以下の記事をご紹介します。
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手根管症候群とは、手のひら側にある人材と骨に囲まれている手根管と呼ばれるトンネルの中で、神経が圧迫を受け続けることによって、痛みなどの症状が出る病気です。
中高年の女性に多く起こる病気であり、手を酷使することや妊娠に伴うむくみなどがきっかけになることがあります。手根管症候群は、人差し指に症状が出て、中指、親指、薬指に痛みとしびれが発生します。
手根管症候群であると診断された場合、手首を安静に形で維持するための装具を着用したり、消炎鎮痛剤やビタミンB12などの飲み薬の服用を行います。また、ストロイド薬の注射で治療を行うこともあります。
ステロイドは有効性が高いのですが、薬の副作用も多く、血糖値の上昇を起こしたり、不眠を誘発する場合があります。ステロイドを長期間利用していると、免疫力が低下したり、骨粗鬆症を引き起こすこともあるため、使用前に医師と十分に相談することが必要です。
ステロイド薬の副作用は、一時的なものがほとんどですが、日常生活に支障が出る場合などは、他の治療方法の検討を行うことも一つです。ただし、自己判断によるステロイド投与の中止は、痛みなどの症状を悪化される可能性があるため、医師との相談が重要になります。
以前にも手根管症候群に関する記事をご紹介しましたが、今回は手根管症候群の患者へのステロイド投与と鍼灸の治療を比較した研究をご紹介します。
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手根管症候群の患者77名をランダムに2つのグループに分けて研究を行いました。
グループ1:プレドニゾロン(ステロイド薬)の治療を受ける
最初の2週間はプレドニゾロン20mgを毎日投与
次の2週間はプレドニゾロン10mgを毎日投与
グループ2:鍼灸の治療を受ける
4週間で合計8回の鍼灸の治療を行う
結果は痛み、しびれ、感覚異常、動作異常、夜間覚醒といった主な症状5つを10段階に数値化し比較しました。
2週間後と4週間後の時点で、ほとんどの症状はどちらのグループも改善し特に差異はない、という結果になりました。
夜間覚醒はグループ2の患者はグループ1に比べ大幅な改善が見られました。
また、グループ2の患者はグループ1に比べ、遠位潜時(運動神経伝導速度)にも改善が見られました。
手根管症候群の患者には、ステロイド治療と鍼灸のどちらもが有効であるが、鍼灸の方が利点が多く副作用も少ない、と結論づけています。
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引用:アメリカ国立生物工学情報センター 学術文献検索サイト(NCBI) 2009年5月
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19590482
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当院では手根管部への鍼、低周波パルス治療を行っています。鍼・パルスは障害を受けている神経の痛みを感じる閾値を上昇(痛みを感じにくくする)、神経の血流を改善させてくれます。
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