きいろをめでる

黄瀬、静雄、正臣の黄色い子達を愛でる同人二次創作短編小説中心。本館はAmebaです。

sleeping baby Ⅰ(ジュダアリ)

2011-05-30 19:30:16 | others
夕刻を過ぎ、幾許か暗くなった街。
その街沿いの一軒に、暗い中でもきらきらと僅かな光を跳ね返す蜂蜜色が揺れた。

「疲れた……」

アリババは部屋に入るなりそう呟き、寝支度もせずにパタリ、とベッドに倒れ込んだ。
もそ、と体勢を変えて掛け布団の下に潜り込む。

今日はいろんなことがありすぎて疲れた。なんだかんだで運動もすれば頭も使ったし、気も遣った。

こんな日はさっさと寝て疲れをとり、明日に備えるのが一番だと、きちんと布団の中央で体を伸ばして寝ようとした。


つもりだった。

「…ん?あれ?」

ベッドの中央に行きたいのに、何故か進めない。
何かが、ある。

「……何?」
さすがに眠気が引き、布団の上から恐る恐る触ってみた。しかし何かはわからない。

(鍵はかけたはず。誰も入れないのに、なんで)
緊張でバクバクと心臓が高鳴る。

不安は募っていくばかり。

(でもこれを解明しないことには、俺は安心して眠れない!)

意を決して、布団をめくった。


バサッ


「……は?」


そこには、胎児のように丸まって眠る―――ジュダルが、いた。





続きます。