《4団体統一 世界スーパーバンタム級タイトルマッチ》 〜有明〜
4団体統一チャンピオン WBO11位
井上尚弥(大橋) ◯ KO ● キム・イェジュン(韓国)
4R 2分25秒
ようやく、と言っていいでしょう、
行われたモンスター・井上尚弥の4団体統一タイトルマッチ。
まず最初に感じたのは、
「あぁ、ちゃんと試合出来てよかったなぁ」ということですね。
まー紆余曲折ありましたもんね。
結構しっかりと観衆も集まりましたし、
しっかりとした試合になって良かったです。
試合は開始から、
井上尚弥がいつものように相手の情報を自らの手でインプットする作業に1ラウンドを費やし、
2ラウンドからキッチリと「試合」を始めたようでした。
代役となった相手のキムも、
思ったほど実力が下という感じではなく、
色々とパンチを打って来て、
なかなかいいファイトになりました。
井上尚弥はいつもの試合より被弾する場面もありましたが、
それはまあ、やっぱり全く知らない相手だったので仕方のないことだと思いますが、
そこからキッチリ理詰めで仕留めていく姿は「さすがはモンスター」って感じでした。
予定調和と言われようがなんと言われようが、
どんな試合でもキッチリ相手を仕留め切る、
そこが本当にすごいところですね。
やっぱり唯一無二のボクサーです。
ワタシはというと、
この試合は最初から落ち着いてしっかり見ましたが、
最初から少し冷めた目で見ていました。
もっぱら井上尚弥の技術の凄さを堪能していた感じのファイトとなりました。
しかし。。。
感じちゃったのは、
やっぱり熱というものを全く自分自身に感じることはなかったという事です。
そして長きにわたって、
ボクシングを見ている時に感じるワクワクみたいなものは、
全く感じることができなかったということですね。
これは、
井上チャンプには、
何ひとつ責任はないと思います。
要するに、
本当に「熱くなる相手がいない」、
このことに尽きますね。
スーパーバンタム級でも、
もうやることは全てやってしまって、
相手になる選手が皆無。
次に対戦が待っているボクサーの名前を聞いても、
なんだか全くワクワクして来ませんね。
しかしながら、
年に何回も試合することがないボクサーにとって、
特に井上尚弥のようなスーパーボクサーにとっては、
燃えるようなライバルがいないということは、
これは最も不幸なことなんじゃないかと、
そんなふうに考えてしまいました。
かと言って無理矢理に体重を増やし、
自分のナチュラルな階級でないところまで上げて大男達と戦うっていうのも、
なんだかちょっと違う気がします。
本人もモチベーション上がらないでしょうしね。
ワタシはここでも常々言っていますが、
井上尚弥と中谷潤人の【スーパータイトルマッチ】には否定的です。
だって、
2人とも大好きなボクサーだから。
何も2人でファイトしなくても、
外国人相手に2人で並び立って、
世界でブイブイ言わせていけばいいじゃん!!
そんな考え方でした。
ちょっとばかり古い例えなんですが、
これはあたかも長嶋と王が、
別々のチームで戦うというのが嫌だっていうのに似ていますかね。
両雄が並び立ってこそ。。。
そんな感覚が強くあります。
しかし。
昨日の井上尚弥のファイトを見ていたら、
もうなんというか、
この辺りの階級に、
井上尚弥と本気で噛み合うのは、
もはや中谷潤人しかいない!
そんな感じになってしまいました。
これはもはや、
日本人がとーたらこーたらなんて、
いっている場合じゃない、
これはボクシングの神の差配ですね、
間違いなく。
井上尚弥と中谷潤人、
この2人の対戦は、
もはや必然なのかな?
とも思います。
いつ?
どの階級で?
興味は尽きません。
井上尚弥の今年のチャンピオンロード、
ベガスでピカソと、
そしてサウジでアフマダリエフと、
なんて言われていますが、
どちらも相手は完全な役不足。
しかしながら、
視点を変えて、
井上尚弥が中谷潤人とやるためのロードとして見ると、
その景色が変わって来ます。
この決戦まであと◯ヶ月!
って感じで見れば、
なんだか楽しくなって来ますね。
井上尚弥も中谷潤人も、
決戦までどんどん力を蓄えて、
世界最強を決めるビッグマッチに、
ピカピカと光り輝く姿で、
臨んでもらいたいと祈念しています。
それにしても。
やっぱり井上尚弥は強い!
そのことだけはまた改めて、
確認できた夜でした。
お疲れ、モンスター。
楽しかったよ!