
カサブランカが咲いた
薄暮に溶けそうな綻びたての白
愚鈍な心は、一瞬で花びらの影に隠れてしまうそんな錯覚
捕らわれてしまったなら仕方ない
追い付かれて捕らわれて抜け出せないなら、捕らわれたまま対峙して
愚鈍な僕から逃げずに咀嚼していく
僕の目には清らかに見えないのは、
捕らわれたまま、ぬらり濁った眼で見ているからだと
気付いているつもり
カサブランカが咲いたら
僕の眼も開いていく錯覚
肝心なのは、続けることだよね
そのうち元の僕に戻って、譲れないものを永遠にする予定
僕の眼は今どんな色
きっと、花の白じゃない
花の色のようになれたらと願う