<グエムル-漢江の怪物->
14年前に映画館に観に行きたかったのですが、観れずに終わってしまったので、観ました。
Amazonプライムで観れますので、是非ご覧下さい。おススメです。
理由は、韓国の映画ですが、ハリウッド顔負けのCGの美しさ。
怪物が登場しますが、何の違和感も無く現実(リアル)とマッチしてます。
最初のシーンで怪物が生み出された原因が分かるのですが、
その所為で怪物の最後が哀しみを誘います。
勿論、怪物は人間を捕食し、襲いますので、許される存在では無いのですが、
その形態がある生物に似ているので、何となく哀愁を誘うのです。
そしてこの映画のテーマは家族。
主人公の男、カンドゥは冴えない露店の男で、大卒でフリーターの弟、
アーチェリーの競技の選手で銅メダルを取る程の実力者の妹、そして父親、
逃げた女房の間に出来た娘の4人の家族が居ます。
その怪物に娘を攫われてしまったカンドゥは父と弟妹の四人で隔離施設から逃げ出します。
以下からはネタバレになってしまうので、観たいと思った方は閲覧注意です。
韓国の人は前から思ってましたが、情熱的ですよね。
国に対しても家族に対しても凄く熱いです。
日本社会の家族だったら、そんな事出来るだろうかと疑問に思ってしまう位、
韓国の人は家族への想いの強さが日本人より強い気がします。
施設を逃げ出したカンドゥの父親は車と怪物が逃げ込んだ下水道の地図を手に入れます。
孫の為に全財産投げ打つんです。凄いと思ってしまいました。
軍隊や衛生管理局や様々な部隊が動いても全然怪物を追い詰められず、
結局、変な細菌兵器を散布する事になってしまいます。
物語が進むと家族はバラバラになってしまうんですが、
それぞれ独自に動き、行く行くは怪物の許へ集結し、闘います。
其処が凄いんです。
カンドゥは普通の露店の男です。いつも寝てばかりでオツムも少し弱い。
でも、娘の為に闘うんです。小山のような大きさの怪物とですよ。
そして授業参観に来てくれたカンドゥの弟は大学の頃の運動に参加していた所為か、
器用に火炎瓶を作り、やっぱり闘うんです。
そして金メダル候補でいざという時に力を出せなかったアーチェリー選手の妹は、
ここぞという時にやっと姪の為に本領発揮するんです。
娘の為、姪の為、カンドゥと弟妹の三人は闘うんです。
軍人達は一体何やってる。一般人に戦わすな。
かなり私、ご立腹でしたけど、怪物の最後は映像には出ません。
その為、ラストの冬空の露店の中、カンドゥは海から何か出て来るんじゃと銃を握ります。
其処等辺が日常と掛け離れて居て、公害って許せないなって思うんです。
そうもう一つのテーマが公害。
怪物は自然に生み出されたモノでは無く、ゴジラのように人が生み出したモノ。
漢江に安易に流した有害物質の所為で生み出された魚の亜種なんだと思います。
その原因は西洋人らしき博士の無責任な一言。
それを渋々やってしまう韓国人の助手。その二人に因って沢山の人が命を失う事になるんです。
公害は人間に直接害を与える事が多いですが、この映画は怪物を産み出す事に因って、
間接的に人間が捕食されるという害悪を与えられたという警告なんだと思います。
この映画の監督、ポン・ジュノ監督は、「パラサイト 半地下の家族」で
第92回アカデミー作品賞を受賞して有名になりましたが、
その前にも「スノーピアサー」や「オクジャ」勿論「グエムル-漢江の怪物-」でも有名でした。
「スノーピアサー」はMCUのキャプテンアメリカで有名なクリス・エヴァンスが出てますので、
以前から観てみたいと思っていました。
そして怪物モノではまた興味深い「オクジャ」はネフリで観れます。
世界にも認められたポン・ジュノ監督のこの映画、観ておいて損はないと思います。
是非、Amazonプライムで観れますので御覧下さい。
当時、あまり期待しないで、他の映画の付け合わせ感覚で観たんですけど、グエムルの方が面白くて驚いた思い出があります。
確かに仰った事、分かります。
橋を必死に走る家族の姿に目が潤みました。
グエムル、是非皆様にも観て欲しいですよね。