あぽまに@らんだむ

日記とか感想とか二次創作とか。

一輪の花を(トマニアス)

2020年05月12日 | 創聖のア◇工リ〇ン関係

 

 

これは2005年6月9日に書いた「創聖のアクエリオン」の二次創作SSです。

CPはマイナーな「トーマ×アポロニアス」です。※逆CPがメジャーでした。

然もアポロニアスは創られた天翅という俺設定で展開していきます。

腐的表現有りなので、大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。

↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

<一輪の花を>


一輪の花を見付けた。
大輪の花だ。
最長老でもある大天翅のお気に入り。
大天翅ヨハネスがラボにいる時代に生み出された最高傑作の創天翅。
そう、彼は創天翅なのだ。
天翅は生命の樹から産まれる高天翅、高天翅から羽化して大天翅となる2つの貴い天翅と、
プラーナの花の残滓から産まれ出る低天翅、
高天翅の技術により人工的に生み出される創天翅の計4種がいる。
高天翅でも更に純潔な種であるトーマは、
生まれ出てから既に円卓の13席の1つに座っていた。
それ程に純潔の高天翅の力は絶大なのだ。
そんなトーマも美しい低天翅をはべらせその内壁からプラーナを搾取しても、
満たされない日々を過ごしていた。
彼に逢うまでは。


アポロニアスは静かにプラーナの花園に佇んでいた。
その身からは太陽と同調する特殊能力の為か、神々しいまでの光が溢れている。
まるでオーラのように緋色の髪と黄金の翼が地(この場合、天)へと靡く姿は、
創天翅とは思えない美しさだった。
以前から噂は聞いていた。
あのヨハネスがこれ以上の作品は出来ないだろうと限界を感じ、
ラボを去ったとまで言う創天翅の最高傑作「太陽の翼」。
絶大な力を誇るが常に従順で、戦地で羽なしを大虐殺する姿は、
「殺戮の天翅」とまで言われている。
しかし、花園に佇む姿は力に満ち溢れているというよりは、何故か消え入りそうに儚い。
地を焼く程の力は高天翅と匹敵するほど恐ろしい筈なのに、どこか…寂しいのだ。

「いつも此処にいるな」

傍らから声を掛けてみると、呆けているかのように自分を見返してくる。
その目は、宙を見ているかのように透明でトーマは思わず身構える。
余りにも絶大な力を有すると「発狂」してしまう創天翅が少なくないのだ。
暫く無言でお互い見詰め合っていると、アポロニアスが我に返ったかのように大きく目を見開く。
まるで天(この場合、地)にひれ伏すようにトーマに傅く。

「も…申し訳ございません」

まるで掴まえた妖精のように怯える創天翅にトーマは構えを解き、苦笑する。
アポロニアスは自分より僅かに体格がいい。
身分が低い為に創天翅には上半身に衣服を纏うことが許されていない。
いつでも高天翅や大天翅にプラーナを搾取されてもいい為にだ。
その為、彼の美しい肢体がトーマの前で露になっている。
アポロニアスは顔を上げない。
ひれ伏したまま、恐らく搾取を命じられるのだろうと怯えているのだ。
アポロニアスは大天翅ヨハネスのお気に入りの為、
まだ純潔であることはその身の香りから察することが出来た。
大多数の天翅達がこのアポロニアスを狙っているだろう事は簡単に推測されたが、
ヨハネスを牽制してのことか誰も手を出していない。
トーマはアポロニアスに手を伸ばすと、その手を取り立ち上がらせる。
おずおずと自分を見下ろしてくる蒼い瞳にトーマは妖艶に微笑んだ。

「君が欲しい」

一瞬ぎくりと掌に載せた手が震えたのが分かった。

「搾取はしない。安心しなさい」

そして戸惑ったような視線。不安なのだろう。

「君を愛してしまった。私のものになって欲しい」

アポロニアスは大きく目を見開く。
うろうろと視線が彷徨う。恐らく愛などという言葉に混乱しているのだろう。
創天翅に愛は教えられてないのだ。暫く経ってやっとアポロニアスが答える。

「私には…その資格はありません」
「君を私が選んだのだ。答えは「はい」か「いいえ」だ」

アポロニアスは、その自信と力に満ち溢れた麗人を見返す。
前線指揮官トーマ、円卓の13席の1人。
高天翅の中でも最も大天翅ヨハネスに近いと言われる天翅。
そんな身分の高い高天翅が何故、創天翅の自分を愛してるなどと言うのか、アポロニアスには理解出来なかった。
でも、嘘でもいい。
この(プラーナの)花と同じ扱いを受けている自分を選んでくれた。
愛している、搾取しないと言ってくれた。
心が震えるほど嬉しかった。
アポロニアスに、断れる筈も無かった。

「はい…」

トーマは未だ嘗て感じた事の無い熱い思いが胸の内から溢れ出してくるのを感じていた。
アポロニアスが微笑んでくれただけで世界が変わった。
それ程までアポロニアスの笑顔は美しく胸を打ったのだ。
トーマは今手に入れた花を抱き締める。
-アポロニアスの香り-それは先程までの香りと違っていた。
それは喜びに満ち溢れた幸福の香りだった。


<了>

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今、考えると私の考えるトーマ様なら「はい」か「YES」だとか言いそう。

 

 

 

 


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