東京都目黒区の船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が虐待を受けて死亡したとされる事件で、東京地検は27日、父親の船戸雄大(33)と母親の優里(26)の両容疑者を保護責任者遺棄致死罪で起訴した。捜査関係者によると、雄大容疑者は結愛ちゃんに日々の体重を自ら記録するよう指示し、食事制限もしていたという。両容疑者は逮捕当時は容疑を認めていたが、雄大容疑者はその後、黙秘に転じている。
【写真】供養の際、ぬいぐるみなどとともに祭壇に置かれた船戸結愛ちゃんの写真。今年1月中旬に撮影された
起訴状によると、2人は1月下旬ごろから結愛ちゃんに十分な食事を与えなかったうえ、雄大容疑者は暴行を加えるなどして虐待。2月下旬ごろには結愛ちゃんが極度に衰弱して嘔吐(おうと)したにもかかわらず、2人は虐待の発覚を恐れて放置し、3月2日に低栄養状態などで起きた肺炎による敗血症で死亡させたとされる。
捜査関係者によると、結愛ちゃんは毎朝4時ごろに起きて平仮名を書く練習をするよう雄大容疑者から命じられていた。「もうおねがい ゆるして」などと書かれたノートには、日々の体重や起床時間などが記されていた時期があったという。
香川県から転居して一家で目黒区で暮らし始めた今年1月ごろから、雄大容疑者が結愛ちゃんに対して「ダイエットしろ」などと指示。過度な食事制限をするようになり、1日1食の日もあったという。結愛ちゃんの体重は死亡時、同年代平均の約20キロを下回る12・2キロだった。自宅からは「いきがきれるまでうんどうする」「ふろをあらう」など、20項目近い決まり事が書かれた段ボール片も見つかった。
朝日新聞社
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