「静雄さんて、今金髪の外国人で綺麗な女の人と仕事してるんすよね?」
横にくっついてテレビを見ていた正臣が、話し掛けた。
「ん?あぁ、あいつのことか・・・」
静雄には綺麗かどうかはわからなかったが、他の特徴から新しい仕事仲間--ヴァローナのことだと理解する。
「トムさんと3人でな。何考えてんだかわかんねぇけどよ」
軽い説明を添えると、正臣が呟いた。
「ふーん・・・・・・羨ましいなー・・・」
初めこそは気にもかけなかったが、後々考える。
・・・羨ましい?
その言葉にふと反応した。
散々「静雄さんだけです」とか言ってたが・・・所詮は女たらしの軟派少年という性質は直っていないのか。
女と仕事が羨ましいなんて。
「静雄さん?」
そこまで考えるとさすがにいらついてきて、正臣の横から立ち上がった。
「煙草買いに行ってくる」
幾分冷えた声で、言い放った。
午前2時。
さすがに正臣も帰るか寝るかしたろうと思い、自宅の扉に向かった。
思えば、かれこれ7時間程夜の街をさまよい、殴り、殴り、蹴り殴り。
「あー・・・いってぇ・・・・・・」
集中していなかったというのと、不意打ちを喰らったことで、普段よりも痛手を負ってしまった。
そういや、今日は弾も飛んでたような・・・
がちゃり。
「静雄さん・・・!!」
ドアを開けた途端、目の前で小さな黄色が揺れた。
「き、紀田・・・・・・!?」
呆然と立ち尽くす静雄のもとに、正臣が駆け寄る。
「どこほっつき歩いてたんすか!もうオレ心配で心配で・・・静雄さん、怒ってたから、どっかに行っちゃう、んじゃない、か、と思っ・・・」
話しているうちに嗚咽が混じり、最終的に泣き出してしまった。
「・・・そりゃ手前が、羨ましいとか言うから・・・・・・」
恋人が、他の奴に対して好意を持って、その人物と一緒に仕事しているのが羨ましいなんて言われたら、大抵の人間はキレるだろう。
そう思っていた。
思っていたのだが。
「なんでですか!静雄さんと仕事ができるの羨ましいって思っただけなんですよ!?やきもちやいちゃ駄目ですか!!??」
ぎゃあぎゃあ叫び倒す正臣の言葉に唖然とした。
は・・・?
どういうことだ、これは---
「え、・・・え?そっち?」
「そっち、ってまさか静雄さん・・・逆だと思ったんですか?綺麗なお姉さんと仕事できるの羨ましいって言ってると思ったんですか・・・?」
「・・・・・・」
無言で気まずそうに頷くと、泣くのを止めた正臣が、一瞬ぽかんとした表情になってから、少し笑って話しだした。
「え・・・つまりは、静雄さんも、妬いてくれた、ってことですか・・・?」
それを聞いて静雄の顔が赤くなる。
「ばっ・・・んなんじゃねぇよ!」
「えーだって顔赤いですよ?妬いてたんでしょ?」
「うっせぇ」
「いたっ」
照れ隠し、いや仕返しといわんばかりに額を小突かれた。
正臣にいつもの笑顔が戻る。
玄関からリビングのソファへ移動してから、正臣が救急箱を持って来ながら言った。
「ま、静雄さんのかわいい一面?も見れたわけだし、お互い嫉妬してただけってわかったし」
「俺のは違うだろ・・・」
「嫉妬っすよぉ。・・・とりあえず、」
照れて、顔の半分を片手で覆った静雄の、シャツに触れる。
「ちゃっちゃと傷手当てして、寝ちゃいましょう」
「お、おぉ」
「・・・一緒に」
「・・・・・・マセガキ」
「褒め言葉です」
棘を融かすようなキスが、正臣に落ちた。
横にくっついてテレビを見ていた正臣が、話し掛けた。
「ん?あぁ、あいつのことか・・・」
静雄には綺麗かどうかはわからなかったが、他の特徴から新しい仕事仲間--ヴァローナのことだと理解する。
「トムさんと3人でな。何考えてんだかわかんねぇけどよ」
軽い説明を添えると、正臣が呟いた。
「ふーん・・・・・・羨ましいなー・・・」
初めこそは気にもかけなかったが、後々考える。
・・・羨ましい?
その言葉にふと反応した。
散々「静雄さんだけです」とか言ってたが・・・所詮は女たらしの軟派少年という性質は直っていないのか。
女と仕事が羨ましいなんて。
「静雄さん?」
そこまで考えるとさすがにいらついてきて、正臣の横から立ち上がった。
「煙草買いに行ってくる」
幾分冷えた声で、言い放った。
午前2時。
さすがに正臣も帰るか寝るかしたろうと思い、自宅の扉に向かった。
思えば、かれこれ7時間程夜の街をさまよい、殴り、殴り、蹴り殴り。
「あー・・・いってぇ・・・・・・」
集中していなかったというのと、不意打ちを喰らったことで、普段よりも痛手を負ってしまった。
そういや、今日は弾も飛んでたような・・・
がちゃり。
「静雄さん・・・!!」
ドアを開けた途端、目の前で小さな黄色が揺れた。
「き、紀田・・・・・・!?」
呆然と立ち尽くす静雄のもとに、正臣が駆け寄る。
「どこほっつき歩いてたんすか!もうオレ心配で心配で・・・静雄さん、怒ってたから、どっかに行っちゃう、んじゃない、か、と思っ・・・」
話しているうちに嗚咽が混じり、最終的に泣き出してしまった。
「・・・そりゃ手前が、羨ましいとか言うから・・・・・・」
恋人が、他の奴に対して好意を持って、その人物と一緒に仕事しているのが羨ましいなんて言われたら、大抵の人間はキレるだろう。
そう思っていた。
思っていたのだが。
「なんでですか!静雄さんと仕事ができるの羨ましいって思っただけなんですよ!?やきもちやいちゃ駄目ですか!!??」
ぎゃあぎゃあ叫び倒す正臣の言葉に唖然とした。
は・・・?
どういうことだ、これは---
「え、・・・え?そっち?」
「そっち、ってまさか静雄さん・・・逆だと思ったんですか?綺麗なお姉さんと仕事できるの羨ましいって言ってると思ったんですか・・・?」
「・・・・・・」
無言で気まずそうに頷くと、泣くのを止めた正臣が、一瞬ぽかんとした表情になってから、少し笑って話しだした。
「え・・・つまりは、静雄さんも、妬いてくれた、ってことですか・・・?」
それを聞いて静雄の顔が赤くなる。
「ばっ・・・んなんじゃねぇよ!」
「えーだって顔赤いですよ?妬いてたんでしょ?」
「うっせぇ」
「いたっ」
照れ隠し、いや仕返しといわんばかりに額を小突かれた。
正臣にいつもの笑顔が戻る。
玄関からリビングのソファへ移動してから、正臣が救急箱を持って来ながら言った。
「ま、静雄さんのかわいい一面?も見れたわけだし、お互い嫉妬してただけってわかったし」
「俺のは違うだろ・・・」
「嫉妬っすよぉ。・・・とりあえず、」
照れて、顔の半分を片手で覆った静雄の、シャツに触れる。
「ちゃっちゃと傷手当てして、寝ちゃいましょう」
「お、おぉ」
「・・・一緒に」
「・・・・・・マセガキ」
「褒め言葉です」
棘を融かすようなキスが、正臣に落ちた。