霧馬山、照ノ富士の並び、
西は若元春、豊昇龍、貴景勝の並び。

東西ともに、
実力十分の役力士たちが並んで、
壮観でした。

三役そろい踏みは、
やっぱりこうじゃなくちゃね。

この6人、
来場所は横綱ひとり、大関ふたり、
そして大関取りが3人です。
いずれ劣らぬ役者ぞろい。
この6人が、
今の相撲界を引っ張る存在です。

さて、
そして取り組み。

まずは大栄翔と若元春。

どちらが勝っても、そしてどちらが負けても、
来場所にとって大きな一番となりました。

相撲は大栄翔が見事な出足で若元春を一蹴。
勝ち星を二けたの10勝に乗せ、
先場所と合わせて2場所22勝。
来場所のノルマは「11勝」という事で今場所を終えました。

大栄翔は、
この日、そして朝乃山戦や豊昇龍戦のように、
立ち合いが決まればものすごい破壊力を出しますが、
阿炎、翠富士、御嶽海に敗れた相撲など、
勿体ない相撲が何番か見られるのがたまにきずです。

大関へは、
こういった取りこぼしを極力なくして、
粛々と白星を積み上げていくことが肝心です。

来場所11勝。
達成できそうでもあり、
また難しそうでもある、
微妙なノルマですね。

でも・・・

頑張ってもらいましょう!

敗れた若元春は、
今場所10勝で止まって2場所21勝。

彼は幕内に上がり、
上位で相撲を取り出してから、
まさに”確変”を遂げた力士。
今一番勢いがあるといっても過言ではありません。

これまでは弟・若隆景の陰に隠れる「お兄ちゃん」でしたが、
今や完全に自分が実力をつけて、
弟より先に大関に駆け上がろうとしています。

スタイルも左四つ得意の四つ相撲。
安定感は抜群です。

あとはだんだん改善してきているとはいえ、
立ち合いの当たりがまだまだ鋭くないこと。
立ち合いが改善されて、
自分得意の形にもって持っていけるようになったら、
もっともっと強くなれそうな余地を残しています。

伸びしろいっぱいの若元春。
顔や土俵上の佇まいも、
「上位力士のそれ」から今場所は「大関のそれ」になりつつあります。
来場所のノルマは12勝。
厳しい星ではありますが、
今伸び盛りだけに、
チャンスは十分にあると見ます。


結び前では、
大関昇進をほぼ決めた霧馬山と豊昇龍が対戦。
両者のライバル意識がバチバチ火花を散らしていました。

相撲は豊昇龍が立ち合いうまく差し勝ち、
抱え上げて投げ捨てて11勝。
先輩関脇の意地を見せました。

豊昇龍としては、
霧馬山に出世争いで後れを取ったのは痛恨でしょう。
来場所は必ず自分も大関へ・・・・・の気持ちは強いと思います。

その勝負根性と柔軟な足腰、
凄い運動神経は定評のあるところ。

普通に行けば大関は堅い力士なんですが、
まだまだ自分の相撲の方が確立していないところから、
なんでだか中盤に負けをぽつぽつと喫してしまって、
気がつくと大勝ちできない・・・・・という場所が多かったですね。

しかしながら、
来場所は「霧馬山が大関」という地位にいるのが、
豊昇龍には最大のモチベーションになることでしょう。
ノルマは12勝ですが、
案外あっさりと達成してしまいそうな気もしていますね。

霧馬山は、
この相撲は負けたくなかったんじゃないですかね。

しかしまだまだ、
実力を伸ばさなければいけないなと、
そんな気持ちにさせてくれる負けだったのではないでしょうか。

これから大関になって、
いったいどんな力士になっていってくれるのか、
期待は大きいです。

昨今の大相撲の「あっという間に勝負が決まる」トレンドに反し、
霧馬山はしっかりと四つになって自分の形を作る、
大相撲の「古き良き形」を継承する力士です。

それだけに安定した相撲を取ってくれるんじゃないかと、
期待が大きいですね。

個人的には、
この霧馬山と若元春が大関に顔をそろえて、
東西で安定した相撲を取ってもらいたいと思っています。

そしてゆくゆくは横綱へ。
期待していますよ。


さあ、
そして千秋楽の結び。

横綱・照ノ富士が、
何とか勝ち越してカド番を脱出した大関・貴景勝と。

立ち合い貴景勝が”猫だましもどき”のような立ち合いをしましたが、
横綱は全く動じずに一気に押し出し。
力の違いを見せつけました。

照ノ富士には、
もうなんにも言う事はありません。
立派な横綱です。

これからも、
出来るだけ長く、
他の力士の壁になって、
「横綱の威厳」を見せてほしいと思っています。

彼の相撲には「横綱の矜持」もあるしね。
白鵬の晩年に「横綱の矜持」を見ることがなくなっていたので、
照ノ富士の相撲っぷりには、
大きくうなずくことばかりです。

残念ながら貴景勝には、
そんな「大関の矜持」を見ることはできない場所でしたね。

まあ、
それだけひざの状態が悪かったってことでしょう。
勝負に対するこっけいなまでの貪欲さ、
それが良くも悪くも彼の持ち味ですから、
来場所以降はひざの状態を戻して、
しっかりと相撲を取ってほしいと思います。

でもすぐカッとなって、
あの見苦しい張り手をぶん回すことだけは、
大関として慎んでもらいたいですね。


ということで、
今場所は話題満載、
観客満員、
そんな楽しい場所でした。

最後も横綱が強さを見せて優勝を飾り、
新大関が誕生することも確実。
さらに下からは生きのいい若手がどんどん。。。。。

大相撲、
新時代を迎えて、
ますます今後が面白くなりそうです。

ああ、
もう来場所が待ち切れなくなっている!!!



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