あぽまに@らんだむ

日記とか感想とか二次創作とか。

ぺネロピ(2008年)

2016年10月24日 | 映画関係



内容に深く触れる発言が多々有りますので、ネタバレ注意でお願いします。
また、私がJMファンなので役柄、ジョニー(マックス)寄りなので、ご容赦下さい。
それでも良いという奇特な方は(笑)下へスクロールして御覧下さい。↓↓↓↓↓





































<感想と考察>



先祖の呪いで豚の鼻と耳をした女の子の自立と恋を描いた作品と言えばいいのでしょうか。
最初の30分が怒涛で、後の80分どうなるのかと興味津々でしたが、ハッピーエンドで終わってほのぼのしました。
原題のおとぎ話と思って製作側は作ってたみたいですね。確かに。
ファンタジーと言うには現代的で、メッセージ性が強いと思います。
普通のファンタジーは最後の最後で漸く呪いが解けて、お姫様は王子様とハピエンっていうパターンでしょうが、
何とヒロインのペネロピは物語終盤前に自力で呪いを解いてしまいます。
そして呪いに掛かっていたのはある意味、王子様も一緒で、ピアニストの夢を放り出し、賭博に嵌ってしまった青年が、
ヒロインに恋をし、苦しみ、賭博からの誘惑を断ち切り、自立しようとします。
そんな王子様をぺネロピが迎えに行くのです。
「美女と野獣」の反対バージョンと誰かが言っていましたが、全くその通り。
そんな現代版のおとぎ話は、決してただの映画では無く、女の子達に何が大切なのかをしっかり教えている作品でした。



<キャスト>


●ペネロピ・ウィルハーン●クリスティーナ・リッチ

クリスティーナは、相変わらず可愛いのに巨乳で魅力的な女優さんでした。
豚の鼻をしているのに可愛い。これ反則です。
ジョニー(マックス)がマジックミラー越しに話して、惹かれるのも分かるし、
後から彼女の顔を観てしまって驚くけど、顔なんか関係無く好きになってしまうのが分かります。

クリスティーナは、153㎝と超小柄なので、170㎝のジェームズといい身長差です。
「アダムスファミリー」で有名になり、「キャスパー」や
「バッファロー´66」「スリーピーフォロー」で実力派女優としても有名になった女優さんですね。
来日してインタビューされていた内容が特典で観れましたが、素でも可愛い方です。
余り相手役のジェームズの事を語らなかったのがちょっと寂しい気もしました。

ペネロピ役は本当に彼女以外は考えられないくらい可愛い当たり役だったと思います。
顔には豚の鼻はあるけど、教養があり、優しく、ユーモアがあるペネロピ。
本当は人は外見では無く、中身が問題。
そして、人は先ずありのままの自分を受け入れ、認め、愛してやる事から始まるのだと教えてくれます。
一番分かって欲しい筈の両親(特にママ)に、閉じ込められて育つ事が先ず可哀想です。
彼女本人は、お婿候補が「化け物!」と逃げていく度に傷付くけれど、
何でそれで隠れて生きなければならないのか、ジョニー(マックス)に逢って疑問を持つようになります。
彼女が豚の鼻と耳を持って生まれて来たのは、先祖が魔女の娘を手酷く捨て、自殺させてしまった為の呪い。
『ウィルハーン家に生まれる最初の娘は豚の容姿を持って生まれるだろう』
『呪いを解くには、名家の者から愛されなければならない』
その為、お婿さんを見付けなきゃいけないとママは躍起になっています。
その度に傷付くのは娘なのに、一番現実を受け入れたくなく、恥ずかしいと思っていたのはママなんじゃと思います。

哀しい経緯でペネロピの必死のプロポーズを拒否するしか無かったマックス(ジョニー)。
初めて好きになったマックスに大失恋し、自宅を抜け出し、自分の生きる道を探そうとするペネロピ。
自分の顔を世間に晒し、有りのままの自分で生きるペネロピは次第に世間に認められていきます。
やがて名家の男性と愛のない結婚をさせられそうになって、初めて呪いを解くのを最優先に生きるより、
「今の自分が好き」
と他人からばかりでは無く、自分自身も認めた時、何と呪いが解けるのです。
名家の者からの愛は、何と家族や自分自身でも有りだったという事なのですが、何か「え~」です。

