時には目食耳視も悪くない。

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【動画紹介】ヒトコトリのコトノハ vol.2

2023年04月14日 | 動画紹介
☆本記事は、Youtubeチャンネル『本の林 honnohayashi』に投稿された動画を紹介するものです。
 ご興味を持たれた方は是非、動画の方もチェックしてみて下さいね!

 ●本日のコトノハ●
  人間に対すれば憎愛がおこる
  自然に向へばゆうゆうかんかん
  おだやかに生きてをれる。

 『山頭火 日記(一)』山頭火文庫5(1989)春陽堂

 種田山頭火は好きな文学者の一人です。
 大地主の家に生まれ育ち、優秀な成績を修めエリート人生まっしぐらかと思いきや、突然の挫折を味わい、放浪生活へと身を窶していく山頭火。

 社会に適応しようと、努力した時期もありましたが、何の因果かことごとくうまく行きません。
 とても苦しんだと思われる彼が詠む俳句はなんと潔いことか。
 弱さや醜さを隠さない飾らない言葉。まるで自然の造形のように並んでいる言葉。

 山頭火の心は強くも弱くもないと私は思います。
 私が彼の俳句に興味を持ち始めたのは高校生の時でした。家庭でも学校でも、私の周りには心の強い人がいて、私は精神的に押しつぶされそうでした。
 自分の生き方を他人に決めつけられ、そのようにしか生きてはいけないと強制されているような状態でした。
 そんな時に目にした山頭火の言葉は、人間はもっと自然に生きるべきだと私に教えてくれたのです。
 今でも、心が苦しくなると山頭火の句を思い出して、彼の言葉から安らぎと勇気をもらっています。


ヒトコトリのコトノハ vol.2


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▼本の林の管理人ハヤシさんがお送りしています。
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