アンを探して Looking for Anne

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Victoria Day - カナダの歴史って...

2009年05月22日 | カナダとアンとモンゴメリ


5月18日(月曜日)、カナダはヴィクトリアデーの祝日でした。
写真は60歳の時のヴィクトリア女王。(貫禄ですね~)
カナダはご存知のように英連邦に属しています。イギリスの歴史の中でも黄金期と呼ばれるヴィクトリア朝時代(1837年~1901年)に君臨したヴィクトリア女王の誕生日が5月24日。
カナダでは毎年5月24日前の月曜日をヴィクトリアデーの祝日と定め、花火やパレードなどで祝います。カナダ連邦にとっては国を象徴する祝日であり、日本の天皇誕生日に例えると分りやすいでしょうか。
ヴィクトリア朝時代というのは、イギリスが経済的にも文化的にも絶頂期を迎えていた時代で、ヴィクトリア女王は、栄華を誇る強い英国を象徴する存在な訳です。
1874年生まれのモンゴメリーの半生も、この時代に被さっています。

ただカナダの歴史は、アメリカの独立の影響や植民者達の利権争いが絡んでとても複雑なものがあり、「女王陛下万歳!」でカナダ国民全員の足並みが揃っているわけではないのも事実です。例えばすぐ隣には英国から植民しながらも、英国に背を向けて独立国となる道を選んだ人々が作ったアメリカという国があるように、カナダの中でも英系移民でありながら親英国ではない人もいるし、独立意識の強いケベック州などは、ヴィクトリアデーをパトリオットデー(愛国者デー)と呼び変えて、1837年に英国軍に反逆して独立のために戦った地元ケベックの愛国者達を称える休日と呼ぶ人も多いです。
またプリンスエドワード島にも、自分達をアカディア人と呼ぶフランス系の人々が多く住んでいて、モンゴメリーのようなスコットランド系の人々とは異なる文化を継承しています。「赤毛のアン」に登場するフランス系の雇い人、ジェリー・ブートがアカディア人ですね。
18世紀に英国軍がこの地からアカディア人を追放するという悲劇も起こっており、モンゴメリーの時代になっても英国系の人々とアカディアンとの間には感情的軋轢があったと思われます。



写真はヴィクトリアデーにモントリオール郊外をドライブしていて偶然通ったchemin des patriotes(愛国者の道)と呼ばれている道。地元のアンティークショップのおじさんが、「ケベックの愛国軍、アメリカからの応援部隊、英国軍が、この道を通ったんだよ」と話してくれました。ここからアメリカのバーモント州との国境までは、車で30分程の距離です。






写真・文 藤本紀子



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