息子が金曜の夜から帰省しています。
大雨の中、ペッピーノさんで迎えに行きました。
息子はそのまま横浜スタジアムに送り届けて、大荷物だけうちに持ってきました。
今回の帰省の目的は、金曜日に行われたDeNA×日本ハム戦の観戦のため。
息子は日ハムのファンクラブに入っていて、この日学生には無料の招待券が届いていたのです。
でもあの大雨。とても開催は無理だけれど、一応行くだけ行ってみるということで送り届けたのですが…
さすが晴れ男の息子。彼が球場に着くころ雨が小降りになって、ゲームは何とか開催されました。
そしてレフト側外野スタンドで観戦していた息子のところに…
ベイスターズの牧秀吾の打ったスリーランホームランのボールが飛んできて…
見事、ホームランキャッチ!
ということになったらしいです。
ゲーム自体は、途中でまた雨が強くなって、降雨中止となってしまいました。
牧選手のホームランも幻のホームランになってしまったわけですが…
息子は、ホームランキャッチができたというだけで大満足だったらしく「行った甲斐があった!」と…
ニコニコ顔で帰って来ました。
やっぱり彼は「持ってる男」なのかもしれません。
ちなみにこのゲーム、小学校、中学校時代以来の友達と二人で観戦したということなのですが…
その友達、小学校時代に息子のクラスで起きた、中国系の子に対するいじめ事件の…
いじめた側の一人だった子なのです。
息子ともう一人のクラスメートが、勇気を出していじめをやめさせたという件は、いつか書きましたけど。
いじめられた子と、親御さんから感謝されたのは言うまでもないのですが…
いじめをとめたというだけでなく、息子、なんとそのいじめっ子たちからその後、目を付けられるどころか…
仲良くなってしまったのです。
そして、その中の一人と、こうして今でも付き合っているという。
その辺のコミュ力というか、なんというか…恐るべしです。
かなりの「人たらし」なのかも。
その能力は、たぶん今も生きていて。
息子が言うように、医薬品の創造は一人の天才の力だけで出来るものではなく…
チームでの力、しばしば複数の研究室や、治験の病院、製薬会社などのコラボによって完成するので…
とくに論文筆頭著者になるような人には、コミュニケーション力とかリーダーシップが必須なようです。
研究費を「引っ張って来る」のにも、人との交渉力は不可欠だし。
そういう意味で、息子はこの仕事に、本当に向いているのかもしれません。
しかも「薬学の研究よりも楽しいことなんて何もない」と言い切るほどこの学問にほれ込んでいて…
普通の人には苦しい努力になるような行為が、彼にはむしろ喜びでさえあるというのは、何よりも強み。
野球の大谷翔平君が、野球以外のことに全く興味がない…のに比べると、まだまだなのかもしれませんけど。
遠征先のニューヨークで、スポーツ記者から「この街の感想は?」と訊かれて…
「ホテルと球場以外を見ていないので、わかりません」
と答えたそうですから。笑
一方息子は、こうやって、研究活動のない日は野球なんか観戦したりしてるのですからね。
でも努力が苦行ではなく楽しみになる人って、やはり世の中全体から見ると珍しいとは思います。
しかも、薬学だけしか頭にないわけではなくて。
昨夜も、科学者にも、というか科学の徒にこそ、人文系の学問の知見とセンスが必要で…
倫理なき科学は危険なものでしかないということを…
なんだかツイッターの書き込みを示しながら、私に向かって力説していたし。
また…
彼の研究室に、コンピュータを使った反応のシミュレーションや、作用機序予想の手法を導入したのは息子で…
教授から「そっちのほうは全部君に任せる」といわれている一方で…
「君には、コンピュータやAIには出来ない、突拍子もない発想ができる」
とほめられたそうなので。
A→B→Cといった線形思考を、コンピュータやAIは、今でも人間より速く出来て…
その能力は今後、いくつもの改良や改革を通じてさらに伸びて行くのでしょうけれど…
たとえば「A」という現象と「犬」というような、一見全く脈絡のないものを一瞬で結び付けて…
そこから思いもよらないアイディアをひねり出すことは、人間の脳の、不思議な機能にしかないもの。
その「突拍子もない」けれど、結果的に思いがけず役に立つ発想力を、彼は持っているみたいです。
発想力の源は、やはり人文系、社会科学系を含めた、幅広い学問への興味と、視野の広さから来ているのでしょう。
戦争に巻き込まれて、命を失ってしまうようなことがない限り…
彼は薬学の世界で「本物」になって、きっと大きな成果を挙げるのではないかと思います。
それこそ、親馬鹿の極みですが。
そして昨日は、私の父、つまり息子の祖父の家を訪ねて…
一緒に会食しました。
そして、プロ野球やメジャーリーグの話で、息子と祖父で大盛り上がりしていました。
70歳近い年の差がある二人が、あんなに楽しそうに、同じ話題で盛り上がれるなんて素晴らしいこと。
最近はとくに、税と社会保障などお金の問題で、世代間の対立が煽られているようなご時世ですからね。
特に父は本当に嬉しそうで「〇〇君と話して寿命が延びた」「まだまだ生きてないと」と。
そして、だいぶ認知が入って来ている父が、同じ話を繰り返さず、若い人としっかり意見交換していて。
あんな父の姿、久しぶりに見ました。
「孫セラピー」でしょうか。
私も、嬉しかった。
すぐ「老害」とか言ってしまう若者も多いのに。有難いことです。
一緒にいて話をしているだけで、周りにいる人たちがみんな楽しく、明るい気持ちになる。
今夜はまた、地元の友達から飲み会のお座敷がかかって、夜出かけて、明日の早朝アパートに帰るみたいです。
次の帰省が待ち遠しいです。