あぽまに@らんだむ

日記とか感想とか二次創作とか。

つぐない(2007年)

2016年10月09日 | 映画関係




話の内容はwikipediaにあるので、お手数ですが各自参照してください(笑)
また、ストーリーに多いに触れる内容ですので、御覧になる方は自己責任でお願いします。
大丈夫な方はスクロールして御覧下さい。↓↓↓↓





















<感想と考察>



一番強く感じたのは、この映画は、ジェームズの繊細さが一番引き出された作品だなと言う事です。
監督さんが言っていた通り、彼の演じたロビーはまるで聖人のように高潔な人物として描かれています。
ジェームズの泣きの演技が視聴者の心を打ち、ロビーの不幸な境遇に嘆き、最後のシーンに涙するのです。
私的には、主人公のブライオニーは多感な少女で、
「彼女は、姉とロビーの噴水での不自然な様子や卑猥な手紙など、大人の恋のやり取りを目撃して強いショックを受ける」
「その夜、ブライオニーは姉とロビーの図書室での情事を目撃し、激しい嫌悪感を抱く」
とwikipediaでは説明されてますが、私的には初恋の相手であるロビーが姉に取られてしまうと、
激しい嫉妬を覚え、姉に取られるくらいならと彼を陥れようと嘘を吐いたのではと思うのです。
そしてブライオニーの嘘の証言により、ロビーは捕らえられ、減刑と引き換えに、海外派遣軍兵士としてフランスへ出征する事に。



舞台は1935年のイギリス。ジェームズが演じるロビーは、ケンブリッジ大学の学生ですが官僚の使用人の息子です。
セシーリアは、ロビーの幼馴染みでケンブリッジ大学の同窓生ですが、ロビーが医学生を目指すと知り、彼への恋心に気付きます。
ロビーは些細な喧嘩を謝ろうと何回もセシーリアへ渡す手紙を書こうとしますが、上手くいかず、
冗談で書いた卑猥な内容の手紙を誤って、何の因果か自分を仄かに想っていたブライオニーに渡すよう、頼んでしまう。
それが全ての始まりだったと思います。
ロビーとセシーリアの図書室での情事は官能的で、身分の差で許されない哀しさが有りました。
セシーリアのキーラの美しさは勿論の事、ジェームズの哀しみを秘めた愛し方も、とても綺麗でした。
二人の愛を目撃してしまうブライオニーも、激しい嫌悪感なのか、嫉妬心なのか、本人も分かって無かったのでしょう。



此処で勿論ロビーは冤罪なのですが、本当の犯人はやがて加害者と被害者の結婚という形で判明します。
それが何とベンこと、ベネディクト・カンバーバッチ。
ポール・マーシャルという姉妹の兄の友人として滞在していた男だったのです。
元々、姉妹の従妹ローラを見る目が情熱的だなぁと思っていたら、案の定。
元より、暴行事件になる前に、ローラに痣が有ったり、ポールに引っ掻き傷が有ったりしたので、
二人は出来ていたと思われます。
んで、青姦してたらブライオニーが来てしまい、ポールは急いで逃走。
ローラはどう誤魔化そうと混乱していたら、ブライオニーに言い包められ、それに乗ってしまおうと考えたのでは?
私の予想はそんな感じです。う~ん、ベン、嫌な役ですね。



ロビーとセシーリアは出征直前に再会し互いの気持ちを確認し合い、いつか海辺の別荘で二人で休暇を過ごそうと約束します。
カフェでの二人の再会シーンは、涙無しでは見られません。
運命に翻弄され、傷付き、二度と逢えないかもしれないという怯えに満ちています。
「シー(セシーリアの愛称)、僕に気兼ねするな」
「僕達には3年半前の、あの図書館の一瞬しかない」
戦地に赴く自分は、もう生きて帰国出来ないかもしれない。
愛する人を縛る事は出来ないと涙ぐむロビーは、本当に美しいです。
「ロビー、私を見て」
「戻って来て、私のところに」
でも、セシーリアは強い愛情を持って彼を勇気付け、彼を待ち続けるとロビーに告げます。
ロビーの頬にそっと手を添えて愛を伝えるセシーリアは強い女性だなと思いました。
気持ち的にシー×ロビーなんだよね(笑)
卑猥な手紙なんて冗談で書いちゃう男の子でもありますが、ロビーは基本的に母親想いで、借りた学費も返そうと考える人です。




