きいろをめでる

黄瀬、静雄、正臣の黄色い子達を愛でる同人二次創作短編小説中心。本館はAmebaです。

嫉妬と嫉妬(静正)

2010-11-29 17:16:23 | 小説―デュラララ
「静雄さんて、今金髪の外国人で綺麗な女の人と仕事してるんすよね?」

横にくっついてテレビを見ていた正臣が、話し掛けた。

「ん?あぁ、あいつのことか・・・」
静雄には綺麗かどうかはわからなかったが、他の特徴から新しい仕事仲間--ヴァローナのことだと理解する。

「トムさんと3人でな。何考えてんだかわかんねぇけどよ」

軽い説明を添えると、正臣が呟いた。

「ふーん・・・・・・羨ましいなー・・・」

初めこそは気にもかけなかったが、後々考える。


・・・羨ましい?

その言葉にふと反応した。

散々「静雄さんだけです」とか言ってたが・・・所詮は女たらしの軟派少年という性質は直っていないのか。
女と仕事が羨ましいなんて。


「静雄さん?」

そこまで考えるとさすがにいらついてきて、正臣の横から立ち上がった。

「煙草買いに行ってくる」

幾分冷えた声で、言い放った。






午前2時。

さすがに正臣も帰るか寝るかしたろうと思い、自宅の扉に向かった。
思えば、かれこれ7時間程夜の街をさまよい、殴り、殴り、蹴り殴り。

「あー・・・いってぇ・・・・・・」

集中していなかったというのと、不意打ちを喰らったことで、普段よりも痛手を負ってしまった。
そういや、今日は弾も飛んでたような・・・


がちゃり。

「静雄さん・・・!!」
ドアを開けた途端、目の前で小さな黄色が揺れた。

「き、紀田・・・・・・!?」
呆然と立ち尽くす静雄のもとに、正臣が駆け寄る。

「どこほっつき歩いてたんすか!もうオレ心配で心配で・・・静雄さん、怒ってたから、どっかに行っちゃう、んじゃない、か、と思っ・・・」
話しているうちに嗚咽が混じり、最終的に泣き出してしまった。

「・・・そりゃ手前が、羨ましいとか言うから・・・・・・」
恋人が、他の奴に対して好意を持って、その人物と一緒に仕事しているのが羨ましいなんて言われたら、大抵の人間はキレるだろう。

そう思っていた。

思っていたのだが。


「なんでですか!静雄さんと仕事ができるの羨ましいって思っただけなんですよ!?やきもちやいちゃ駄目ですか!!??」

ぎゃあぎゃあ叫び倒す正臣の言葉に唖然とした。


は・・・?
どういうことだ、これは---


「え、・・・え?そっち?」
「そっち、ってまさか静雄さん・・・逆だと思ったんですか?綺麗なお姉さんと仕事できるの羨ましいって言ってると思ったんですか・・・?」

「・・・・・・」

無言で気まずそうに頷くと、泣くのを止めた正臣が、一瞬ぽかんとした表情になってから、少し笑って話しだした。

「え・・・つまりは、静雄さんも、妬いてくれた、ってことですか・・・?」

それを聞いて静雄の顔が赤くなる。

「ばっ・・・んなんじゃねぇよ!」
「えーだって顔赤いですよ?妬いてたんでしょ?」
「うっせぇ」
「いたっ」
照れ隠し、いや仕返しといわんばかりに額を小突かれた。

正臣にいつもの笑顔が戻る。



玄関からリビングのソファへ移動してから、正臣が救急箱を持って来ながら言った。


「ま、静雄さんのかわいい一面?も見れたわけだし、お互い嫉妬してただけってわかったし」
「俺のは違うだろ・・・」
「嫉妬っすよぉ。・・・とりあえず、」

照れて、顔の半分を片手で覆った静雄の、シャツに触れる。

「ちゃっちゃと傷手当てして、寝ちゃいましょう」
「お、おぉ」
「・・・一緒に」
「・・・・・・マセガキ」
「褒め言葉です」




棘を融かすようなキスが、正臣に落ちた。

言い訳ですよ

2010-11-06 13:37:26 | 日記
1ヶ月も放置してすみませ・・・!!
テスト前→テスト→テスト返し→絶望
という負の連鎖に陥りました。

数学の先生に心配されちゃったYO・・・!!
数Aなんて50点下がりましたからね。どんだけ確率苦手なんだ
でも今やってるとこはわかる・・・!!数Ⅱだけど・・・!!
ほんと何故もう数学Ⅱだし。

てなわけで、わたし次回のテスト死ぬ気でやんないと進級が・・・(笑)
ああんもう頑張るよ!
だからまた更新停滞するかもです。テスト12月頭なんです

ごめんなさい・・・といってもここの更新を待ってる人なんてそんないないわよ
ちーん(´・ω・`)


まあ端的に言えば
来る学校間違えたかな。笑っ

放っとかないでってば(臨正)

2010-11-04 19:41:21 | 小説―デュラララ
カタカタカタ。
正臣と臨也のいる部屋には、臨也がキーボードを叩く音だけが響いていた。


正臣はというと、集中している臨也が一言も発さないので、暇を持て余して、雑誌を読んだり携帯を弄ったりしていた。

しかしかれこれ3時間近く。
さすがに飽きる。
なんなら正臣は自宅に帰ればよいのだが、久々の対面だったため、そうしてしまうのもなんだか憚られた。


なので、読み飽きた雑誌を眺めるフリをし、真剣な表情の臨也を盗み見ていた。

今日は珍しく眼鏡をかけている。
部屋に入ったとき老眼鏡ですかとふざけて聞いたが、俺まだ20代だし、と返されてしまった。


(つまんねぇの)

久しぶりに会って触れてなかったというのに。
見慣れない眼鏡姿に、こちらはかなり心が躍っているというのに。
正臣のつまらなさは募る。

(そりゃ仕事は大事だけどさー・・・)


そこでなんとなく、邪魔したくなる。
不満と、好奇心。






「あっコラ」

足音をさせず近づいて、臨也から眼鏡を奪い取った。
そして自分でかけてみる。
視界がちょっとだけ、歪んだ。

作戦成功、臨也さんは仕事中断。

やられたという顔を見て、正臣は満足げに頷く。

「返しなさい」
「嫌ですよーっ」

臨也は目の前の相手の反応に可愛らしさを覚えて思わず破顔したが、仕事への支障を感じ、すぐに態度を切り替えた。

「返してってば」
「それが人に物を頼む態度ですか?」
・・・・・・不条理だ。
「・・・それがないと仕事が進まないので、返してください」
「うーん、そうですねぇ、じゃあ・・・・・・」

そこで正臣が一旦言葉を切る。

「手を使わないで取り返せたら、いいですよ」
「・・・・・・えぇー」
臨也は心底解らなさそうに疑問の声をあげた。

「わからないですか?」
「わかんないよ、ヒントは?」
「仕方ないなぁ、じゃああげます」


そう言うと、正臣は臨也の正面に回り---

ちゅう。

唇に柔らかい物を感じて、臨也は目を見開いた。
至近距離に、目を閉じた正臣。

深い口づけのあと、音をたて糸をひき二つの唇が離れた。


「わかりましたよね、臨也さん。唇と舌、上手く使ってくださいね」





その後、正臣の濡れた扇状的な唇は塞がれ、臨也の仕事はかなりの時間中断されることになった。