あっという間に大晦日。
今年もいろいろあったな……
一昨日、息子が帰省。
今年は8日までいるというので、その間の自宅研究のために荷物多め。
ペッピーノさんで迎えに行きましたが、トランクいっぱいの大荷物。
引っ越しかよ!笑
昨日は父と海鮮のお店で会食。
父は息子と日本酒を熱燗で呑んで。
「孫とこうして酒を酌み交わせる日が来るなんて、長生きしてよかった」と父。
日本酒をお互いに注ぎつ注がれつ…というのが、しみじみ胸に来たらしく。
あの歳の若者にとって、普通は親でさえうざいだろうに…
すっかり耄碌した祖父に、こんなに優しくしてくれて。
呑んだ後は、私と妻がスーパーで買い出しをしている間、息子と父は珈琲専門店に入って…
そこでもじっくり話し込んだ様子。
おじいさんでも分かるような話題を選んで、わかる話し方で、いろんな話をしてくれた様子。
「年末にほんとに楽しい夜を過ごせた。一生の思い出だ」
と涙まで浮かべていた父。
ほんとにいいやつだな、君は。親父にはまねできないよ。
人格的にも、親より上の大人になった。なんだろう、この差は…笑
家に帰ってからは、久しぶりに一緒に風呂に入って、背中を流し合いました。
主に研究の話。
「科学者にはすべからく、哲学としっかりした倫理観がないといけない」と息子。
哲学や倫理なしでも許される範囲を、現代の科学技術はあらゆる分野で超えてしまっているのに…
ほとんどの科学者は、自分の専門の研究だけに「淫して」しまっていて…
その研究の成果が、人間に、環境に、地球にどんな影響をもたらすのか、考えていない。
人文系の学問を軽視して、科学技術の発展の方向性と結びつける気がないのなら…
もはや薬学も含め、科学やテクノロジーなんて発展しないほうがいい、という段階にある。
そんなこと言ったら、○○先生にどやされるかもしれないけどね…。
でも、本当は自然科学やテクノロジーだけじゃなくて、経済学や政治学や法学や経営学や…
あらゆる学問について言えること。哲学と倫理なき進歩の道は人間社会のためにならない。
と、息子、いつもの持論を展開していました。
やっぱり、俺の息子だな。
そして、将来の夢も語ってくれて。
息子が今取り組んでいる研究は「はい、この薬が完成しました」で終わるものでなくて…
その先の「伸びしろ」がすごく大きくて、今はまだゴールが見えないようなものなんだとか。
その代わり、まじめな話、未来のノーベル賞級の革命的なブレイクスルー…
真実の意味で、薬学の画期的イノベーションになるかも…なんだそうです。
何だかワクワクする話ですけれど…
でも、一段落するまでは、つまりこの先少なくとも3~4年から5年ぐらいは…
今のラボで研究する必要があるみたいです。
上手く行ってとりあえず論文の形にすれば、世界中のラボから招聘の話が引く手あまたになるよきっと…
との彼の見通しではありますけれど。
でも、そんなに長い時間、果たしてこの国の経済が、社会が、その他のいろんな状況が…
持つのかどうか、私としてはすごく心配です。
最悪の場合来年にでも憲法が変えられて、日本人が自由に外国に出られないことになったり。
経済の決定的な破綻がやって来て、研究どころではなくなったり。
あるいは大規模天災が襲って来てひどいことになったり。
戦争が起きて、息子も招集されたり。
いろんなリスクが考えられるし、そうでなくても日本が、もはや沈みゆく泥船なのは間違いないから…
早く、一日も早く、もっと安全な環境に身を置いて研究してほしいのに。
恋人もできたし、そうそう簡単に海外雄飛、ということもできなくなってきたかも。
こうなったら、とにかく1年でも長くこの国を「持たせる」よう、何とかしないと。
来年、再来年と、彼がここで研究に専念できるように。
まだまだ、生きてやることはいっぱいありますね。
とりあえず、来年が、良い歳になるよう……
でも、個人の力じゃどうしようもないことも多くて、どうしたらいいのか。
やっぱり「祈る」ことは避けられないの、でしょうかね。
ともあれ、今年も終わり。
一年間、お読みいただいてありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。