やがてロビーは撤退(ダイナモ作戦)のため、仲間とともに海を目指す。
しかし、胸に被弾していたロビーは海に付いたものの、出血により体調を崩し次第に幻覚を見始める。
海で帰国を待つ数千人の兵達の様子は圧巻で、ロビー達はその中を歩き続けます。
その一方、18歳になっていたブライオニーは看護婦として働く一方、小説を書き続けていた。
そして、ブライオニーはセシーリアを訪ね、許しを請うことを決心する。
セシーリアを訪ねたブライオニーは、帰国したロビーと偶然部屋で逢い、激しく詰られます。
真犯人がポールと気付いたと告白するが、彼と結婚したローラが証言する筈はありません。
兎に角、事件の詳細と偽証した事を家族に告解しろとロビーは要求します。
ロビーが自決したフランスの少女達の死体の山を見て涙し、ブライオニーとの川の出来事を思い出していたので、
とっくにロビーはブライオニーの嘘が自分に恋する余り、偽証したと分かっていたのではないかと思います。
全てが彼を陥れるかのように運命の歯車が回ったのです。
だからこそ、ロビーがブライオニーを詰るのは変だなと感じました。
カフェでセシーリアが「ごめんなさい」と涙ぐむのに、「いいんだ」と即答する彼です。
従軍している最中にも、恨み言では無く、「遣り直すんだ」と繰り返す人です。
ブライオニーでは無く、セシーリアとの愛のある生活を心の支えに、幸せな生活を夢見て歩き続けた人です。
おかしいなと思いました。









ブライオニーは看護婦見習いとして雑用に追われる日々でしたが、傷付いたフランスの兵士を看取ったり、
大怪我で運ばれて来る兵士達を見て、こんな恐ろしい戦地に、愛するロビーを行かせてしまった事、
そんな彼と結ばれ、幸せになる筈だった姉の運命も狂わせてしまった事を再確認するのです。
それは恐ろしい罪悪感でしたでしょう。




それから時は更に流れ、老年になったブライオニーは一流の作家としてTVのインタビューを受けます。
其処で哀しい事実が発覚するのです。
結局ロビーは撤退する1日前に敗血症により亡くなっており、
まるでそれを追うかのように、同じ年、セシーリアも空襲により亡くなっていたのです。
ブライオニーがセシーリアの家に謝りに行ったのも、ロビーに逢ったのも、全て創作だったのです。
ブライオニーの遺作となる本のタイトルは「つぐない」。
その本の中では、海辺の別荘で休暇を過ごし、波打ち際で無邪気にはしゃぐ二人の姿が描かれているのです。
現実世界で、同じ時を過ごせなかった二人が、本の中で幸せな人生を送る、
それがブライオニーの「つぐない」だと言うのです。やり切れませんでした。哀しい話です。



ロビーのように冤罪による減刑の為に戦地に行く人は稀かもしれませんが、
何度も起きた世界大戦では何組もの恋人達が、このような哀しい辛い想いをして亡くなっていったのです。
今、この時分、世界はまた再び戦争へ向かっていっています。
大事な人を亡くす哀しみを皆さまはまだ知らないでしょう。
事故や災害では無く、戦争は人災です。皆の心一つで回避出来るのです。
戦争を題材にした映画は余り好きではないのですが、この「つぐない」はジェームズが出演しているのもありますが、
無しでも心に突き刺さる好きな映画の1本になりました。
因みに後の2本は「プラトーン(1986年)」と「グローリー(1989年)」です。
戦争映画なので、視聴後の爽快感は期待しないでくださいね。グローリーは毎回大泣きして観てました。




最後に、繰り返しになりますが、この「つぐない」はジェームズの代表作になる1本だと思います。
お金に余裕がある時に、出来たらBlu-ray欲しいくらいです。
この頃、ジェームズは28歳か~可愛いですね~。「X-MEN FC」の頃は32歳だったのか~と考えると、
本当、ジェームズって童顔で可愛いですよね。
此処まで読んで下さって有難うございます。興奮冷めやらずなので、かなり長くなってしまいました。
皆様に少しでもこの映画の良さが伝わっていれば幸いです。



追伸:Blu-ray買いました。やはりジェームズの繊細さが引き立つ映画なので、買っちゃいました。
ジェームズ度は★★★★☆ですが、あの綺麗な涙だけでもお金を出す価値があります。(2016.10.27)

















































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