AR動物病院の盛田です。
7月は実習生対応や腫瘍学、循環器学の勉強をしていたらあっという間に過ぎてしまいブログが書けませんでした📝
8月1日についに循環器1を終了!
今は外科1を履修し止血や炎症の定義、仕組みから勉強しなおしているところです✍
今回は勉強した循環器のお話から
皆様は心筋症という病気をご存じでしょうか?
心筋症には大きく分けて3パターンあり、今回はその中の肥大型心筋症について最近のアップデートをしていきたいと思います。
(今回のお話は主に猫ちゃんの話ですのでワンちゃんの飼い主さんにはあまり興味をひかないかもしれません🐱)
上記は論文のタイトルですがここには健康な猫ちゃん103頭を集めて聴診や心エコーを行った結果16頭が心筋症でした(内訳として15頭が肥大型心筋症1頭は別の心筋症)。
というものでした🏥
これだけでも結構なショックですが
さらに聴診結果がショッキングで、心筋症で心雑音が聞こえたケースは5割以下(専門医でも64%)、心筋症の特異的な心音であるギャロップ音に至っては3割以下(専門医で33%)しか聞こえなかったとのでした😲👂
つまり、日々の診察にて心筋症を見つけられるのは半数以下(専門医でも2/3程度)という事なのです⚡
私も以前は健康な猫ちゃんは7歳ぐらいまでは心臓の検査はしなくていいかと思ってましたが今回のアップデートで若い猫ちゃんでも心臓エコーはやっておくべきだと感じました。
心筋症は治す方法はありませんが、注意深く見守っていくことで進行を遅らせることが可能な病気ですのでまずはかかりつけでの心臓検査をお勧めします💡
また、ここには記載してませんがX線検査は有用かといいますと、症状が悪化した際は有用ですが、肥大型心筋症に関して早期発見するにはX線検査はあまり有用ではないと思います👆
胸部X線検査はあくまで肺野や心臓の全体像を把握するうえで必要であって心臓の筋肉の肥大などは判別するのは難しいと考えてください。
今回は衝撃の大きかった心筋症のアップデートについて書いてみましたが、その他の病気も随時アップデートしているのでお気軽にご相談ください(私は人間なのでもちろん全ての勉強を一瞬で行うことはできません。そのためタイムラグが発生することもご了承ください)。
因みに
上記文章でかかりつけを強調しましたが
理由として、猫ちゃんは慣れない場所は非常にストレスがかかるからです。
ただでさえ押さえつけられて毛を刈られ、冷たい機械を胸に当てられるのですからそれが全く知らない場所であればストレスも非常に大きいものになります💣
症状が出ていない病気であってもストレス下では症状が出ることも考えられますので上記の様にかかりつけをお勧めしました。
また、良くかかりつけのない猫ちゃんがいますが、こういう時のために毎年の予防や健康診断などをしっかり行いかかりつけ病院を作っておくことをお勧めします🏥👆