兎に角呪いが解けて普通の女の子になったペネロピは自分の夢、道を探し、学校の先生になります。
やがて、嘗て自分が好きになった青年マックスの正体とその真意を知り、彼に自分から逢いに行きます。
彼と愛を確かめ合ったペネロピは、幸せに暮らしました。…で、おとぎ話は終わります。
彼女のママに片目を奪われ、彼女を追い廻す記者や、彼女を化け物扱いし、世間体からプロポーズする名家の青年、
ママに頼まれた結婚アドバイザーの女史、脚の速い執事、自分の先祖を恥じるパパ、
嘗て彼に勧められたパブの優し気なマスターや、成り行きで一緒に過ごすようになる宅配の女の子など魅力的なキャストが一杯。
そんな人達に囲まれたペネロピの幸せになる話でした。幸せな気持ちになりますよね。



●ジョニー・“マックス”・マーティン●ジェームズ・マカヴォイ




気だるげで色っぽいですよね…



名誉挽回の為、彼女の写真を撮りたい新聞記者レモンと名家の青年エドワードに雇われた落ちぶれた名家の青年。
最初はマックス・カンピオンとしてペネロピの前に現れますが、行き違いから彼女の顔を知らないままお互いに惹かれ合います。
次第に彼女を化け物扱いするレモンとエドワードに憤りを感じて行きますが、賭博に嵌り金に困っていた為、断れません。
でも、ペネロピの顔を見て固まってしまったマックスは、自分の顔を恥じて立ち去る彼女に自分の気持ちを自覚するのです。
撮った隠しカメラをレモン達の前で壊すのを観られてしまったマックスは、急いで彼女に弁解しに行きます。
其処でペネロピからプロポーズを受けます。涙を流しながら愛を乞うペネロピに苦悩するマックス。
しかし、ペネロピを愛している筈の彼は、ペネロピのプロポーズを拒絶するのです。
それからもマックスは賭博を暫く止めないで居たのですが、ペネロピの写真が新聞に掲載されたのを見て、抗議しに来ます。
ペネロピの写真を撮る約束をした際の金を返金するというマックスに、写真は本人が提供したと聴き、マックスは驚きます。
止まっていた人生を自ら一歩踏み出した彼女に影響され、彼も人生をやり直さなければと決意します。
それは、何とピアニスト。あれ?名家の人じゃ無かったの?と思っていたら、新聞記者レモンが彼の正体を暴きます。

彼の本当の名はジョニー・マーティン。
新聞記者レモンが賭博場を訪れた際、同テーブルにいた為間違われたのですが、お金に困っていたジョニーは、
マックス・カンピオン、名家の青年としてレモン達の依頼を騙して請け負うのです。
お金の為、ペネロピに近付き、彼女と話し、惹かれていく内に次第に罪悪感に苛まれて行き、止めようとした際、
ペネロピのママにスパイだと指摘され、弁解するのを遮られ、ペネロピにプロポーズをされてしまうのです。
彼女の愛を受け入れたい。でも、自分は名家の青年ではないのです。
『自分では彼女の呪いを解いて、自由にしてあげる事が出来ない』
彼は本当の事を言えないまま、彼女の愛を拒絶するしか無かったのです。
幾ら自分がペネロピを愛していようと、それは意味がない事、自分の正体を言える筈も無かったのです。

豚の鼻をしたまま、自由に生きようと健気に頑張るペネロピを遠くから見守りつつ、彼も再出発を決意します。
元々ピアノでラブソングを作って生きていたようで、歌でまた生きようと頑張り始めるのです。
やがて散々彼女を化け物扱いしていた名家の青年エドワードがぺネロピにプロポーズしたと聴き、必死で止めようとします。
しかし、逆に脅され彼女が傷付く事を恐れ、ジョニーは失意のまま立ち去るのです。
結婚式を逃げ出し、忽然と姿を消したペネロピを忘れられないまま彼は生きていたと思います。
彼の真実を結婚アドバイザーのワンダから知らされたペネロピが彼に逢いに行き、愛を確かめ合い、二人は幸せになります。

今回も「落ちぶれた名家の青年」と思いきや、「名家の青年を装った賭博に嵌った元ピアニスト」という難しい役処。
クリスティーナとの可愛い撮影風景とか観たかったのですが、DVDにそんな特典も無く…。
一応ヒロインの相手役なのに、余り取り上げられてないのは少し納得行きません。
気が合わなかったのかしら…年近い筈なのに…。
中肉中背とレモンは言ってましたが、長く垂らした前髪の所為か、ジョニーは酷く顔が病的に見えます。
サファイヤのような蒼い瞳は探るように揺れ、少女のように赤い唇が中性的で、酷く護ってあげたくなります。
肩パットの入った上着を着ると、撫で肩が分からず本当にスタイル良く見えます。
体重を少し絞ったのかしら。飲み食いせずに賭博のトランプをやり続けるなど、少し異常な役なので痩せたのかもです。

