
これ以上ないくらい細い線を、
真っ白な空間に
これ以上ないくらいどこまでも真っ直ぐにひいて
出来得る限り気持ちを集中して
余白だらけの裸の気持ちを研ぎ澄まし
鋭く、そしてたおやかに
矢を放て
これ以上ないくらい真っ直ぐな矢を
うまい具合に線に矢が命中したら
命中した地点から現われる
さらに細い、絹のような真っ直ぐな線
そんな世界がどこかにあって
羽に気高さや高潔、時に影を宿した天使が
金銀の種子を込めて
矢を放つ
矢が選んだ一点から光の粒子が降る、恵みの雨が光る
真っ白な世界から生まれた線を
その音楽へと変換してくれる魂に
あらゆる美を芸術というものに姿を変え世界へ放つ為
選ばれしその心、君在りし