特典にはジェームズのコメントが余り無く少し寂しいのですが、また繊細な青年を見事に演じています。
同じ年に「ラストキング・オブ・スコットランド」を撮っているので大変だったでしょう。
役柄ってのもありますが、殆ど寝ないで賭博をしているので、目の下に隈があり、髪の毛もしっとりしています。
お風呂ちゃんと入ってない設定のかも。ジョニーが住んでいる場所は一見いいアパートっぽい感じでしたが。
黒い帽子を被ったり、縞々のマフラーをしたりとロンドンっ子のようにお洒落にしていますが、お金に縁のない感じ。
そんなジョニーをペネロピが好きになれるよう、魅力的に演じているのは流石ジェームズです。
「つぐない」より前に撮っているので、もっと若いですね。童顔な彼なので、更に可愛いです。



●ジェシカ・ウィルハーン●キャサリン・オハラ
ペネロピのママ。彼女の呪いを解く為と懸命にお見合いをさせ、彼女の葬式を出し死を装い、家に軟禁していた変わったママ。
ママ的には娘を護ると言いつつ、「子供が醜いから外出しない」とパパに言っていたようで、娘を恥じていたと分かります。
その為、ペネロピは20代半ばまで家から出して貰えず、化け物扱いされる度傷付くのにお見合いをさせられ続けるのです。
呪いが解け、普通の女の子になったペネロピに鼻の整形を持ち出すなど、実はデリカシーの無い我が儘な人と判明。
実は執事に化けて一族を観ていた呪いを掛けた魔女本人に、最後に声を出せない呪いを掛けられ一切喋れなくなった。
そんな無神経なママを演じるのは、「ホームアローン」シリーズのママで有名なキャサリン。
この人、卒倒したり、大声で叫ぶ役ばっかりなのかしら。大変ですね~。



●レモン●ピーター・ディンクレイジ
ペネロピを報道しようとし、ペネロピのママにどつかれ片目を失った新聞記者。
名誉挽回の為、名家の青年エドワードと組み、スパイとしてマックスを送り込み、写真を撮らせようと画策します。
マックスに隠しカメラを壊され、「彼女を化け物扱いするな!」と非難されたり、
化け物の似顔絵を新聞に掲載され傷付き、そのペネロピ本人から写真を受け取り、漸く彼も罪悪感に苛まれます。
やがてマックスの正体を知り、彼に逢いに行き、本当に彼がペネロピを愛していたと知り、彼を気の毒に思うのです。
ラストで木の枝から下がったブランコに乗ったペネロピを押すジョニーの姿を写真で撮ろうとするが、止め去っていくレモン。
小さなボートで去っていく様は凄く可愛いです。
何とこのレモン、「X-MEN:フューチャー&パスト」でトラスクを演じてるピーターが演じているんです。
片目をアイパッチしてて、可愛いです。上記の作品ではジェームズとは再会してるんですよね。
そら~冗談言い合って仲が良いのは頷けます。



ホント、可愛いおとぎ話でした。かなりメッセージ力ありの。
クリスティーナ自身も、是非女性や女の子に観て欲しいと言ってましたよ。
勿論男性が見ても、そのメッセージは伝わると思います。
アナ雪じゃないですが、「ありのままの姿見せるのよ~♪」そういう事です。
時間は110分と短めですが、割と序盤の30分でヒロインが脈ありそうな相手に振られる、
終盤前に呪い解けちゃうという怒涛の展開なので、どうなっちゃうのこれ?とハラハラも出来ます。
そんな可愛い現代版、逆の「美女と野獣」をどうぞ観てみて下さい。
此処まで読んで下さって有難うございます。
少しでも映画の楽しさ、ジェームズの可憐さが伝わると嬉しいです。



追伸:そでした。この作品はジェームズ演じるマックス(ジョニー)の危うさとか苦悩とかがとても良いのですが、
あくまでもペネロピ役のクリスティーナを全面に押し出しているので、余りジェームズのインタビューもありません。
本編だけしか楽しめないのですが、余りアピールされてません。相手役なのにね。
その為、ジェームズ度は★★★☆☆です。(2016.10.27)























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